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中学・高校受験:学びネット

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金光大阪中学校・高等学校

 
  学業も部活も意欲的に文武両道こそ金光大阪の“お家芸”
インターハイへの出場など全国レベルの実力を備えるサッカー部や卓球部、また今夏大阪大会で準優勝の硬式野球部など、金光大阪といえば部活動の充実が知られている。だが、部活で活躍している生徒たちは決してそれだけに注力しているわけではなく、学業でもトップクラスの優秀な生徒が多い。まさに「文武両道」、素晴らしい生徒を多数育成している同校の西村教頭にお話をうかがった。

校 長: 片山 剛
住 所: 〒569‐8575 高槻市東上牧一丁目3番1号
電 話: 072‐669‐5211
交 通: 阪急京都線「上牧」駅から徒歩3分
学生数: 中学校  75名
高等学校 1271名 (2006.9.1現在)
ホームページ: http://www.kohs.ed.jp/

 

学業も部活もフル回転18年度は進学実績を大幅に伸ばす

平成18年度の大学入試現役合格者数は関西有名私学、関関同立に54名、国公立に7名という実績をあげた同校。昨年の関関同立への実績は28名であるから、今年は大幅に伸びたと言える。

「目標を50名としていましたから、まずまずというところでしょうか。この成功体験と勢いにのって、これから3年で関関同立は100名を突破させ、国公立入学者数も20〜30名にまで引き上げたいと考えています」と西村公延教頭は積極的な姿勢をみせる。

その背景はこうだ。平成13年度の中学募集から、6ヶ年一貫で教育するということを明確に打ち出し、あわせて中学3年次にはニュージーランド3ヶ月留学というカリキュラムも採り入れた。

さらにそれに伴い高校についても見直しを図った。金光大阪というと、どうしても部活動が活発というイメージが先行している。確かに創立20数年の学校にもかかわらず、知名度が高く、地域との交流が盛んであることに、様々な部活の活躍が大きく貢献していることは間違いない。

しかし一方で、学校である以上、学習活動の成果のひとつとして大学進学実績というものの評価を受けざるを得ない。そこで同校では、いたずらにどこの大学に何人合格したかを追求するものではなくて、結果としてより進学実績がアップするという目標に向かって施策の見直しを実施した。

「これを一言で言うなら、いわゆる“文武両道”の実践、ということになりますね」と西村教頭。

時間確保という難題を智恵で克服

一言で文武両道とは言うものの、これは簡単に成せることではない。まず大学受験に向けた授業時間の確保は絶対条件であり、かつ部活でも一定水準を超える結果を残すためには、練習時間の削減は最小限に止めなくてはならない。従って「限られた学校生活の中での時間配分が最大の課題でした」と西村教頭は振り返る。

この難題を解決するために、それまで設けられていた放課後の90分講習を、入学間もない1年次は半分の45分に思い切って短縮。そして週2回ほどだった早朝講習をほぼ毎日とすることにした。つまり90分を早朝と放課後45分ずつに分割することで、学習時間と放課後の部活、両方に充当する時間を確保したのだ。

「最寄駅から歩いて3分、信号待ちをしても5分ほどという通学の利便性が幸いして、7時55分のゼロ時間スタートも比較的スムーズに生徒に受け入れられました。その結果ゼロ時間授業に通常の50分授業が6時間、そして放課後の講習と都合8時間の授業時間を確保できたわけです。放課後の講習は2年になると60分、3年は90分になりますが、1年次の45分は両立をしっかりさせるための第一段階。2年以降は、60分であろうと90分であろうと両立の要領や習慣が身についていくので問題はないですね」。

勇み足体験から確固たる信念を築く

同校が生徒の学業はもとより、同時に部活動にも注力させようと決断したのには、平成14年度募集時のほろ苦い経験が背後にある。部活の金光というイメージだけでなく、進学校としての地位を得ようと急ぐあまり、その年の高校特進コース募集では、あえて部活動をさせないとし、勉学にシフトした方針を強くアピールした。しかし学校側のこの思惑に反し応募数は減少。結局その年の特進コース生徒数は10数名に止まった。

「その時、部活動も学習もともに思い切ってできるというのが、本校の最大の魅力だという意見を多方面からいただきました。これが契機となって、この両方を大切にしていく方法論を探り実践するということが、高等学校の新たなスタートラインとなりました」。
あくまでも勉学が生徒の本分とばかり、有力クラブの部員であっても特別扱いは一切ない。部員が講習を休めるのは試合当日のみで、一部の例外を除いてはすべて一般生徒と同じように講習を受けなければならない。

「公式戦を控えると、部活の顧問から直前の数日は放課後の講習を抜けさせてほしいという要望もありました。が、学校としては進学実績が上がらなければ立ち行かないと、顧問・職員ともディスカッションを重ねて、きちんと賛同を得て進めてきました。まさに生徒のみならず、学校全体一丸となって取り組んできたわけです」と西村教頭。
その後15年度からは特進コースの生徒も部活ができるように変更。そしてこの3ヵ年は、特進コースの1学年平均は80名と増えて2クラスで推移している。

ちなみに現在、同校1年生全体の部活入部率は65%。これ自体他校と比べて高い方だが、特進コースの生徒では80〜90%にも達し、チームのリーダー格として活躍している選手も多いという。

GL(グレートレクチャー)制度も導入

このように特進コースの生徒は部活でも牽引役となるほどの活躍ぶりだが、さらにその中からGL(グレートレクチャー)に参加できる生徒を選別して指導するという制度も、15年度から導入している。

これは特進コースの生徒の中から2年次の後半にGL(グレートレクチャー)にふさわしい生徒を選別し、国公立、最難関私立に現役合格を狙う核のチームにして競い合いをさせようというもの。実質は3年次から稼動するが講習はもとより、授業も習熟度別授業が実施される。面白いのは入れ替え制であるということ。主に外部模試の成績いかんによってはGLから外れる子、あるいは頑張って新たに入る生徒も出てくるシステムになっている。

「部活でもサッカーなら100人からの部員をAチーム、Bチームと分けて、その中から入れ替えをしながら切磋琢磨させて強くなっていくわけです。勉強だってそういうシステムがあってもいいのではないかと考えました」。

さらに過去の受験結果の分析から、生徒は受験科目3教科のうち不得手な1教科、それも僅差で不合格になる生徒が少なからずおり、生徒の学力調整が大きな課題でもあった。それだけに得意分野ばかり勉強したがる生徒をさらに競わせたことは、不得手な分野を鍛えるのにも役立った格好だ。

一方、特進コースに入ると部活が制限されてしまうと考えて、学力が十分であるにもかかわらず普通コースにしか応募しない子どももいるという。そういう場合、特進予備というクラスが準備されており、成績次第で特進へ移ることができる。

「生徒たちにはできるだけチャンスを与えたい。ですから普通コースや特進予備に入っても、努力次第で特進コースへの移動はできるという可能性を残しています。逆にここでも特進から外れることもある仕組みにもなっていますから、この緊張感がいい競い合いを生み、今日の成果につながっていると感じています」と西村教頭は語った。

 
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