サイト内検索:
 
中学・高校受験:学びネット

 学びネットは、中学、高校受験のための情報ページです。学校紹介や塾経営にお役立て下さい。

今月号の紹介 学校散策 塾長のためのマンスリースケジュール 購読案内 会社案内
学校散策 ・関西校・ 関西一覧
   

クラーク記念国際高等学校 大阪キャンパス

 
  多様化する学びに対応“自分を知り、夢実現”を応援
Be, ambitious!!(=大志を抱け)で知られる北海道開拓の父、ウイリアム・S・クラーク博士の理念を受け継ぎ、1992年、広域通信制高等学校として開校したクラーク記念国際高等学校。全国に53キャンパスを有し、今春にはクラーク初の国内併設大学となるIPU・環太平洋大学が岡山市で開学。全日型〜在宅型まで多様な学び方を提案し続け、生徒の持ち味を引き出し、夢実現の応援に取り組む大阪キャンパスを取材した。

校 長: 松尾 髣S
住 所: 〒543-0045 大阪市天王寺区寺田町2丁目1-21
電 話: 06-6772-6666
交 通: JR大阪環状線「寺田町」駅から徒歩5分
学生数: 11233名  (全キャンパス合計)
(2007.6.末現在)
ホームページ: http://www.clark.ed.jp/osaka/

 

目的にあわせて学び方をチョイス

大阪府教育委員会によると、直近の全日制公立高校の中途退学者数は年間で約3000名、私立高校でも約2000名を数える。全体的な生徒数の減少により数字自体は減っているものの、依然、さまざまな理由からの中途退学者は多い。

こうした状況から、特に高等学校における学びのスタイルには多様化が求められて来た。クラーク記念国際高等学校はそんな社会的ニーズに応える形で、1992年に広域通信制高等学校として北海道深川市に本校が開校したのを皮切りに、現在まで全国に53のキャンパスを設置している。その教育理念はクラーク博士による「夢を持ち努力し続ける人物の育成」である。

大阪キャンパスには、全日制高校と同様の高校生活を送る「全日型」と、週3日・週1日通学コース、また月に2〜3日のスクーリングで学びを進める在宅コースなどの「単位型」が設置されており、現在は全日型・単位型合わせて約450名が在籍している。
全日型には、大学進学や海外留学を目指すための「総合進学コース」(同コース内に、ハイレベルな理科的資質や研究心を養成する“スーパーサイエンス専攻”、芸術をコンピュータで表現する技能を養う“デジタルアート専攻”、次世代を担える教員志望生を養成する“教員養成専攻”を設置)と、登校リズムをつくりながら学校生活に臨める「フレックスコース」が設置されており、学び方自体は全日制高校と変わらない。
単位型の「週3日通学コース」・「週1日通学コース」は、スクーリングとレポート学習を併行する形となるが、通学自体が毎日でないため、学業と趣味などの両立がしやすい点が特徴。現在、芸能活動やF1レーサー、プロテニスプレーヤーを目指し活動中の生徒や、平日に働きながら学ぶ生徒もいるが、通学時間を節約し、それぞれの目標達成に取り組んでいる。

同じく単位型の「在宅コース」は、隔週土曜日のスクーリングに出席しながら自宅でレポート学習を進めるのが基本。インターネットを利用し、課題内容における効果的な学習や大学入試に向けた基礎・対策学習などを行える環境がさらに拡がっており、一般の高校生はもちろん、社会人が高校卒業資格の取得を目指す場合にも配慮された内容と言えそうだ。

ちなみに、全日型1年次生や他コース希望生が冬季にスキー合宿を体験するプログラムがあるが、このとき指導に当たるのが北海道本校校長の三浦雄一郎氏である。プロスキーヤーであり、冒険家でもある三浦氏からスキー技術はもちろん、挑戦する勇気を学び取る貴重な授業といえる。

