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中学・高校受験:学びネット

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平安中学校・高等学校

 
  学校改革始動から数年実績を上げ続ける人気校に
男女共学化を始めて4年め、ソフト・ハードの両面で改革を続けてきた平安中学校・高等学校。定期テストの廃止や職員室のオープンスペース化、夏期休暇の短縮による授業日数確保など、斬新なその改革内容に多くの期待や注目が集まっており、昨年度の志願者数・入学者数は2003年度の倍以上となっている。

校 長: 安井 大悟
住 所: 〒600-8267 京都市下京区大宮通七条上ル御器屋町30
電 話: 075-361-4231
交 通: 阪急京都線「大宮」駅徒歩15分・バス5分 JR東海道線「京都」駅徒歩15分
学生数: 1132名 (2006.9.1現在)
ホームページ: http://www.heian.ed.jp/

 

冬の時代を脱する改革で志願者・入学者数が急激増加

2003年の男女共学化を最初とし、多くの改革を続けている平安中学校・高等学校。龍谷大学と連携したプログレス(龍谷大学連携特進コース・平安中学校連結)・選択講座が多く、他分野に渡る知識欲を満たすことができるクリエイト(選択講座制コース)・スポーツの平安をさらに強化したアスリート(スポーツコース※男子のみ)の3コース制を取り入れて数年を経た今年、中学校では志願者474(2003年度の志願者210)、高等学校では志願者1548(2003年度の志願者699)という、数年で倍以上の著しい増加率を上げているのだ。

だが、改革を進めてきた教員は、その結果に浮かれることなく、この現状を『今は一種のバブル期である』と分析して気を引き締めている。まだ改革の実績が上がっていない現在は、イメージ戦略が功を奏しているだけのこと。実績が出てからの結果を待たなければ、改革は成功とは言えないというのがその理由だ。

元々、数年前の平安の冬の時代に、警鐘を鳴らしたのは現場で生徒を教えていた数名の教員。募集定員に満たず、学校そのものの存続が危ぶまれていた当時、このままではいけないと、教員たちが自ら改革に立ち上がった。そして男女共学・龍谷大学連携・教育システム改革という外部改造を行うと同時に、何度も会議を行い、教員の意識改革も同時に進め、生徒をさらにきめ細かく指導できるような体制を整えていったのである。

一方、塾や中学校への渉外活動も活性化。特に高等学校ではそれまでほとんど行っていなかった渉外をゼロから始めるために、足繁く塾や中学校へ通い始めたのである。

渉外の際に配る学校案内にも隅々までの気配りが見える。女性・男性を問わずよく読まれるビジネス・情報系週刊誌をコンセプトに作成し、働く保護者が電車の中でも広げられるような体裁に、各学校に配るものには穴を開け、紐を通して教室の壁にかけてもらえるように工夫が凝らされているのだ。そのため、今では通学圏内のどの中学や塾でも、共学校としての平安高等学校を認識されるまでになり、多くの卒業生を平安の進学へと促すようになったことも、志願者倍増の一因となっている。

定期テスト廃止・夏期休暇短縮様々な生徒のための改革

内部に活気を持たせるためには、教員や渉外、教育システムの改革だけではもちろん無理である。生徒の学びに対する意識もともに一新させるために、改革は様々に行われている。

中でも大きいのが、中間・期末に行う定期テストの廃止である。そのときだけに詰め込むテスト勉強では、真の実力が身に付いたとは言えない。そこで、ほぼ月一回、そして週3回、細やかにステップアップテストや朝テストを実施している。もちろん、到達目標に達しない場合は、補講を通じて徹底的に弱点をフォロー。定期テストよりも短期間で行うために常時緊張感と集中力を保ち、確実な実力を身に付けていく。

また、職員室を開放空間とし、生徒が休憩時間や放課後に勉強できるスペースを確保している。教員が分からない部分を指導し、時には厳しく叱責する。ただし、この試みは、現在職員室に来る生徒が続々と増えており、近い内に別のスペースを確保するなど、新たなシステムを模索中だ。

一方、週6日制を取り入れる私立校が多い中、平安ではあえて週5日制を導入。ただし夏期休暇を3週間に縮め、5教科の集中授業を取り入れることで年間210日の授業日数を確保しているのだ。これに対する生徒からの反発はなく、クーラーの効いた教室で学ぶのであれば、家庭学習より勉強がはかどると逆に好評だという。

その他に、新しい学舎の竣工や、有名ブランドによるデザインの制服の導入なども人気が高い。これらの要因が絡み合い、生徒同士の口コミからも、受験志願者数が増えているのである。

この著しい人数増加で、入学時の生徒の学習習熟度レベルも上がっている。実際に昨年、プログレスでは73名中63名が国公立、関関同立、龍谷大学へ合格、クリエイトでも4年生大学に113名中83名という高い進学となっている。しかし、この結果は、入学生のレベルが高くなったからという理由だけで得られたものではないと改革関係者は異口同音に語る。優秀な生徒の入学による合格実績より、改革を進める内に、平安全体の生徒たちの勉強に対する姿勢が変化したことによる実績の方が高いと考えられる。

数年後、プログレスが200名の時代が来ると言われているが、その半数は龍谷大学へ、残りが国公立や難関私大へ進学すると思われる。そうなって始めて平安の進学実績が評価されることになるだろう。この実績評価による改革終了は約10年。今から5〜6年後にやってくるその時期が楽しみである。

 

真の実績評価のため信用のおける情報を内外へ

急激な人気の上昇を続ける平安中学校・高等学校だが、他校もこれを指をくわえて見ているわけではない。中でも最大のライバルとなるのは公立校。公立校の専門課程の設置や中高一貫校、さらには小学校との連携による5・4教育など、税金投入による改革は、私立の及ぶところではない。そのため、改革後の実績が出るこれからが、本当の勝負となるのだ。

また、他の私立校で、同じように改革を進めている学校も多い。しかし、近隣の私立校の中には改革後もまだ進学実績を伸ばしていない学校があり、平安も同じようなことになるのではないのかと、危ぶむ声も聞こえてくるのは確かである。この危惧を払拭するために、現在行われているのが、学校内外への正確な情報の発信である。

その一環となるのが、卒業生の合格実績ではなく、進路実績の公表である。合格実績では一人の優秀な生徒が複数合格していても、多人数が合格しているように見える数字のマジックがある。この誤解を生まないよう、本当の生徒レベルを表す数字を知らせるのが、実際の生徒が進んだ大学だけを表記する進路実績だ。

その一例として挙げられるのが、昨年度の実績である。立命館の合格者の中には、次年度に京都大学合格を目指し、現在浪人中の学生がいる。この場合、合格実績なら立命館に1名増えるが、進路実績では浪人1名となる。『生徒の本意だから』と敢えてレベルを下げさせたり合格実績に入れることはせず、正直な数字を出す。これは実績だけでなく、どの数字に対しても同じであり、本当の意味での平安を理解してもらいたいという学校の姿勢となっている。内外を問わず「平安の情報は信用できる」という信頼は、改革に対する期待に繋がり、志願者数にも関係してくるのである。

真に子どもを見つめた教育を行い続ける平安中学校・高等学校。同校ならではの良さが評価される、これからの数年に多くの注目が集まっている。

 
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