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中学・高校受験:学びネット

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平安女学院中学校・高等学校

 
  新高校校長、改革路線を継承し 立命館コースを設置、建学精神を再確認
2007年4月、平安女学院高等学校に新校長、今宿純男氏が就任した。氏は、立命館大学高大連携推進室教授も兼務する。公立で長年の校長経験をもつ今宿校長のもと、同校はこれまでの改革路線を引き継ぎ、新たに「立命館コース(中・高各60名)」を設置した。立命館大学への進学を前提としたコースで、その注目度、期待度はともに高い。また、従来の取り組みについても細部にわたる検討、改善を重ね、ジェネリックスキル教育の一層の充実が図られている。

校 長: 今宿 純男(高校)
勝野善彦(中学)
住 所: 〒602-8013 京都市上京区下立売通烏丸西入
電 話: 075-414-8101
交 通: 地下鉄烏丸線「丸太町」駅2番出口より徒歩3分 / 京阪「丸太町」駅より徒歩10分
学生数: 中学校  143名
高等学校 322名 (2007.11.1現在)
ホームページ: http://www.heian.ac.jp

 

「立命館コース」を設置
同大文系学部、APUへの進学が前提

創立以来132年、キリスト教主義に基づく女子教育を実践してきた平安女学院中学校・高等学校は、ここ数年、ドラスティックに改革を積み重ねてきた。一般に、女子の中高一貫校においては、学校経営が厳しいといわれる状況の中、いかに社会的ニーズに答えつつ、建学の精神を体現していくかが課題となっている。改革はそうした課題への挑戦の歩みであったといえるのではないか。

同学院ではこれまで「知性を広げ、望みを高くし、感受性を豊かにし、そして神を知らせる」という建学の精神に沿った教育の実践に力を傾注してきた。これは、常に希望と夢を抱き、幅広い教養、知識を身に付け、それを応用できるしなやかな感性を育む女性こそ、社会が求める女性像であるという考えからである。

一方で、21世紀を生きる国際社会の一員としての幅広いスキルを身に付ける女性の育成が社会的要請となっており、中高一貫教育においては、その最初の段階としての新たな実践教育が求められている。経営が厳しさを増す中、ニーズは多様化しているのである。しかし、だからこそ建学の精神の中に社会のニーズを融和させることが、女子校改革の重要なポイントであることはいうまでもない。

同校ではまさに、そのポイントを押さえた改革を継続しているのである。そのうち、2008年度の改革の目玉として注目されるのが、「立命館コース」の設置である。同コースは立命館大学との協定により、同大文系学部および立命館アジア太平洋大学への進学を前提としており、次代の国際社会を担う女性リーダーの育成を目標においている。中学校段階ではゆとりある進度で、基礎学力の定着を図り、公共マナーを身に付け、互いに支えあう人間関係力の育成に重点を置く。

高等学校も含めたコースの特色としては、6年間を通じ国際協力・交流といった異文化理解教育をカリキュラムに取り入れ、英語運用能力を高める。また、本格的なIT社会で通用するIT運用能力を身に付けるため、基礎的スキルを習得していく。キャリア学習では社会と自分自身との関わりを見つめ、適性や興味関心から将来就く職業、進路について考えを深めるとともに、計画立案力、実行力といったいわゆるプレゼンテーション能力をつけるねらいも含まれている。加えて、確かな学力をつけるため、08年度より中・高ともに授業時間を週38時間とする。募集人員は、中学校、高等学校ともに60名(2クラス)。

2つの進学コースで多彩なカリキュラム

さて、公立での教職経験が長い今宿校長だが、4月に就任した時、生徒の礼拝時などの礼儀正しさに「驚いた」という。「毎朝の礼儀正しい敬虔な祈りの姿を見ていますと、私自身も身の引き締まる思いがしました」と。同校では躾教育に力を注いでおり、その成果が、宗教教育ともあいまって凛とした生徒像を形作っている。

茶道や着付けの授業を通して、気持ちのよい所作を身に付け、伝統文化を学ぶことは、生活態度にも好影響を及ぼすことから、女子教育に取り入れる学校も次第に増えている。

この躾教育は今年策定した、中学校から大学までの共通の教育基本方針「知性と品性を身に付けた愛情深い女性の教育」の中に組み込まれている。社会に巣立つ時、ジェネリックスキルが確立できるようプログラミングされており、本人は無論、保護者からも好評。

伝統教育は平安女学院ネットワークを活用し、「一流に触れて学ぶ」を合言葉にアグネス総合進学コースT類で、特に多くの時間を取っている。このクラスは指定校推薦枠とAO入試や一般入試で併設大学を始めとする私立大学への進学を目指すクラス。そのため、併設大の国際観光学部、生活福祉学部や短大の英語コミュニケーション学科、保育科の授業を「高大接続プログラム」によって受講できるメリットがある。加えて、人権・平和・ボランティアといった社会体験プログラムでは、地域の老人ホームや諸施設を訪問しホスピタリティ(もてなしの心)精神を学ぶが、こうした取り組みは、これからの時代、女性に求められる職種にジェネリックスキルとして役立つものである。

次に、アグネス総合進学コースU類では、国公立大、難関私大への現役合格100%保障というテーマを実現すべく、5教科7科目を徹底指導するカリキュラムが組まれている。生徒一人ひとりにあった「学習カルテ」を作成、面談を行い、きめ細やかな学習アドバイスを行う。さらに、「アグネスタイム(断続的短時間集中学習)」と、読解力や文章作成能力を養うための専門教材「論理エンジン」の採用で、国公立2次対策も早期に実施する。
同コースの募集人員は中学校、高等学校、それぞれ60名(2クラス)ずつで、中学校から入学の生徒は、高等学校進学時にT類とU類に別れる。

より良さを求めれば
「不易と流行」に行き着く

今宿校長が就任した4月、改革続行の方針を確認するように、第一次改革プロジェクトを始動させた。3か月後の7月にはプロジェクトチームを再編し、課題別の第二次プロジェクトチームを立ち上げた。全ての教員はいずれかのチームに所属し、改革の細部にわたってアイデアを出し合い、検討を重ねている。

今宿校長は「実に短期間で実のある内容を作ってもらっている。この改革を成功させるか否かは、学院の存続・発展を左右するほどの重大性を持っている。教職員が知恵と力を惜しみなく注がなければ、成功はありえない。気持ちをひとつにしてこの局面を乗り越えなければならない」と、改革に対する強い決意を述べた。

悠久の歴史を刻む京都の中心、京都御所に隣接する絶好のロケーションに恵まれた平安女学院は、周辺環境だけでなく、その校舎もチャペルも内装もレトロで静かな品格を漂わせ、環境面ではまさに申し分ない学び舎である。古都で歴史を刻んだ学院にふさわしく、受け継ぐべきものは大切に次代へと送り、改革すべきは大胆にこれを断行してきた。「不易と流行」は今宿校長がモットーとする考えだが、まさにこの言葉の通り実践を重ねている。

 
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