他人を見ず、目標をみよ
打ち勝つ相手は自分自身

大阪キャンパスを訪れて、まず感じたのは職員室のアットホームな雰囲気である。教員の年齢層も若く、生徒にとっては接しやすいだろう。今回、お話を伺ったのはキャンパス長の河内義雄氏で、体育科の担当教諭である。

はじめに大阪キャンパスの生徒像について問うと、他のキャンパスにも共通することだが、生徒の中には不登校などつらい経験をして、かえってそのことで相手の気持ちを推し量ることのできる生徒も少なくない。例えば、他校からの編入、転入生にも在校生がすぐに声をかける姿勢が見られるのが同校の良さの一つであるが、こうしたムードは、転入生がクラスになじむのに、教員があれこれ気遣うことよりも効果的という。

一方で、自信がもてない生徒や無気力な生徒にどう接するかを聞いてみると、学校行事の運営を生徒に全面的に任せることで、改善が見られるという。「例えば、体育祭では走るのが苦手な生徒でも、プログラム作りが上手だったり、放送係なら得意という生徒がいます。そうした得意分野を任せることで、役割分担をして行事を創り上げています」と、河内教諭。行事体験の中で、生徒は自分自身を知り、自信を得ていくのだが、これは少人数だからこそのメリットである。

また、オープンキャンパスや学校説明会も生徒が中心になって運営をしている。入学を検討する受験生や保護者の前で、かつて不登校を経験した生徒が体験談を話し、いかに学校生活に慣れ親しめるようになったかを披露したこともある。参加者には説得力があるだろうし、本人にとっても自信につながる取り組みである。学校づくりを教員だけが担っているのではなく、生徒も一体となって自らの学習環境を創り上げている、そんな印象の大阪キャンパスである。

ところで、河内教諭がよく生徒に話して聞かせる「ウサギとカメ」の話がある。「なぜ、ウサギはカメに負けたのか」と問うと、決まったように「油断したから」と生徒から答えが返ってくる。だが、河内教諭の話は少し違う。「ウサギはカメを見たから負けた。カメを見ずにゴール(目標)だけを見て頑張れば、負けなかったに違いない」と話す。要は、他人と自分を比較するな、自分は自分の目標を見つめて努力せよ。打ち勝つべきは自分自身である――という教えが、そこにある。思い悩む季節を過ごす生徒を勇気づける新作逸話である。

さらに充実の進学サポート

クラーク記念国際高等学校生の生徒の進学先は国公立大から各私大、専門学校と多様だが、今春、新たな選択肢としてクラークの系列大学であるIPU・環太平洋大学が開学したことで、進路保障がより充実した。

IPUは次世代教育学部(乳幼児教育学科、学級経営学科)と体育学部(体育学科)の2学部からなり、ニュージーランドに1990年に私立全寮制国際大学として開学したIPCインターナショナル・パシフィック大学(国際総合学部)の系列大学でもある。今後、IPUとIPCは連携をとりながら、スポーツ留学、現地教育機関でのインターンシップ制度を積極的に活用し、新しい大学教育を創りあげていく構想だ。

ほかに愛媛女子短期大学、東京国際ビジネスカレッジ、関西文化芸術学院、関西健康科学専門学校、日本健康医療専門学校が、クラークの卒業生に対し優先入学制度を設けており、進学には入学金や学費の免除、割引制度がある。働きながら学ぶ学生にとっては、うれしい応援だ。

また、全国の240を超える大学から指定校推薦枠を確保しており、生徒一人ひとりの目標、個性に応じた進路選択にも充実のサポート体制を見せている。
生徒の持つ可能性を最大限に引き出し、夢を実現するため、生徒自らの足で歩を進めさせるには何が必要か。そのための教育的エッセンスが同校の大阪キャンパスに感じることができた。高等学校選びで模索する生徒、保護者には一見の価値がある。

 
  ページの先頭へ戻る
manavinet」運営 / 「塾ジャーナル」 編集・発行
株式会社ルックデータ出版
TEL: 06-4790-8630 / E-mail:info@manavinet.com
Copyright© 2004-2003 manavinet. all rights reserved.