目的別だから、やることが明解
生徒一人ひとりを徹底サポート
英数進学コース2期生の29名から、創立以来初となる防衛医科大学校、浜松医科大学といった医薬系への合格者ならびに旧帝国大学の一つである大阪大学への合格者が誕生し、学校全体の士気が高まっている。
「国公立大学を目指す英数進学コースでは、ハイレベルな入試を突破し、合格を勝ち取るために、1年次より学力を強化し、思考力を養ってきました。また、精神力も鍛え、諦めずに最後までやり抜く姿勢が身に付き、その成果が表れたと思います」と進路指導課長の石川雅敏先生。
同校は、学力別ではなく、生徒が進みたい進路でコースを選べる目的別コース制が特徴である。ステージは「INTELLIGENT」「INTERNATIONAL」の2つ。
「INTELLIGENT」は国公立大学への進学を目指す「英数進学コース」、基礎の徹底と得意分野を伸ばし、ワンランク上の進路を実現する「特別進学コース」、さまざまな体験学習を通して幅広い進路を選択できる「普通コース」の3コース。
「INTERNATIONAL」は1年間の留学でネイティブ並みの会話力と、難関私立大学(文系)の合格を目指す「留学進学コース」、3ヵ月の留学および、しっかりした受験準備で難関私立大学(文系)の合格を狙う「国際進学コース」の2コースがある。
目的別に特化しているため、生徒一人ひとりの目標設定と到達までのプロセスを明確化し、徹底的に無駄を排除。個々の得意分野を最大限に伸ばすための大胆なカリキュラムを採用している。また、多様な入試方式を想定し、それに合わせたきめ細やかな指導により、1年次より基礎学力を向上させるための確認テストを定期的に実施。生徒一人ひとりの授業の理解度を測り、弱点を補強することで、学力をより確かなものにする。
例えば「朝学習」では、英単語や漢字の小テストを実施。実力の定着を図るのが狙いだ。職員室前にあるスタディーホールは、授業でわからないところなどを気楽に聞けるオープンスペースとなっており、教員は「できなければできるまで」「わからなければわかるまで」とことん付き添う。寸暇を惜しんで生徒一人ひとりに向き合う教員の姿勢こそが、同校の真骨頂だ。毎学期ごとに実施されるコミュニケーションウィークでは、担任が生徒の目標を確認し、悩みなどを把握。モチベーションの軌道修正を行う。
少人数で受講できる「放課後桐陽塾」や長期休業中の進学講座、夏休みの勉強合宿、第1・第3土曜日の各種講座、休日に学習できる「休日学校開放」など、生徒のやる気を後押しするサポートは万全だ。同じ目標に向かう仲間が一つの集団を構成しているため、クラス一丸となって努力する体制が、大きな力を引き出す原動力にもなっている。
「多くの保護者様から、高校に入って本当によく勉強するようになったと言われます。また、高校3年間、塾に通わずに第一志望大学に無事に合格できたと感謝されることも多いです」と、募集広報担当で副教頭の松本日出年先生は言う。
本年度は、自学自習が可能な「ラーニング・コモンズ」を新たに設置。ICT機器をはじめ、各種ツールも充実させ、新しい学びの可能性を追究する。
英語力を武器に
私大文系入試を攻略
同校は、国際教育推進において、時代に先駆け、四半世紀余りの歴史を誇り、県下はもちろん全国でもトップクラスの実績とノウハウを有する。しかも、大学受験や各種英語検定合格にも直結する英語教育を実践してきたことでは定評がある。
国際進学コースと留学進学コースでは、私立文系にターゲットを絞り、英・国・社を徹底的に学習。特に留学進学コースでは、TOEFLのクラス平均点がiBT72.1点(531.8点)と英語力が大きな武器となっている。 |
「留学しながらも、両コースでMARCHはもとより、早慶上智など難関私立大学への進学をコンスタントに達成してきたからこそ、特別進学コース、英数進学コースの大躍進へとつながっていると自負しています」と国際交流担当の杉澤博文先生は語る。
特別進学コ―スも、2年から理系・文系に分かれた私大型3科目重視のカリキュラムで成果を上げ、今年度は3クラスから5クラスになるほど入学者も急増。同校の人気を裏付けている。
大学入試改革に向けた取り組みや
ICTの活用を強化
2020年度の「大学入試改革」に向けた取り組みも始動。これまでのインプットする学習に加え、「1分間スピーチ」、「ビブリオバトル」、「川柳・短歌作成」など、多彩な企画によりアウトプットの機会を設け、今後の入試で最重要視される『思考力』、『判断力』、『表現力』を身に付けさせている。
また、ICT機器やソーシャルメディアなどを研究し、活用方法も検討中。現在、「スタディサプリ」を導入し、個々の学習の進捗状況をきめ細やかに把握し、同じような個所でつまずいている生徒への弱点補強のための指導や学習レベルの調整に役立てている。
校訓に込められた思い
工夫次第で豊かな人生が
同校の校訓は「工夫しつつ悦び生活する」。生きていくためには、さまざまな乗り越えるべき壁があるが、『工夫』次第で突破口を見つけ、豊かな人生を送ることができるという思いが込められている。
「普通コース」のボランティア活動では、福島県の広野町(原発事故収束最前線の町)で桜の植樹に努める。桜の苗木は、同校の伝統行事である「アルミ缶アート」に使用するアルミ缶の換金により購入。これまで、東日本大震災の復興支援や心臓病の女児のための寄付活動を行ってきた。
缶の集め方から、保管方法、並べ方や見せ方、活用方法まで、すべてが『工夫』である。生徒たちが集めた一つひとつの缶で描かれる巨大なアート作品は、桐陽高校スピリットそのもの。これからも、さまざまな場面で圧倒的スケール感を見せてくれることだろう。
|