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中学・高校受験:学びネット

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桃山学院高等学校

 
  “コンパスローズM1プロジェクト”――新たな改革期へ
120余年の歴史を刻む桃山学院高等学校は今夏“コンパスローズM1プロジェクト”を宣言。東大、京大、阪大など超難関大や医学部への進学を視野に入れた男女共学の「S英数コース」を設置し、従来の国公立大を目指す「英数コース」を共学化。さらに、精鋭スポーツ選手で構成する「標準コース・アスリートクラス」の設置で、多様な進路への対応を見せている。学習塾対象説明会には早くも注目を集め、異例の約500名が参加した。

校 長: 冨田 敏之
住 所: 〒545-0011 大阪市阿倍野区昭和町3-1-64
電 話: 06-6621-1181
交 通: 地下鉄御堂筋線「昭和町」駅下車、南へ5分・地下鉄谷町線「文の里」駅下車、南へ8分・JR阪和線「南田辺」駅下車、北西へ8分
学生数: 1627名 (2006.7.1現在)
ホームページ: http://www.momoyamagakuin-h.ed.jp/

 

 1884年に英国聖公会の宣教師チャールズ・フレデリック・ワレン師によって創設された桃山学院高等学校は、キリスト教精神をバックボーンに生徒一人ひとりの人格と個性を尊重する教育を実践してきた。「我に従え」というキリストの教えを建学の精神に、自由を尊重し、自主・自律の精神の涵養をモットーとしている。自由な服装を認めていることは広く知られているが、学習面でも授業時間外に自主学習に励む生徒が多く、民主的で伸びやかな校風である。

 1世紀を超える同校の歴史は、言い換えれば改革の歴史であり、建学の精神を守りつつ、時代の要請に応え続けてきた軌跡といえる。今回の改革は大阪府の学区改編に伴い、コース制ならびにカリキュラムにおいて大幅に見直しを行うとともに、社会ニーズに応えていこうとするもの。6月16日に開催された学習塾対象学校説明会では、冨田敏之校長が新たな改革への取り組み“コンパスローズM1プロジェクト”を宣言、“桃山の挑戦”に理解と賛同を求めた。“コンパスローズ”とは船の羅針盤の目盛りをモチーフにしてデザインされた全世界の聖公会のシンボルマークで、聖書の根本精神を指針に2007年度から本格始動するプロジェクトの進むべき方向を示している。“M1”は桃山の頭文字Mをナンバーワンにするという意味で、同校の改革への決意が込められている。

プロジェクトT 
4コース制で進路保証

● S英数コース(新設)
従来の英数コースの「もっとハイレベルな授業を」という声に応え新設された東大、京大、阪大などの超難関国立大や医学部への進学を目指すコース。共学で定員は40名。2007年度の大阪府立高校の学区改編後、各学区におけるトップ校の併願レベルと見られる。

●英数コース
難関国公立大および難関私立大への進学を目指すコース。2007年度の共学化で難易度は上がりそうだ。定員は120名。

●標準コース・標準クラス
難関私立大、桃山学院大への進学を目指すコース。男子のみの募集で定員は240名。従来の320名より定員を縮小するため、難易度は若干上がりそうだ。4学区制における2〜3番手の高校の併願レベル。

●標準コース・アスリートクラス(新設)
ハンドボール、バスケットボール、バレーボール、水泳、サッカーの5クラブ指定で各府県大会ベスト4以上の実績が認められる生徒を対象に募集する。私立文系大、桃山学院大への進学を目指すコースで、男子専願者のみの募集で定員は40名。

●国際コース・クラスA
難関私大、国公立外国語系大への進学を目指すコースで、提携するカナダのカルガリー大学の教官を使い、独自のプログラムで4週間の留学を行う。共学で定員は40名。

●国際コース・クラスB
目指す進学先はクラスAと同様だが、留学期間が1年と長い。カナダ各州の教育委員会の協力のもと、日本の学期制に応じた留学プログラムを実現している。定員は40名(共学)。クラスA・Bとも卒業までに英検2級の取得を目指すが、TOEICで850点や、高2で英検準1級を取得する生徒も。

同校は2006年入試で国公立大学への現役合格者を42名、過年度卒業生を含めると75名の合格者を出している。そのうち京大2名、阪大2名、神大への4名が含まれる。コンパスローズM1プロジェクトでは、東大も含めたこれら超難関国公立大への合格者数を2010年で15名に、2020年までに120名を輩出することを目標に掲げる。そのためには着実でキメの細かい進路指導、学習サポートが求められてくる。

 2006年の入試で京大に現役合格した生徒は、入学時の調査書の評定平均値は「7」で、入試5教科の得点は355点であった。別の神戸大へ現役合格した生徒も調査書の評定平均値はやはり「7」。5教科の得点は312点と決して高得点ではなかったが、3年間に学力は大きく伸びた。また、立命館大理工学部に進学した生徒は、5教科で276点(専願)で入学、3年間クラブ活動を続けながらの現役合格だ。自己管理能力を育む校風と、やる気ある生徒には徹底的に支援する態勢が難関大学への現役合格という形で結実した例だ。

プロジェクトU
新カリキュラムで学力充実

 授業面での見直しも進んでいる。現在、行われている1コマ50分の授業は、来年度、60分の完結型授業へと変わる。これにより家庭学習の点検と十分な演習時間、到達度の確認や質問時間の確保が可能となり、“わかって終わる授業”が展開される。それでも学習進度が遅れがちな生徒に対しては「フォローアップ指名講習」を行い、脱落者を出さないサポートを行っていく。

 同校では放課後も校内で自習する生徒が多いが、さらに充実した学習環境を提供するため「チューター制による自習ステージ」を導入する。チューターは教員のほか桃山学院の卒業生も務め、日々の学習目標を達成させるだけでなく、友人関係や将来の進路について相談に乗るなど、多感な高校生の学習環境を全面的にバックアップしていく。毎週月曜〜金曜の夕方17時〜20時までの自習ステージには部活を終えた生徒も参加でき、学習の習慣化という観点から大きな成果が期待されている。

 加えて、2007年度に登場する受験に特化した「M1ゼミ」では、個々の進路希望に応じた大学別の問題傾向を研究し対策演習を行う。さらに学外講師も交えてセンター入試の受験テクニックを身につけていく。このほか、これまでも実施されてきた夏期休暇中の講習や勉強合宿と併せて、カリキュラムの充実には目を見張るものがある。

 強力な受験対策で志望大学への期待は高まるが、言うまでもなく高校生活はそれ自体が楽しいものでなければならない。友人や仲間と共有する様々な行事を通しての体験は、はつらつとした桃高生の元気の源となっている。全生徒で組織される自治会は体育祭や文化祭、夏期休暇中の桃山合宿で主体的に活動し、他者に対する責任を自覚し生徒間の連帯を深めている。桃高生の姿にキリストの教えである「自由と愛の精神」の実践を見ることができる。

プロジェクトV
2008年、中学校を開校

 同校では現在、大阪府に対し中学校の設置認可申請を行っており、7月にも認可の見通しで、2008年度4月には中学校を開校する予定。中高一貫教育は“コンパスローズM1プロジェクト”の一環で、目下、着々と準備が進められている。今秋には高校敷地内で中学校の新校舎建設に着工し、2007年秋には竣工の予定だ。

 122年前、大阪・川口の外国人居留地内の教会で11名の生徒と歩み始めたクリスチャン・スクールは、これまで4万1千名を超える卒業生を世に送り出してきた。卒業生が増えるほどに、常に足元を見つめ改革の灯を絶やすことなく歩み続ける同校の今後に注目が集まっている。

 
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