掲載:塾ジャーナル2021年9月号/取材:塾ジャーナル編集部

第29回『学校を知ろう。』テーマは「挑戦」
学校と出合える中高一貫校合同進学説明会 第29回『学校を知ろう。』

2021年6月13日(日)沼津卸商社センター展示場
主催 『学校を知ろう。』実行委員会

6月13日(日)、初夏の恒例イベントとして知られる合同進学相談会『学校を知ろう。』が開催された。『学校を知ろう。』は、人生の中で一番重要な時期を過ごし、生きていくための基礎を創る進学先の学校生活を選ぶ際に「できるだけ多くの学校を知り、子どもたちに一番合う学校を選んでほしい」との思いからスタート。その歩みは四半世紀を超え、29年目を迎えた。今年も静岡県内をはじめ、北海道、富山、東京、神奈川など全国から19校の私立中高一貫校が参加。私学受験を目指す子どもたちと保護者400名あまりが来場し、会場は熱気に包まれた。


この日、この場所から始まる
それぞれの挑戦

今年のテーマは「挑戦」。コロナ禍のもと、参加申し込みは事前予約にて受け付け、開催時間をⅠ部・Ⅱ部に分けた完全入替制により、各ブースでの個別相談が行われた。

「コロナ禍も2年目となり、イベントの開催も危ぶまれる中、『学びを止めない』こと、そして『できることをやり続ける』こと。実行委員会としては、そんな社会の実現に向けた取り組みこそが『挑戦』です」と、実行委員会幹事・学優舎の土屋肇塾長は話す。参加校担当者にもアピールポイントを伺った。

開口部を開放し、十分な換気を実施。来場者、学校関係者、主催者の動線にも配慮し密接場面の回避に努めた

■品川女子学院中等部・高等部(東京都)
学校行事や教育プログラムも新課程教育により進化しており、これまで4・5年生(高1・2)で行ってきた「起業体験プログラム」を、今年度は中3と4年生(高1)が取り組む。

■西大和学園中学校・高等学校(奈良県)
学力の伸長には、人間としての成長も欠かせないと考え、授業内容を創意工夫しイベントを充実させている。

■片山学園中学校・高等学校(富山県)
美しく豊かな自然環境のもと、生徒が自ら思考し、問題発見をし、議論し合える授業を目指す。一人ひとりが真のリーダーとなるべく、いきいきと活動できる行事や部活動を推進。

■自由学園男子部・女子部中等科・高等科(東京都)
今年100周年。教育方針である「生活即教育」に則り、教室での学科授業だけでなく寮を含めた広いキャンパスでの共同生活すべてを教育の機会としてとらえ、実践していく。

■日本大学三島高等学校・中学校(静岡県)
日本大学の附属校であり、国際関係学部の併設校というスケールメリットを最大限に生かし、一流の研究に触れ、将来につながる“何か”を見つけ、挑戦できる環境を整えている。

■函館ラ・サール中学校・高等学校(北海道)
50人大部屋生活は、中学からの入学者は3年間(高校からは4人部屋)、高校からの入学者は1年間(2年からは4人部屋)。たくましく柔軟な人間関係力・コミュニケーション力を育む。

■海陽中等教育学校(愛知県)
たくさんの不安や心配を抱えながらも「最初の一歩」を踏み出せるのは全寮制ならでは。この経験が、新しいことにどんどん挑戦していく風土を育んでいる。

■北嶺中・高等学校(北海道)
日々の授業はもちろん、校技と呼ばれる柔道やラグビーを全員で週1時間ずつ授業として“挑戦”し、卒業時に柔道初段を目指す。年1回北海道内の山々の登山にも挑戦。

■ラ・サール中学校・高等学校(鹿児島県)
未来に求められる課題に立ち向かう精神力と他者からの必要性を理解する能力を持ち、G=頑張ること、R=両立すること、I=一生懸命にすること、T=トレーニングに励む。

