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中学・高校受験:学びネット

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大阪信愛女学院中学校・高等学校

 
  カトリック精神に基づく女子の全人教育を122年。難関大への現役合格にこだわる
カトリックの教えに基づき、一人ひとりの持ち味を生かした教育を実践し続けて123年目の大阪信愛女学院中学校・高等学校。今春、卒業した290名のうち、京都大学や奈良県立医大をはじめとする国公立大と関関同立への現役合格者数は延べ106名で、卒業生に占める難関大学の合格比率は高い。生徒や保護者の声に耳を傾け、常に改善を重ねる姿勢が合格比率や堅実な生徒像に現れている。。

校 長: 縄田 、子
住 所: 〒536-8585 大阪市城東区古市2-7-30
電 話: 06-6939-4391
交 通: 京阪「関目」駅より徒歩15分・地下鉄長堀鶴見緑地線「今福鶴見」駅より徒歩15分・地下鉄谷町線「関目高殿」駅より徒歩18分・地下鉄今里筋線「新森古市」駅(2006年12月開通予定)より徒歩3分
学生数: 中学校  294名
高等学校 721名 (2006.9.1現在)
ホームページ: http://www.osaka-shinai.ac.jp

 

祈りの中で育まれるもの

明治の初め、大阪市西区川口町の外国人居留区に「幼きイエズス修道会」の4名の修道女が暮らし始めると、数日後にはその家の前に捨て子が置かれるようになった。その子ども達を育てながら、修道女らは幼子を手放さなければならなかった母親の身の上を悲しみ、女子教育の必要性を痛感、1884年に教育事業を開始する。大阪信愛女学院の前身である大阪信愛高等女学校の始まりである。

以来122年間、カトリック精神を基に女子のための全人教育を実践し続け、現在に至っている。生徒一人ひとりが自分らしく生きるとともに、他者を認める心を養うことをモットーに、社会に貢献できる人材育成を目指している。生徒は一日の始まりに祈り、一日の終わりにもまた祈って学校生活を終えることを常とする。自分自身のために、友人のために、友人の家族のために、またある時は不幸な出来事に遭遇した世界の人々のためにというように、祈りの中に自分と自分を取り巻く他者を意識しながら毎日を送っているのである。

生徒像は全般に穏やかで、校内ではずいぶんと離れたところからも会釈を送ってくれる生徒がいるなど好ましい印象だ。また、高等学校で教頭を務める松尾誠氏は「素直な気持ちを持った生徒が多い」とも話す。日頃、生徒の善行や嬉しく感じたことを集会などで紹介すると、そのことを素直に受け止め、同様の行動を取ろうとする生徒が多いという。とかく学習面においても伸びる生徒は弱点や問題点を自省することによって克服するのであって、素直な目で自分自身を見つめる態度を養うことは成績向上にも結びつく。

静かな祈りと賛美歌で始まる学校生活は生徒の心を落ち着かせ、学習に集中する準備を整える効果がありそうだ。

より充実したカリキュラムへ

毎日の授業では個に応じた細やかな指導が展開され、志望する進路の実現に全面的にサポートする態勢が整えられている。主要3教科の特色は次の通り。

▽ 英語は高等学校で週当たり最大11時間の授業数を確保し、習熟度別授業を実施。受験対策は無論、ネイティヴスピーカーによるコミュニケーション力の養成にも力を注いでいる。オーストラリアで行われる海外英語研修も異文化体験の域にとどまらず、事前・事後研修を充実させ単位認定制度を設けることで、本格研修の名に相応しい内容となっている。また、全員卒業までに実用英語検定2級の取得を目標としている。

▽ 国語では古典指導に重点を置き、3年間を通して多くの作品に触れ、一文ごとに品詞分解を徹底し読解力をつけていく。頻繁に行われる小テストで古典単語の習熟度を上げ、高校3年次には十分な時間を演習に充てている。

▽ 数学は問題を解く前段階で、どういう解き方があるのか、どの公式を使うのかといった発想力をつけ、解決に至るまでの過程を重要視した授業を展開している。センター試験をはじめ国公立2次、私立理系や医療・薬学系にも対応。高校1年次に数学を不得意とする生徒が基礎力を立て直す講習を受け、それをきっかけに苦手意識を払拭し理系に進んだ例もみられる。

高校入学時は国公立や難関大への現役合格を目指す「特進」と、基礎学力を養成し多様な進路に対応する「進学」のいずれかのコースに籍を置くが、2年次から目標と学力に応じて「国公立特進」「難関私立特進」「総合進学」の各コースに分化される。

卒業生数に占める国公立大、関関同立への合格者比率が高い要因としては、夏期講習や志望校別の受験対策が細やかな進学補習に加えて、基礎学力を立て直すための1年生を対象とした講習を着実に実施してきたことがあげられる(別表参照)。さらに来年度からは夏期講習を従来以上に充実させたプログラムに改編し、生徒の夢の実現に強力サポートする考え。1学期末テスト終了後の約3週間、主要教科に絞った特別授業を夏期講座に組み合わせ、集中講義を行うもので、難関大学の入試に直結したハイレベルな内容から、基礎力を徹底させる講座まで選択可能となっている。

情報を提供し、声を傾聴する姿勢

同校ではこれまで定期的な懇談会とは別に、保護者を対象とした進路説明会を高校1年次より実施してきた。入試に関する情報を網羅的に提供する学年単位の説明会と、志望大学ごとに個別に対応したものがあり、めまぐるしく変化する大学入試情報の提供は保護者から歓迎されている。まして進学する子どもが第1子で、初めて大学入試に臨む保護者にとってはなおさらである。松尾教頭は「最近は多すぎる情報に戸惑う保護者も見受けられ、学校が取捨選択して提供していく必要を感じている。今後は様々な形で情報提供の機会を増やしたい」と話す。

進路については早い段階から生徒と保護者の間で話し合い、常に目標を意識することが大切だ。その上で生徒は自己の成績を診断し、目標を達成するための学習計画を立て、進度を設定しなければならない。それらを同時に保護者にも知ってもらうため、同校では高校の3年間を通して「進路ノート」を活用している。ノートには定期テストや全国模試での成績が記録され、学習の軌跡や同じ志望大学を目ざすグループの中で、自分がどのレベルに位置しているのかが分かりやすく作られている。志望大学、志望する学部によって、どの教科をどれくらい伸ばせば合格圏内に入ることができるのかなど自己分析がしやすく、モチベーションアップにもつながりそうだ。

保護者対象の進路説明会や進路ノートの活用といった取り組みに限らず、同校では時に応じて、様々な改善を行ってきた。それらは保護者や生徒を対象に実施するアンケートがきっかけとなることも多い。アンケートは3年前から数回行われ、生徒はもちろん保護者の声に耳を傾ける姿勢を持ち続けている。教育目標の達成はいかに学校が奮闘しようと、家庭の協力無しには困難であり、その点を十分認識した学校運営が行われているといえる。
取材当日は梅雨の合い間に薄日がさす午後で、グラウンドでは全国高校総体に出場を決めたソフトボール部が練習に汗を流していた。同じく高校総体へは体操部も出場を決めており、落ち着いた雰囲気の中にも活気が満ちているのを清清しく感じながら学院をあとにした。

 
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