マナビネットオープンスクール2021 ●掲載:塾ジャーナル2021年7月号/取材:塾ジャーナル編集部

「すばらしい人生を、自分のちからで。」
生きる力を育み、未来の100年を目指す

明浄学院高等学校

数々の大会で受賞してきた吹奏楽部。部活を通し生徒たちは日々、自分の可能性を追求する


創立100周年を迎えた明浄学院高等学校は、新しく生まれ変わろうとしている。同学院の設置者が学校法人藍野大学へと引き継がれ(設置認可申請中)、さらには新校舎や、新教育課程、ひいては看護メディカルコースの新設等の改革を推進。根底には「すばらしい人生を、自分のちからで。」という新しい教育コンセプトが脈々と流れる。その「ちから」を育むための取り組み等について、学校長の渡邊雅彦先生、進路指導部長の山㟢佑先生、特進コース(3年担任)の佐古沙耶香先生に話を聞いた。


学校法人藍野大学の設置校として
新しく生まれ変わる(設置認可申請中)

今、明浄学院高等学校は、さらなる100年後のあるべき姿を形成しようとしている。
その第一歩として、2022年から学校法人藍野大学が設置者となり(設置認可申請中)、藍野大学、びわこリハビリテーション専門職大学、藍野大学短期大学部、藍野高等学校のグループの一員として羽ばたく予定だ。

このように大きなバックボーンを得て掲げたのは、「すばらしい人生を、自分のちからで。」という新しい教育コンセプト。これには、生徒が自分の人生を自分の力で切り開くための術を学べる教育指導をし、そのために個性と可能性を引き出し、教科書だけでは学べない教育の場を提供したいという思いが込められている。

「その一環として、第一線で活躍する女性を講師として招き講演会を開きます。公認会計士や看護師など将来の職業を見据えることのできる場を提供します」と渡邊校長は語る。

この教育コンセプトに沿って、さらには後述する新教育課程や看護メディカルコースの新設、2024年4月1日には新校舎竣工、そして共学化の検討などさまざまな取り組みが予定される。また、コロナ禍における経済状況を鑑み学校として社会貢献するべく、来年度の専願・併願の入学者の入学金の全額免除を決定。これにより一人でも多くの生徒に教育の場が与えられることが期待できる。

難関有名私大への挑戦や多彩な
キャリア教育の3コースを新設

前述した新教育課程については、「進学アドバンスコース」「総合キャリアコース」「看護メディカルコース」の3コースが設けられる。

まず難関大学への進学に特化する「進学アドバンスコース」では、具体的には関関同立に合格することを目指す。2年次から「国英専攻」と「理数専攻」にわかれ、偏差値を10上げて、現状よりも1ランク2ランク上の大学を目指すことが目標だ。3年次には担任だけでなく、教科担当や進路担当もコース全員の成績を共有し、課題となっている科目の洗い出しや課題解決のための具体案を協議し、生徒の第一志望合格を目指す。

「特徴は、文理にわけて1クラス10人強で指導できるところにあります。少人数制できめ細かく指導することで学力アップを図ります」と特進コース(3年担任)の佐古先生。

「総合キャリアコース」については、「総合進学専攻」「幼児教育専攻」「クッキング専攻」「ファッション・メイクアップ専攻」「ITビジネス専攻」の5つからなる。幅広い将来像を描けるのが特徴だ。なかでも「総合進学専攻」は、部活動を頑張りながら有名私立大学や短大への進学を目指す。2年次で国英を、3年次では国英歴を中心に学び、受験対策に取り組む。

「幼児教育専攻」では幼稚園教諭や保育士を目指す。常磐会学園大学他の協力を仰ぎ、カリキュラム編成に協力してもらう予定だ。幼児教育に夢を抱けるよう体験型授業を実践し、近隣の幼稚園や保育園での実習も行なわれる。「クッキング専攻」は辻調理師専門学校の協力を得て、調理はもとより、食文化など食に関する知識を深める。進学先は調理系専門学校や短大などである。

また「ファッション・メイクアップ専攻」は、一部上場のブライダル系企業であるベストアニバーサリーや上田安子服飾専門学校他と連携し、セルフメイクからプロデュースメイク、ファッション等について学ぶ。

「グローバル化が進むいま、語学力が求められているためファッションや美容業界を舞台にした映画を教材に、業界で使える実践英語技能の習得も目指します」と進路指導部長の山㟢先生。進学先はファッション系や美容系の専門学校である。

「ITビジネス専攻」については、就職や進学で優遇されるITパスポートの資格取得を目指す。また、IT専門学校や経営系学部を持つ大学と連携をし、プレゼンテーション技能の向上に授業で取り組み、あらゆるビジネスシーンで活躍できる人材の育成を目指す。

医療に特化する学校法人藍野大学と
連携し、優れた医療人を育成

今回の大改革において特筆すべきは、看護メディカルコースの新設である。学校法人藍野大学との授業連携を行ない、医療に関する学びを深めるコースである。ただ知識を吸収するだけでなく、看護師や理学療法士、作業療法士、臨床工学技士といった医療職に関する見聞を深め、自らの適性を知り、医療職についての資格取得ができる大学や短大への進学を目指す。

カリキュラムについては、単なる知識の先取りでなく医療系大学の教授にどのような力をつけて入学してほしいかをヒアリングした上で構築。グループ校の藍野大学や藍野大学短期大学部、病院などでの現場体験を実施し医療人を育成する。進学先としては、看護学科や理学療法学科、作業療法学科、臨床工学科を擁した藍野大学や、看護学科のある藍野大学短期大学部、びわこリハビリテーション専門職大学の指定校枠があり、医療業界を目指す生徒の進路を一定確保する。


少人数制のクラスなので教員との距離が近く、丁寧な指導を受けることができる

勉強と部活動の両立を楽しみ
イキイキと明るく過ごす充実の学校生活

ただ受験やキャリア教育だけでなく、部活動にも注力できるのが同学院の魅力だ。大会に多数出場して実績を残す吹奏楽部や、バスケットボール部、バレーボール部、ソフトボール部、ソフトテニス部、ダンス部、書道部等があり、文武両道の学校生活が充実する。

「部活動においても、個人の力を伸ばす指導体制が整っています。教員との距離も近くて勉強に励みやすく、部活動も頑張れる。当校の生徒はイキイキと毎日を楽しく過ごしています」と渡邊校長。

学びたい大学等への進学や、なりたい職業を見極めるキャリア教育、そして青春を謳歌できる部活動。さらなる100年先を見つめた新生・明浄学院の教育の場に期待するところは大きいといえよう。

明浄学院高等学校  https://www.meijo.ed.jp/