■自修館中等教育学校(神奈川県)
創立時より、6年間かけて自分の興味・関心・好奇心を基に、「探究」という自らの疑問や問いに取り組む授業を実施。受動的ではなく、自ら能動的に取り組む人になる。

会場は終始なごやかな雰囲気に包まれ、笑顔で話し合いながら、ブースを回るご家族の姿が目についた

■静岡聖光学院中学校・高等学校(静岡県)
VUCAの時代と言われる中、生徒一人ひとりが、“どんな未来がやってきても大丈夫”と思える力をつけるための、独自の教育プログラムを展開している。

■公文国際学園中等部(神奈川県)
生徒たちが自ら考え、判断し、行動することにより、自立・自律を目指す。今年度より中1生がiPadを授業で活用中。英語教材では音声録音アプリを用いて取り組んでいる。

■聖園女学院中学校・高等学校(神奈川県)
本校は、生徒一人ひとりの学びを支援するミッションスクールとして、自分が持っている力を見つけ、磨き、それぞれの違いを互いに認め合い、人間の尊厳に貢献できる人に成長する過程を見守る。

■星陵中学校・高等学校(静岡県)
様々な考えを持った仲間とともに、ワクワクするような学びを通じて、心躍る未来の創り手を目指す。激しい変化に対応し、深く考え、変化の先頭に立って行動する星陵生マインドを共に。

■不二聖心女子学院中学校・高等学校(静岡県)
創立者を通して、イエス・キリストの聖心(みこころ)を学び、それを生涯の中で生きる。本年の目標は“Courage et Confiance !”(「勇気」と(神への)「信頼」の意:フランス語)。

■静岡雙葉中学校・高等学校(静岡県)
宗教行事等を通して心を育みながら、様々な体験学習を通じて主体的学習姿勢や問題解決力を磨く、雙葉独自のプログラム「ふたばのコース制」など、新時代に求められる教育に取り組んでいる。

■函嶺白百合学園中学高等学校(神奈川県)
豊かな自然と文化遺産から生み出される特色ある教育。女子高生の視線で地球環境を守るキャリア教育「Blue Earth Project」始め、唯一無二の自分を生かすための多彩な経験を身につける。

■国際高等専門学校(石川県)
AIやIOT、ロボティクスなどの成長分野に関わるソフトウエアの基礎的な専門技術と知識を幅広く学び、新たな価値を創出できるグローバルイノベーターの育成を目指す。

■加藤学園暁秀中学校・高等学校(静岡県)
校訓である「至誠 創造 奉仕」の人間教育を実践。新時代の内外に開かれた本格的な中高一貫進学校として「グローバル化」「IT化時代の最先端校」を指向。手厚い指導を誇る。

◎淡路雅夫先生の「教育相談ブース」(淡路子育て支援教育研究所)
40年の教員生活(教員から校長まで)を経て、現在90校を超える私学の支援や保護者のための教育相談を実践中。お子さんの躾や学習の指導方法についてアドバイスする。

学校ごとの特徴を知り
ぴったりの学校を見つける

来場した保護者や子どもたちに感想を聞いた。小4女子の父親は、「子どもが入学したばかりの頃、新しい環境に慣れさせるためにどんな工夫をされているのか。また、授業についていけなかった場合のフォローについても聞きたいと思って来ました」。

同じく小4女子の母親は「インターネットである程度調べてきましたが、実際に先生とお話してみたいと思いました」。お子さんは、「今、英語を習っていて、もっと英語を勉強したいので、英語を学べるところ!」と自分の考えをきちんと話してくれた。

徹底した新型コロナウイルス感染症対策のもと、来場者は安心してブースを回り、いろいろな学校を知ることができた1日。親と子と学校との出合いは、確かな未来へつながっていく。


『学校を知ろう。』 https://gakkowoshirou.wixsite.com/gakkowoshirou