マナビネットオープンスクール2022 ●掲載:塾ジャーナル2022年11月号/取材:塾ジャーナル編集部

学校改革の中、今年度より広報部とデータサイエンス部が誕生!
タッグを組んで母校の魅力をSNSで配信、地元で話題沸騰中

神戸山手女子中学校高等学校(兵庫県)


TikTokで流行りのダンスを披露しながら地元のテレビ番組に出演。何ごとも全力で楽しむ校風の神戸山手女子中学校高等学校の広報部とデータサイエンス部のメンバーたちだ。同校は再来年で創立100周年を迎える伝統校ながら、2020年の学校法人濱名山手学院となり、現在学校改革を進めている。その中で前出の両部活動は今年度新しく誕生した部活動であり、今後SNSを活用して幅広く同校の良さをアピールしていく予定だ。今回はそんな各部のメンバーを取材した。


普段体験できないことを体験!
楽しく学びの多い広報部

JR元町駅から徒歩約20分、諏訪山公園に沿って坂をあがった高台に同校はある。近くを流れる川のせせらぎ、緑豊かな環境、静かな山の手の伝統を感じる校舎で、生徒たちは多感な時期を過ごしていく。

2021年、本格的に開始された改革は現在進行形で、いよいよ次年度には中学校・高校ともに新コース「グローバル選抜探究コース」が新設される。改革の一環として、今年は新たな部活動である広報部とデータサイエンス部が誕生。去る9月に地元のテレビ局にその活動が取り上げられ、話題を呼んだ。

この日集まってくれた広報部のメンバーは、広報部副部長の白数和子さん(高3)、八郷真七実さん(高2)、長島綾香さん(中2)の3名。実は「表に出るのはすごく苦手」という白数さんは、友人の川根彩純さん(高3)の誘いで、部長である彼女をフォローする役割として広報部に参加した。

看護師を目指す八郷さんは、広報の活動で多くの人と関わる中、コミュニケーション能力を磨いていきたいという。長島さんは先日のテレビ出演が部活デビュー。これから先輩たちについて活動していく予定だ。活動の中で、テレビ出演やお店のリポートなど、普段はなかなか体験できないことが体験できるため、とても楽しく、また勉強になる、と口を揃える。

100年もの歴史を持つ同校は、地元で活躍する卒業生も多い。彼女たちの活躍をInstagramで紹介していく企画の中で、ウエディングサロンを訪れた。広報部のメンバーが豪華なウエディングドレスを着た姿をデータサイエンス部が撮影。見やすく編集された動画がアップされている。取材はすべてが初めてのことばかり。試行錯誤しながらも、体験することで成長してゆくメンバーたちだ。


(左)【広報部】(左から)白数和子さん、長島綾香さん、八郷真七実さん。広報部への参加の理由はそれぞれだが、未来を見据えているところは共通
(右)出演時の様子もしっかり動画撮影。広報部の学校PRもわかりやすく簡潔

将来はエンジニア?
インフルエンサー?
発信に強いリケジョの育成を目指す

データサイエンス部は、プログラミングや動画編集を学び体験しながら、地域の小中学生に向けて同様の講座も開催している。広報部との協働では動画撮影と編集を担当する。今回は本城姫奈さん(中3)、小渡結那さん(中3)はじめ、7名のメンバーが参加してくれた。入部理由は写真が好き・プログラムを体験したかったなど、それぞれだ。

本城さんは同部活動の顔として、さまざまな場面で前に出る。また子どもの頃からプログラミングを体験してきたという井上舞桜さん(中2)は、入学早々オンライン配信で大活躍。部員たちがそれぞれの個性と力を出し合い、活動している様子が伝わってくる。

広報部とともに力を入れているInstagram発信は、学校のPRの場であり、彼女たちの作品発表の場でもある。オープンスクールが近ければ、オープンスクールのPR動画をアップ。各部活動の部員が活躍している様子や、同校独自のイマージョン教育の授業風景を効果的に切り取り、引きつける編集で見せてゆく。地元で活躍するインスタグラマーの卒業生に撮影スキルを学んでからは、動画がどんどん洗練されてきたという。

ICT教育推進センター副センター長で顧問の友惠悠記先生は、「卒業までには一通りのSNS発信のスキルを身につけることができるようサポートしていきたい」と力を込める。本城さんも「Instagramをはじめ、すべてのSNSで発信できるよう、しっかり学んでいきたい」と語ってくれた。

始まったばかりながら、どんどん新しいことにチャレンジしている両部活動。「もっといろんなことができるようになりたい!」というメンバーの強い思いとともに、さらに活躍してくれそうだ。


(左)【データサイエンス部】(左上から)山田茉麗奈先生、加藤希望さん、小渡結那さん、清水麻衣さん、友惠悠記先生(左下から)小杉光穂さん、朝倉寧々花さん、本城姫奈さん、井上舞桜さん。プログラミングも動画撮影・編集も。リケジョを育成する環境だ
(右)部活動やオープンスクールの案内動画が満載。編集を凝らし、最後まで引きつける

県大会初出場の部活動が続々と
生徒たちの個性を開花させる環境

「実は今年度、多くの部活動が活躍しています」と部活動の活発さをアピールする白数さん。まず、全国インターハイ常連の陸上競技部は今年度過去最高の4種目の競技に出場、そのうち2種目は全国トップ8位に入賞。東京国立競技場で開催された第106回日本陸上競技選手権大会・リレー競技大会に出場した。この大会は全日本ランキング(社会人、大学生含む)上位24チームを含む27チームが参加。また三段跳びで国体兵庫県代表となるなど、多くの大会で好成績を残している。

卓球部は令和4年度カデット中央予選会にてシングル1・2位、ダブルス2位に輝き、初の県大会出場を果たした。さらにソフトテニス部も個人・団体ともに初の県大会出場となり、アーチェリー部は県大会でトップ5に入った。

吹奏楽部は兵庫県吹奏楽コンクールで2年連続金賞を獲得。写真部は県の高校生コンテストで特選・入選を果たしている。さらに長い歴史を持つマンドリンギター部も、全国高校ギター・マンドリン音楽コンクールで38年連続優勝を果たしている。データサイエンス部の小渡さんはマンドリンギター部と兼部し、かつてはお母様もマンドリンギター部で活躍していたという。長きにわたって同校が地元に愛され続けている様子が感じられるエピソードだ。

「進路満足度100%を目指し、生徒たちが豊かな人生を切り開き、持続可能な社会のつくり手となることを目指す」。平井正朗校長の言葉通り、最先端の教育の中で、生徒たちの個性は引き出され、育まれていく。歴史ある学び舎の中で、明るく、楽しく、生き生きと成長していく生徒たちは、未来の社会で輝く存在になるに違いない。


今年度初めて県代表になった部活が多数。活動の様子はInstagramでも発信

神戸山手女子中学校高等学校 https://www.kobeyamate.ed.jp/


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