マナビネットオープンスクール2021 ●掲載:塾ジャーナル2021年7月号/取材:塾ジャーナル編集部

2022年度、学びを深める新校舎完成
新たな環境で総合的な教育力を発揮

関西大倉中学校・高等学校

輝く青春の日々を織りなす広大なキャンパスに、今日も生徒たちの笑い声が響く
創立100周年を記念して校内に植樹された100本の桜など、四季を身近に感じることができるスポットも多彩です


2022年度に創立120周年を迎える関西大倉中学校・高等学校は今、大躍進を目指す。この記念事業の一環として、新校舎プロジェクトが始動。生徒の主体性を重んじ学びを深める様々な工夫が施された施設が、来年にはすべて完成する。新しい環境下における生徒たちの成長が期待されるなか、新校舎の特徴や教員の取り組む総合的な教育力の強み、コロナ禍での挑戦等について、入試広報部部長の松村健司先生に話を聞いた。


自習しやすいスペースの設置や
身近な進路指導室等工夫が満載

中学校高等学校の校舎の両方が新設改修されるという今回の新校舎プロジェクト。すでに高校棟は昨年秋に完成している。
高校の旧校舎は各学年の教室が分かれた分散型校舎であったが、新校舎の高校棟は全学年を集約。これで学年を越えた交流が図りやすくなった。

また、建て替えにおける課題の一つに、以前の校舎では生徒たちが放課後に自習できるスペースがあまりなかったことが挙げられる。この課題をうけて、新校舎の各階には「コミュニケーションラウンジ」と呼ばれる自習スペースを設置。ここで、生徒たちがときには一人で、ときには仲間とともに自由に勉強できる。とくに1階のコミュニケーションラウンジは職員室と隣接しているため、教員へ気軽に質問や面談ができるということもかなった。新しく完成した広々とした食堂においても、自習が可能だ。

この食堂近くに職員室や進路指導室を設けたのも、今回の特徴の一つだ。元来、進路指導室は少々目につきにくいところにあることが多く、生徒が入りにくい雰囲気がある。しかし、新校舎での進路指導室は食堂にも職員室にも近く、生徒たちの目につく場所にあり、入りやすくなった。実際、進路指導専門の職員に「この大学はどんなところですか」など、高1生の段階から相談しにくる生徒が増えたという。

「自習のできるコミュニケーションラウンジや食堂、それに進路について相談する進路指導室は以前より利用しやすくなり、生徒の主体性を伸ばすきっかけになっています」と入試広報部部長の松村健司先生は語る。

ほかにも、高校棟から渡り廊下でつながる中央共用棟には、自習・探究活動・情報検索のできる多機能型図書館が備わった「学習センター」や、サイエンスラウンジ(理科の実験室)ができる予定。生徒の意欲と知的好奇心を掻き立てる環境が整うのも間近である。

さらに特筆すべきは、今年度から始まった制服のリニューアルである。中学校も高等学校も同じデザインに統一し、様々なオプションが豊富についていることも魅力だ。女子はスカートかズボン、あるいはリボンかネクタイを選べる。シャツやポロシャツも用意され、自由にコーディネートできるようになった。

生徒の主体性を促し
現役合格者数過去最多へ

関西大倉の今年度の国公立大学合格者数は182名で、そのうち現役合格者数は過去最多となった。「生徒の自主性を重んじた結果でしょう」と松村先生。例えば、前述のコミュニケーションラウンジで周囲が勉強をする姿を見て、「僕(私)もやろう」と自ら進んで自習する生徒が増えたという。また「合格体験記」という冊子には、合格者の共通テストの点数や、使用した教材等の情報を掲載。参考にする生徒も多く、ここに載った先輩が来校して、後輩たちの相談に乗ることもある。先輩の頑張りを聞き、現役生も頑張ろうとするそうだ。

教員たちは偏差値が高いからというだけでその大学を勧めるということは決してしない。
「『いける大学へ』ではなく、『いきたい、学びたい大学へ』という方針があります。地方の国公立でも素晴らしい研究をしているところがあります。それらの情報の引き出しを本校はたくさんもち、生徒たちに提供しています」
生徒がやりたい仕事や興味のあることに対して、幅広い選択肢を与え、真に「いきたい大学」へつなげている。
「ほかにも、私たちは『アカデミックな種をまく』と言っているのですが、高大連携で様々な学びを提案しています」

そのうちの一つに、「霊長類初歩実習」がある。これは京都大学霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院との連携で行なわれる霊長類の観察実習だ。さらに国公立大学の教授に多様なテーマで講義をしてもらったり、生徒たちが大学に赴き研究施設を見学させてもらうといったことも実践。このような多様な取り組みから生徒の主体性を引き出してきたからこそ、現役生の合格者数過去最多という結果が残せたのだろう。


図書館にてジャンルを意識して読書の幅を広げる中学生たち。多機能型図書館も完成予定

コロナ禍でもなお、質の高い
授業や国際交流の場を提供

近年、関西大倉の生徒数が年々増加している。中学校高等学校合わせて2019年度は1765人、2020年度は1850人、2021年度は2038人。人気が高まった一因として、コロナ禍における対応の早さが挙げられる。生徒全員にタブレットを貸し出し、休校時にも教育効果の高い授業を提供。このようなICT環境の整備が好評を博したようだ。

国際交流においても、例年はニュージーランドやイギリスへ行っていたが、コロナ禍によって中止に。ただ現状に甘んじることなく、生徒4、5人と海外の大学生をまじえて、その大学生の自国の問題についてオンライン上でディスカッションし発表するというPBL(問題解決型)国際交流プログラムを今年の春休みに実施。フィリピンやバングラデシュ等の学生を相手に宗教や環境等について意見交換し、思考力や表現力を鍛えるものだ。中3生から高2生までの希望者を対象に行なっており、夏休みにも実施する予定だ。

「ただ合格実績を追い求めるのではなく、あくまで生徒たちが夢を実現させ社会で活躍するためのサポートをしていくことが本校の教育方針です。生徒の主体性を促し、いきたい大学へ導くための情報提供や、高大連携によるプログラム、オンラインの国際交流等多様な取り組みによる『総合的な教育力』が強みです」

関西大倉は、難関大学を目指す「Sクラス」や「特進Sコース」でも部活の制限はない。自由にのびのびと生徒たちが活動し、学び、夢へ向かう。そこに真の教育のあるべき姿を見た。

関西大倉中学校・高等学校  https://www.kankura.jp/