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中学・高校受験:学びネット

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洛南高等学校
洛南高等学校附属中学校

 
  2012年、小学校開校へ弘法大師空海の理念をさらに体現
08年、国公立大学への合格者数は312名。うち、東大、京大、阪大、神大の合格者数は188名という高い実績をあげた洛南高等学校・同附属中学校。弘法大師空海の教えに則り、躾教育に重きを置いて127年の歴史を歩んできた。時代の要請に応え2年前に共学化し、次は小学校開校を目指して動き出している。早ければ4年後、京阪神の初等教育に理想の学校が加わる。

校 長: 柴垣 弘巌
住 所: 〒601-8478 京都市南区壬生通八条下る東寺町559
電 話: 075-681-6511(高校)
075-672-2661(中学)
交 通: 京都駅八条口から徒歩13分/近鉄東寺駅から徒歩10分/四条大宮から市バス18.71.207系統で「東寺東門前」下車徒歩3分
学生数: 中学校 666名
高等学校 1609名 (2008.09.1現在)
ホームページ: http://www.rakunan-h.ed.jp/

 

小学校開校で磐石な初等中等教育を

 洛南高等学校と附属中学校は、世界文化遺産である東寺の敷地内にある。東寺は弘法大師空海ゆかりの寺で、建学理念がその教えに則していることは言うまでもない。躾に重きを置き、他人の立場を理解し、個性の伸長をはかる教育が127年の長きにわたって受け継がれてきた。その一方で時代の要請に応え、2年前に共学化し、今年度すべての学年に女子がそろったところである。

 同校校長の柴垣弘巌氏によると、現在、中学1年生226名中45名が女子で、その割合は少ないが、行事や特別活動などでは主導権を握って十分な存在感を発揮しているという。部活動でもあらゆる部活に参加しているが、華道部とバドミントン同好会が新設され、女子の活躍の場が徐々に広がっている。募集枠が少ないこともあって、女子受験者の偏差値は関西一高い。

 さて、共学化への導入が一段落したところで、同校では長年温めてきた小学校開校の構想を本格化させている。学力の低下、命を大切にするこころ、相手を思いやるこころが失われているといわれる現代社会において、特に幼少期の教育にリーダーシップが求められている。柴垣校長は「ことさらに新しい流れに乗るのではなく、昭和30年代のような児童が教師を自然と敬えるような学校をつくりたい」と思いを語る。そこには自然の恵みに対する感謝の念や底知れない世界への畏敬の念、また、人と人のつながりの大切さを知ることのできる子どもを育てたいという思いが込められている。

 規模は1学年120名で、全校児童数720名程度。原則として洛南高等学校附属中学校、同高等学校へ進学する児童を募集する。小中高12年間の一貫教育を通して、思いやりがあり、芯の強い、社会や世界に立ち向かえる人間の育成を目指す。

 開校予定地は阪急「洛西口」駅から東へ徒歩13分、JR「桂(新駅仮称)」駅から南へ7分の京都の開発事業区域である。今後、地元教育委員会への認可申請を経て、平成20年代前半までの開校を目途としている。

多感で豊かな成長期に播種される仏教の教え

 国公立大へのきわめて高い進学率を維持し、各部活でも好成績を挙げている洛南の教育のよすがは、やはり仏教の教えにある。真言宗の開祖である弘法大師空海が、約1200年前に開学した綜藝種智院をはじまりとする同校は、「物の荒廃は必ず人に由る。人の昇沈は定めて道に在り」という言葉を礎に日々、行いを慎み、努力を積み重ねるよう指導がなされる。

 とはいえ、「仏教は奥が深く、到底、教えて教えきれるものではない。最初は形から入り、醸成された宗教的ムードの中で、仏の心を伝えていく」と柴垣校長は話す。そして、宗教的ムードを醸成する取り組みは、中学校入学時から始められる。

 入学オリエンテーションは同じ真言宗の総本山である高野山で行われ、宿坊で寝起きし、写経し、精進料理をいただきながら生活の中に仏様を意識することから宗教教育が導入されていく。それから1か月が経つ頃には、全員が般若心経を暗証しているという。授業では週1回宗教の授業が組み込まれ、校長による月に1回の講話の後には感想文を書く取り組みが行われている。
そうした仏教を身近に感じる生活を6年間続けるうち、在籍中に会得する真理もあろうが、多くは一生をかけてその教えを理解していくわけで、まさに、生涯を通じて学び続けるための播種が多感な時期に行われているのである。

学校を見守る熱き大人たち

 同校の特徴的な教育方針として「自省」がある。一般に知育、徳育、体育、共同(他人の立場の理解)といった教育方針は生徒に対して目指すべき方向として定められるが、「自省」は生徒を取り巻く大人、すなわち教師や保護者に対し求められた努力目標なのである。子は大人の鏡であることから、生徒の成長を教師と保護者の三者の連携で深めようと大人が精進することを教育方針に盛り込んだもの。そのため、保護者会は年間5回実施され、その出席率は常に95%以上と高い。
連携といえば、卒業生との交流も盛んで、毎年、2千人程度が訪れる体育祭や、4〜5千人規模の人出の文化祭には保護者や受験生に混じって卒業生の姿が多く見られるという。また、部活動はもちろん、体育祭や文化祭といった行事で育まれた先輩と後輩の絆は良き伝統となっている。

 ここに「それぞれの道の途中から」と題された1冊の本がある。卒業生が在校生に贈る進路選択のためのメッセージ集だ。裁判官、脳神経外科医、編集者、パイロット、哲学者、TV番組ディレクター、建築士、バスケットボールプレーヤー・・・ありとあらゆる職業に就いている先輩からの体験談、仕事の魅力や厳しさなどが綴られている。これから進路を決定し、受験に立ち向かおうとする現役生を励まし、奮い立たせ、応援する内容となっていて、どんな進路指導書よりもモチベーションを上げる力を感じさせる書である。

 教師、保護者、先輩。これら洛南生に力を添える大人たちの存在は大きく、今回の取材を通じて知ることができた学校の特色のひとつだろう。

 
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