マナビネットオープンスクール2023 ●掲載:塾ジャーナル2023年5月号/取材:塾ジャーナル編集部

創立100周年に向けて2024年春に中学校開設!
高校教育での実績を生かし、自立した人材を育成

清林館高等学校 清林館中学校 (2024年4月開校に向け 認可手続中)

大正時代、津島市で女子教育の寺子屋を母体に始まった清林館高等学校。建学の精神である「全校一家族」のもと、信仰・勤労・実際を教育目標に掲げ、100年近くにわたり、多くの人材を育てあげてきた。2001年に共学となり、2018年には津島市から愛西市へ移転、自然豊かな環境の中、最新設備の整った校舎やグラウンドで新スタートを切った。2025年に迎える創立100周年を前に、念願の中学校設立を実現する同校。中学校にかける思いを加藤大典校長と小林正和教務・進路統括主幹に伺った。


この時代を生き抜く学力と精神力
社会に貢献する能力を育て上げる

清林館高等学校では、未来へ向けた教育方針として「清林館グラデュエーションポリシー」を掲げている。「自律」「学習習慣」「生活習慣」の3つの基礎力と、傾聴力、思考力、発信力ほかこれからの時代に必要な8つの力を卒業までに身につけることを目指すものだ。

その力を養うための、4つのコンセプトがある。1つ目は、生徒の能動的な参加を促すアクティブラーニング型授業。自分で考え、自分とは異なる意見に耳を傾け、仲間と協力するという作業の中で、積極的な学習姿勢を身につけていく。

2つ目は、生きた英語を使いこなすグローバル人材の育成。1975年以来続く国際理解教育をベースに、海外語学研修やネイティブ教員による語学指導を用意。さらに対人スキルや多様な価値観の理解を深め、世界を舞台に主体的に行動できる人材を育てていく。

3つ目は同校の建学の精神である「全校一家族」に基づき、人間性・社会性を育てる人間教育。「この世のすべての人を家族と考え、人のため、世のために奉仕できる人格の育成」を目指し、ボランティア活動や地域活動を通じて利他・奉仕の精神を持った人間性を育成する。

そして4つ目は自ら考え、行動し、判断できる人材の養成。自分の思考や行動を適切に理解し、夢の実現に向けて計画的に行動できる能力を身につける。何事にも積極的に挑戦し、高い問題解決能力を持ち、社会で自立した存在であれるよう整えていく。

「中学・高校は人生の中の一部であり、社会に出た後しっかり自分で歩けるよう訓練をする場です。様々な知識はもちろんですが、最終的には本人の精神的・経済的自立が最優先。じっくりと人間的成長に取り組むことができるのが、中高一貫の強みだと思います」と加藤大典校長は話す。

猛スピードで変化する時代にたくましく生き、グローバルに協働し、社会に貢献する。加藤校長の願いはコロナ禍を経てより一層強くなり、自立した人材の育成が急務と考える。

2024年に中学校が開設
英国研修の特別プログラムも用意

同学園は2025年に創立100周年を迎える。その記念事業の一環として、2024年4月に中学校を開校予定だ。中学校ではコース分けはなく、英語・数学では中学の学習内容を早めに終え、高校の内容にも入る先取り学習を実施する。中高の6年間を3つのステージに分け、ステップアップを目指す。定期考査は行わず、教科毎の単元テストを行うという。

「定期考査は一夜漬けで乗り切ろうとする生徒もいて、実力確認の精度が落ちます。そのため、すべての科目に対して単元テストを行い、習熟度を確認します。希望者には再テストも実施します。タイムマネジメントやタスク管理も重要と考え、中学校でも指導していきます」(小林正和教務・進路統括主幹)

英語教育では、長年学園として行われてきた留学・語学研修のノウハウを生かし、中高一貫ならではの特別プログラムとして、イギリス語学研修や、1年間留学をしても中高6年間で卒業できるプログラムなどを用意している。また、教科書を5回繰り返して学習するラウンドシステムを導入、現在独自の指導方法を構築中だ。

ICT教育では1人1台のタブレットが支給されることもあり、中学校舎には新たに電子図書館が設置される。本の貸出、返却ともにすべてタブレットで行われる。電子黒板は2画面を同時に表示できる最新モデルを取り入れ、より理解を深める授業が可能となる予定だ。

「ICTやAI教材を有効活用することで、学習の効率化を図ります。創出された時間を深い学びや体験学習に活用します。こういった教育関連技術は随時更新しながら検証し、必要なものを導入していく予定です」(小林教務)

最新設備の校舎とグラウンドで
進学率・クラブ活動ともに充実

高校では、進路に合わせて選べる4コースが揃う。難関国公立大学を目指す文理特進コース、国公立大・難関私立大を目指す文理選抜コース、語学留学などで「使える英語」を修得する国際コース、勉強と部活動を両立し、大学進学を目指す進学総合コースだ。なかでも例年、特進・国際コースを中心に国公立大学進学者を増やし、全体での現役進学率は約97%と健闘しており、今後も進学指導にはさらに力を入れていくという。

同校は学びやキャンパスライフを豊かにすることにも注力し、2018年に校舎を移転。Wi-Fi環境を整え全教室にプロジェクターを設置するなど、ICTの活用により効率的な学びを実現している。校舎は広々としたつくりで、光が差し込むテラス前には椅子やテーブルが配置され、休憩や自習に使用されている。校舎間の中庭にもベンチを設置し、開放感のある雰囲気だ。中学校舎は高校校舎の東側に増設するかたちとなり、多目的教室や技術・家庭科室、美術書道室も新設予定だ。

広大なグラウンドには排水設備を完備。雨後も早急に使用可能となるため、運動系部活動が活発になったという。文化部も充実しており、特にPC部はプロジェクションマッピングを地元・津島神社の秋祭りで公開するなど、地域との連携も盛んだ。

「空手部はインターハイ、バレー部も県大会に出場しています。そのほかバスケットボール部やサッカー部も多くの大会に出るなど実力をつけてきました。体育館や武道場、グラウンドが整備され、生徒たちが思い切り部活動を楽しめる環境が整っています」と生徒募集委員の西尾康孝先生も胸を張る。

新設される中学校では、これまで高校で培ってきた教育を継承し、コンセプトに合わせて多岐にわたるプログラムが提供される。満を持しての中高一貫教育の開始に、夢と無限の可能性が広がる清林館中学校・高等学校だ。


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