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中学・高校受験:学びネット

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洛南高等学校・附属中学校

 
  人間教育の伝統をそのままに男女共学へ
全国トップレベルの大学進学実績を誇る洛南高等学校・附属中学校。仏教をベースとした人間教育により何事にも全力を尽くす心を養い、将来の夢実現へと導いている。今年度からは、中学・高校ともに女子にも門戸を開き、男女共学校として新たな一歩を踏み出した。全募集定員の25%という狭き門を突破した女子生徒は、少数ながら存在感を発揮。勉学やクラブに積極的に取り組んでいる。

校 長: 柴垣 弘巌
住 所: 〒601-8478 京都市南区壬生通八条下る東寺町559
電 話: 075-681-6511(高校)
075-672-2661(中学)
交 通: 京都駅八条口から徒歩13分、近鉄東寺駅から徒歩10分・四条大宮から市バス18・71・207系統で10分「東寺東門前」下車徒歩3分
学生数: 中学校  671名
高等学校 1663名 (2006.9.1現在)
ホームページ: http://www.rakunan-h.ed.jp/

 

成績優秀な女子が入学

同校の始まりは今からおよそ1200年前の天長5年、弘法大師によって庶民教育のために創設されたわが国最初の私学「綜藝種智院」にまで遡ることができる。その後、変遷を経て1962年、新しく洛南高等学校として発足した。そして今年度、「男女共同参画社会」を担う人材育成を目指し、伝統ある男子校から男女共学校へと生まれ変わった。

全国屈指の進学校である同校の共学化は、今春の中学・高校入試で大きな注目を集めた。
今年中学入試は、初の「近畿地区統一開始日」入試が実施され、従来の受験パターンが大きく変化。多くの有名進学校が志願者数を減らした。そのなかで洛南高等学校附属中学は募集定員約200名に対し昨年度と同様、1千名を超える志願者を集めた。

また高校入試においても、外部募集定員約310名に対し、746名が出願。昨年度の志願者数を大幅に上回った。

京都ではここ数年、公立高校改革に伴い、成績上位の生徒が公立高校へ進む割合が高まりつつあった。洛南高校の共学化はその流れにくさびを打ち込んだといえる。同校の川西裕明渉外部長は「京都の私学全体の活性化につなげたい」と話す。

女子募集枠は中学・高校ともに全体の約25%。女子の競争倍率は中学が約4.5倍。高校は約1.6倍に上った。狭き門を突破して入学を果たしたのは、中学45名・高校47名。いずれも成績優秀な女子生徒である。

柴垣弘巌校長は女子新入生を迎えての第一印象を「予想していたほど違和感がありません」と話す。

授業中の雰囲気も従来と変わらないという。これは女子生徒の占める割合がまだ少ないことにもよるが、授業に集中する姿勢に男子と女子の違いが見られないからだ。

柴垣校長は「共学第1期生が大学受験を迎える3年後には、一層の飛躍が期待できます」と話す。

京大合格実績ナンバーワン

同中学ではコース制を敷かず全員が同じカリキュラムにしたがって学ぶ。授業時間数は週に34時間。6年一貫のメリットを生かし英数国の3科目は先取り学習を行っている。

しかし、「あまり先を急ぎすぎると息切れしてしまいます。中学時代はクラブや行事を楽しみ、体験を積み重ねてもらいたい」と柴垣校長。

実際、中学では約9割近くの生徒がクラブに所属している。

高校はT類とV類の2コースを開設。T類は基礎学力を充実させ、適性に応じた国公私立大学への進学を目指す。V類は学力を錬成し、最難関国公立大学進学を目標としている。
内部進学生はV類に進むが、外部中学からの入学生とは基本的に別クラスを編成する。

高校3年間はクラス替えをせず、担任も持ち上がる。同校では「進路指導部」を設けておらず、生徒の適性や性格をよく知る担任教師が、責任をもって指導する。

今年は東大に28名、京大には101名が合格した。京大合格者数は16年連続日本一である。国公立大学と防衛大や防衛医科大など大学校の合格者数は総計で364名。早慶上智・関関同立など難関私大合格者総数は優に600名を超える。

学ぶ心を育てる

合格実績の高さから、厳しい学習指導をイメージしがちだが、柴垣校長は「詰め込み教育やスパルタ教育ではありません」と話す。

確かに、他の進学校と比較して中学・高校ともに特に授業時間数が多いわけではない。

「最も力を入れているのは人間教育。生活指導を重視し、勉学に向かう土台づくりから始めます」。

生活指導は頭髪や服装、挨拶の仕方や清掃にいたるまで、きめ細かく行われる。指導する側も、男性教師は全員、白カッターシャツにネクタイ着用。「教師は生徒の見本であるべき」という考えによる。

中学新入生は4月に実施される1泊2日の高野山オリエンテーション合宿で、礼儀作法と基本的な生活習慣を学ぶ。畳に正座して、精神を集中し般若心経を写経する。

高校新入生は夏休みに東寺の洛南会館で4泊5日の勉強合宿。朝から深夜まで、食事と入浴時間以外は文字通り「勉強漬け」となる。高校2・3年では高野山で6泊7日の合宿が開かれる。

「合宿の目的は学力アップというよりも、『辛抱』を体験させ、その尊さを教えることにあります」。

弘法大師の教えを建学の精神とする同校では「宗教」の授業や、毎月21日に行われる弘法大師の命日を記念する行事「御影供(みえいぐ)」を通して、人間として大切な心を育んでいる。「辛抱」もそのひとつである。

「道徳では『人に迷惑をかけてはいけない』と教えます。しかし、迷惑をかけずに生きていける人間はいません。生徒たちに自分が生かされていることに気づかせ、感謝して生きることを教えます」。

同時に、何事にも全力を尽くす心がけを身につけさせて行く。

「学問に王道なし。合格実績は生徒たちが頑張りぬいた結果です」。

共学化でクラブも新設

6月のバレーボール大会に始まり、水泳大会・柔道大会・バスケットボール大会・サッカー大会・文化祭・体育祭と、年間を通して多彩な行事が繰り広げられる。しかも、コースや学年に関わらず、生徒たちはすべての行事に本気で取り組む。

クラブ活動も活発だ。体育系クラブは目的や適性に応じて選べる2部制を採用。トップアスリートを目指すのならT部へ。体力づくりが目的ならU部で楽しみながら活動できる。
T部には輝かしい実績を誇るクラブが名を連ねる。一昨年のインターハイでは、バレー部が優勝を果たし、体操部が2位、バスケットボール部が3位に入賞した。陸上部も昨年の国体で優勝や2位などの実績を残している。

文化系クラブにおいても、吹奏楽部や将棋部・競技かるた部などが全国大会で活躍している。

「女子の希望で、新たに華道部もつくりました」。

笑顔で話す柴垣校長の視線の先には、水盤に生けられた薄紫のアヤメ。高校1年女子の作品だという。

女子生徒が加わったことで、同校の良き伝統がどのように充実、発展していくのか、期待は大きい。

 
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