マナビネットオープンスクール2021 ●掲載:塾ジャーナル2021年7月号/取材:塾ジャーナル編集部

2022年に学園創立120周年
“凡事徹底”を基本に、親身な進学指導で希望の進路を実現!

京都橘中学校・高等学校

一人ひとりがiPadを所有し、学習支援システム「Classi」を使用。Classiでは日々の学習時間や内容を計画・記録


「自立・共生」を教育理念に、常に新たな教育課題にチャレンジしている京都橘中学校・高等学校。2022年に創立120周年を迎える学園は、歴史と伝統を礎に、未来に向けて絶えず進化し続ける意思を込め「変化を楽しむ人であれ」という新タグラインを策定。中学・高校・大学を併せもつ総合学園として、地域社会から寄せられる信頼と期待は大きい。緑深き伏見桃山御陵の美しい森に隣接した環境も、生徒の豊かな情緒を育む土台となっている。今年、中学校の志願者数、高校の入学者数が近年最高となった人気校の魅力を、学校長の安田文彦先生に聞いた。


凡事を徹底し
「自立」し「共生」する学びを充実

JR奈良線桃山駅から、緑深き森に沿うゆるやかな坂道を、上り調子で東へ向かう先に位置する京都橘中学校・高等学校。豊かな自然を臨む環境は、生徒たちの情緒を育む最適なロケーションだ。

安田文彦校長は、「本校は教育理念『自立・共生』のもと、21世紀の社会で活躍できるよう、自分で考え、判断し、行動できる自立した人間に成長するための学びを充実させています。そして、多様性を尊重し、互いに支え合い、ともに生きていくことの大切さを学びます」と話す。今年は、高校の入学者数が過去最高となり、10クラスから12クラスへ増えるほどの人気ぶりだ。京都橘大学を目指して、京都橘中学校・高等学校への入学を希望する受験生がここ数年増加しているのも特徴である。

「一人ひとりが成長し自立する基本は、あいさつをする、掃除をする、時間を守るなど『凡事』を徹底することだと考えています。自立した者が集まればいい集団ができ、いい集団は個々を成長させる土台になります。植物に例えると、凡事というタネが根となり、伸び広がり、やがて花が咲き、実を結ぶ。基礎になる根の部分が大切なのです。本校では、全教職員が生徒の力を信じ、可能性を引き出すために、生徒一人ひとりの個性を見きわめながら丁寧な対応を心がけています」

2021年大学合格状況は、大阪大、神戸大、一橋大、東工大など難関国立大学へ8名合格。医学部医学科へは7年連続合格で、過去最高4名(卒業生含む)の合格だ。関関同立も101名、私立大学合格者数は2年連続1000名を突破した。

同校のコース編成は、東大・京大・阪大・神大・医学部系を始めとする難関国公立大学進学を目指す「Vコース」(国公立大学進学中高一貫コース)、高校からの入学生は、東大・京大・阪大・神大・医学部系を始めとする国公立大学進学を目指す「国公立進学(S)コース」、難関私立大学を目指す「特別進学(E)コース」、京都橘大学への内部進学や高大連携を活用し多様な進路を目指す「総合進学(A)コース」に分かれる。

生徒自ら伸びる力を育む京都橘の教育メソッドと
大学進学プログラム「ASTM」

同校には、生徒自らの伸びる力を育む教育メソッドがある。【メソッド1学習での自立】では、勉強と部活動を両立し、主体的な学習姿勢を養う。【メソッド2授業力の向上】では、「なぜ学ぶのか」をしっかり伝えながら、積極的に参加できる授業を実践。生徒の学習に対するモチベーションを維持・向上できるよう教員は生徒に声掛けを行い、意欲的な学習姿勢や継続的な学力向上につなげる。【メソッド3総合学習プログラム】では、「本物に触れる」をキーワードに、講演会や体験講座を実施。様々な人との協働学習を通して、自分の意見をまとめる力、他者の考えを受容する姿勢を育む。【メソッド4キャリア教育】では、中学生の早期の段階から担任、副担任、教科担当者が連携して、生徒一人ひとりのキャリアデザインの形成からその実現までを手厚くバックアップする。

さらに、生徒の進学目標を実現するために、苦手科目の克服から得意科目の伸長、第一志望校合格までを手厚くサポートする『ASTM』(アスティム)を実践中だ。

ASTMは、TSゼミ(放課後進学講座)、土曜ゼミ(土曜学習講座)、スタディルーム(自習教室)で構成。TSゼミでは、予備校などで活躍している外部講師や同校の教員が志望大学合格に向けた講座を担当。最新の入試傾向を分析した教材を使用し、合格に向け指導する。また、学力を伸ばせず下位成績から浮上できない生徒の弱点克服も行い、成績向上を目指す。土曜ゼミ(土曜学習講座)は土曜日を有効活用し、習熟度別・目的別学習を行うために、予備校などで活躍している外部講師が希望大学合格に向けて講座を担当。日々の授業の振り返りや重要単元の定着をはかるため、テストゼミ形式を実践。スタディルーム(自習教室)は、学習アドバイザー・卒業生が常駐し、疑問や苦手はその場で解消。月~土曜日の放課後や授業のない土曜日に利用可能だ。


(右)人気のロボットプログラミング部では、成功に向けて試行錯誤を重ねていく
(左)英検受験、英語プレゼンテーション、他校との英語合同授業(希望制)などを通じ英語4技能の向上を図る

生徒一人ひとりが“なりたい自分”へ
熱意ある学習指導で進路を実現

同校の全教職員は、昨年から「未来プロジェクト」と称し、時代の先を見据えた取り組みを活発化している。来年度から、現在月2回行っている土曜日授業をやめ、生徒一人ひとりが土曜日を有効活用できる自由度を高めたのもその一つ。代わりに、月曜日から金曜日は全コース、7限まで授業を行う。

「クラブ活動に打ち込みながら大学進学を目指す生徒もいれば、受験に沿った学習に力を入れたい生徒もいます。生徒一人ひとりがストレスなく、“なりたい自分”になるために何が必要かを全教職員がプロジェクトごとに課題を共有し、考え、提案し、学校生活をよりよくするための改善を図っています」

生徒がのびのびと打ち込める環境のもと、クラブ活動の実績も全国レベルだ。男子サッカー部は2年連続(9回目)全国大会に出場。女子バレーボール部は、インターハイ、春高バレーに21年連続23回の出場記録をもつ。アメリカの祭典ローズパレード2012・2018にアジア代表として参加した吹奏楽部は、全日本マーチングコンテストで金賞を受賞するなど、さまざまな演奏で国内外の人々に感動を送り続けている。

来年120周年。次代を担う橘生たち一人ひとりが、新たな歴史を刻んでいく。

京都橘中学校・高等学校  https://www.tachibana-hs.jp/