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中学・高校受験:学びネット

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滝川第二中学校・高等学校

 
  体験重視の教育プログラムが豊かな感性と実践的知力を育む
2004年に開校した滝川第二中学校は、子どもたちの感性を磨き自主性や判断力を養うために、多彩な体験学習を取り入れている。一方、国数英の重点3科目は週6時間の授業時間を確保するなど、学習指導も充実している。知識と体験の両面からバランスよく学べる独自のカリキュラムは、学校生活にメリハリを与え活気をもたらしている。同時に、地元での評価も年々高まり、今年の入試では500名を越える志願者を集めた。

校 長: 瀧川 好庸
住 所: 〒651-2276 神戸市西区春日台6-23
電 話: 078-961-2381
交 通: 登下校時JR「明石」「西明石」駅より直通バスを運行・神戸市営地下鉄「西神中央」駅より21,22,28系統「西体育館」行きバス、「西体育館前」下車5分
学生数: 中学校  255名
高等学校 792名 (2007.9.1現在)
ホームページ: http://www.takigawa2.ed.jp

 

学び楽しむSW(Special Wednesday)

1学期の期末試験も終了し、夏休みを間近に控えた水曜日、滝川第二中学校では生徒たちが楽しみにしていた「SW(Special Wednesday)ワイド」が実施された。

同校では開校以来、毎週水曜日に農園芸体験や芸術鑑賞、清掃ボランティアなどさまざまな体験学習を行っている。その他の曜日は土曜日を含め、国数英の100分間授業など教科の学習がびっしりと詰まっているため、水曜日は生徒たちにとって大切な気分転換の日である。

「どの生徒も軽いカバンで生き生きと登校してきます」と、入試広報室・副室長の北岡浩先生は笑顔で話す。

「SWワイド」のこの日は、学内外で学年ごとの催しが行われた。

中学3年生は、神戸西神オリエンタルホテルにおいてマナー研修。これは10月に予定されているカナダ研修旅行の事前学習である。ホテルのバンケットルームでパブリックスペースでのマナーについて学んだ後、実地研修を兼ねてビュッフェでランチ。お皿に料理を盛りすぎないなど、バイキングスタイルでのマナーに気をつけながら、楽しいランチタイムを過ごした。

同じころ、近くのボウリング場では、中学2年生のボウリング研修が行われていた。グループごとにレーンに分かれてゲーム開始。重たいボールをそっとレーンに転がす生徒や、豪快に投げる生徒など、思い思いのフォームでスコアを競う。ストライクをとると仲間から歓声と拍手が沸き起こり、嬉しさが増す。おそらくほとんどの生徒は、友だち同士でボウリングをするのは初めて。笑顔いっぱいのびのびとゲームを楽しんだ。

協力し合って課題にチャレンジ

一方、学内では中学1年生がクラスごとの課題に取り組んでいた。

あるクラスは、調理実習室でフランス料理に挑戦。メニューは「鶏のガランティーヌ」や「トマトのファルシー」など。挽肉やキノコを混ぜ合わせた具を鶏肉で包み、オーブンで焼く。トマトの中をスプーンでくりぬき、卵とキュウリ、ツナを詰める。レシピで手順を確認しながら、慎重な手つきで作業を進める。料理の仕込みが一段落したグループは、先生から指示されずとも、調理器具の後片付けに取りかかる。どのグループもまごついたりせず、鍋やまな板を手際よく洗っていく。協力し合いながらスムーズに調理実習を進めていく様子には感心させられる。

また、別のクラスはパソコン教室で、暑中見舞いのハガキづくりに取り組んでいた。自分の写真入りの暑中見舞いをつくり、小学校や塾でお世話になった先生に出すという。

ワードアートで文字を装飾したり、色づかいを工夫したり、それぞれに個性豊かなデザインの作品がつくられていた。

パソコンは円形のテーブルにセットされているため、グループ内で相談しやすい。すでに作品を完成させた生徒が、隣の生徒にアドバイスする姿も見られた。
「情報」の授業を担当している北岡先生は、「普段の授業でも、隣同士で互いに教え合いながらクラス全体のレベルを上げていくように指導しています」と話す。 

過去と未来を見据える「進路探求プログラム」

SWのなかで、総合学習や情報の授業の一環として、2年次に「進路探求プログラム」、3年次で「企業探求プログラム」が実施されている。

「進路探求」は、日経新聞のコラム「私の履歴書」からロールモデルを選び、その人物の「ドキュメンタリー」作品をつくるというもの。昨年度は、東京で開催された「全国作品発表会」に1チームが出場した。

今年の主人公には、日清食品の創業者である安藤百福氏や作家の田辺聖子氏など6名が選ばれた。1名につき2チームが、それぞれに作品を制作する。

ある「安藤百福」チームは、大阪府池田市の「インスタントラーメン発明記念館」まで取材に出かけ、許可を得て写真を撮影し、さらに作品で使用する許可も受けてきた。

北岡先生は「こちらが何も指示していないのに」と、生徒の自主性と行動力に目を細める。

ドキュメンタリーは、パワーポイントを使い、音声や画像も入れてインパクトのある作品に仕上げる。完成後は何度もリハーサルを重ね、学内の発表会で大勢の前で発表する。この授業を通して、生徒たちの表現力が総合的に養われていく。

作品発表の後も、プログラムは続く。今度は自分自身の過去と未来を「私の履歴書」と同じフォーマットにまとめるのだ。

「過去篇では、お家の人や周囲の人たちに取材することで、自分が生まれてから今まで、たくさんの人に支えられてきたことを実感できます。また、未来篇は自分の目標や生き方を考えるよい機会となります」。

「生きた社会」を学ぶ

中学3年の「企業探求プログラム」は、企業のインターンシップを教室で体験できる学習プログラム。全日空や大和ハウスなど実在の企業の研修を受け、企業から提示されるミッションに挑戦する。一般的には高校で多く導入されているが、同校では中学2年次で「進路探求」を経験しているため、中学3年生でも無理なく取り組める。

今年は、昨年度までの反省を踏まえ、その企業らしさを前面に出すプレゼンを目指している。そのため、前半ではアンケート調査に力を入れた。「世の中の人は、その会社をどのようなイメージでとらえているのか」がテーマだ。

アンケート対象も、調査数も実施場所もすべて生徒が考えて決めた。「全日空」チームは神戸空港で、「大和ハウス」チームは住宅展示場でと、それぞれ考え抜いた場所でアンケート調査を実施した。

生徒たちは「協力してくれる人が多くて嬉しかった」「答えてもらえず苦労した」「チラシ配りの人の大変さがよくわかった」など、さまざまな感想を持ったようだ。

アンケートの集計にはエクセルを使う。2年次・3年次と続く探求プログラムのなかで、自主性や判断力、論理的思考力などが鍛えられるとともに、コンピュータスキルも大きくアップする。

同校の第1期生は今年、高校に進学した。「中学時代とは雰囲気が違う」と北岡先生。外部の中学から入学してきた成績優秀な生徒たちを見て、俄然やる気を出しているという。
「中学でいろいろなことを経験してきた生徒たちですから、『伸びしろ』は十分にあります。高校で外部入学生と刺激し合い、力を発揮してくれるでしょう」と期待は大きい。

勉学だけでなく多彩な体験学習を取り入れることで、生徒の能力を多角的に引き出す教育方針が、難関大学合格という形で成果を示す日も近い。

 
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