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中学・高校受験:学びネット

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2020/3 塾ジャーナルより一部抜粋

すべての人のセルフ・エスティームを向上させる
17年連続学習塾ナンバー1コンサルタント

     

合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ
代表 中土井 鉄信さん

経営困難に陥った学習塾を劇的に復活させるコンサルタントとして、学習塾業界で売上ナンバー1の実績を持つ中土井鉄信氏。「厳しい」と言われる中土井氏の指導だが、その根底には「すべての人のセルフ・エスティームを向上させる」という熱い思いがある。昨年には「日本教育コンサルタント協会」を設立。個々に活動している学習塾専門コンサルタントと連携し、チームで経 営支援をしていく。また、今年からは外国人労働者の子どもたちの学習支援も本格化させる。将来は社会事業へと活動を広げていくという中土井氏に話を聞いた。

周囲は不良ばかり……
でも両親から愛された子ども時代

――御社の事業内容について教えてください。

中土井鉄信氏(以下、中土井) 当社は教育機関専門のコンサルティング会社で、学習塾や学校などを対象にしています。現在は学習塾が中心です。私が直接訪問しているのは35社。MBA塾経営革新メンバー制度の有料会員は70社ほどになります。コンサルティング内容は塾の経営立て直しから組織構築、給与体系の設計、広報や広告設計、コース設定の変更など、全般にわたります。

 他にMBAセミナーを年に6回、階層別研修(塾人・室長向け)を大阪と東京で各10回、計20回ほど開催しています。その他、塾向け、保護者向け、教員向け、一般向けにメルマガも発行しています。

――御社の経営方針とは?

中土井 私たちの使命は「すべての人のセルフ・エスティームを向上させること」と定めています。「セルフ・エスティーム」とは、他人から重要だと思われている実感のこと。よく「自尊感情」や「自己肯定感」と訳されますが、そのもっと根底にあるものだと考えます。私たちは子どもにも保護者にも、そして塾の先生や経営者を含むすべての人に高いセルフ・エスティームを持ってもらうことを主眼に活動しています。

――なぜ、セルフ・エスティームなのでしょうか。

中土井 私は大学生時代に非行少年の研究をしていました。子どもが悪いことをするのは親の愛情確認のためなんです。非行少年はこのセルフ・エスティームが非常に低い。他人から重要だと思われている実感があれば、悪いことはしません。

 私の生まれは横浜のみなとみらいの近く。当時は造船所があり、荒くれ者も多く、繁華街には素行の悪いやつがいっぱいいました。私は両親から愛情深く育てられたので、私の周りは非行少年ばかりでしたが、私自身は悪いことをしていないんです。なぜ、周りの子どもたちが非行に走るのか不思議で、学校の教師になろうと決意しました。大学卒業後は定時制高校への採用が決まっていましたが、単位を落として教員免許が取れず、塾のアルバイトを始めました。

 塾で指導をするうちに、子どもたちを承認することがとても大事だと気づきました。いわゆる日本の教育は「できないことをできるようにさせる」教育で、それでは子どもたちは反発します。それより「当たり前にできていることをまず認める」。これがセルフ・エスティームを高める最大のポイントです。そうした指導をしたところ、非常に生徒が増えたのです。

 「セルフ・エスティーム」を広め、教育を通して世界を平和にしたい。そうした理由から、経営方針の根幹にセルフ・エスティームを掲げています。

塾が大きくなるかどうかは
社長の器で決まる

――そもそもなぜコンサルティングを始めようと思われたのですか。

中土井 17年間、個人塾から大手塾まで様々な塾を経験しました。その間、私は塾や会社を6回クビになっています。クビになるたびに必ず神奈川県の知り合いの塾長から「一生友達だからな」って電話がかかってくるんです(笑)。つまり、生徒を取られるから、自分の塾の近くには塾をつくってくれるなという意味。自分で塾をつくったら15年で1万人の生徒を集められる自信がありました。

 ちょうど6回目のクビになったその日、ある会社から「英会話スクールを立ち上げたいので、コンサルティングをしてほしい」と電話がありました。私はずっとセルフ・エスティームを広めたいと思っていましたから、コンサルティング先が増えれば、自塾よりもっと普及できると考えたのがキッカケです。2001年4月から個人として事業をスタートしました。11月にはクライアントが6社に増え、2002年8月に法人化。2003年には年商3900万円となり、17年連続で学習塾単独コンサルティングで日本一を達成しています。

――成果を出せるのはなぜでしょうか。

中土井 1点目は、セルフ・エスティームを高めるということが普遍的だったことがあると思います。

 2点目は、私が小さい塾から大手塾まで経験していること。塾の仕事に対する理解の幅が広いからだと思います。最初に勤めたのは生徒数230人ほどの個人塾でした。その後、日能研の子会社ではナンバー1室長になり、中萬学院では経営幹部になりました。この2社での経験値は大きかったです。

 3点目は、顧客志向の徹底です。お客から見て「これはどうなのか」という視点を強く持っている点です。塾の経営者からすると全く気づかないことが実はいっぱいあります。

 4点目は、クライアントよりもクライアントのことを考えていることです。例えば、塾経営者が今100人の生徒で満足していたら、5年後には絶対80人になります。目の前のことだけ考えて、5年先を見ていないからです。私は5年先、さらに未来まで考えてアドバイスをします。

 例えば、教師が中3の生徒に言った言葉を、その生徒が30歳になった時に思い出すことがあると思うんです。「今があるのは、あの時先生が言ってくれたおかげだ」と感謝される。それが塾の教師の仕事です。それと同じことをしています。

 5点目は、人間の心理について、私が深く理解していること。人間の無意識に対して敏感なんだと思います。キツネが、ブドウが取れなかった負け惜しみに「あのブドウはすっぱい」と言う、すっぱいブドウの論理がありますね。これは無意識の防衛本能ですが、こうした言い訳が積み重なると経営は必ず失敗します。塾が大きくなるかどうかは、その社長の器の大きさで決定します。ここまでちゃんと考えてコンサルするかどうかが、非常に重要だと考えています。

――どうやったら、経営者の器は大きくなるのでしょうか。

中土井 行動を変えてあげることです。行動を変え、結果が変わったら、意識が変わります。多くの人は先に意識を変えようとするんですが、これは間違いです。実は意識が変わる前に、行動を変えた方が楽なんです。

――どのような行動を提案されるのですか。

中土井 まずは恐怖を与えます。経営者の恐怖は倒産です。「お前、これやらないと潰れるぞ」「今、一番苦しいだろ。これからもっと苦しくなるぞ。絶対これをやれ」と言います。でも、結果は先に言いません。理解できないからです。行動してみて、結果が出てから「こういうことだったのか」と、気づく。それは一生忘れません。気づくことが最高の学びであり、気づくには傷ついていないと気づけません。業績が振るわないのは、経営者が「地域のせい」「時代のせい」「お客のせい」と、ごまかしているからでしょう。「実はお前のせいなんだよ。バーカ」と言うこともあります。

――顧問先に向かってそういった言い方もされるのですか!

中土井 することもあります。だから顧問先には「中土井被害者の会」があります。そこでみんな集まって、私の悪口を言いながら飲んでいます。でも、それはいいことなんですよ。業績が悪かったら、人と会って飲みたいと思わないですよね。行動を先に変えるから、私のコンサルは必ず3ヵ月以内に、生徒数や売上の数字として結果が出ます。

外国人労働者の子どもの
学習支援をスタート

――今後の活動について教えてください。

中土井 昨年、日本教育コンサルタント協会を設立しました。これからは学習塾のコンサルティングができる方を増やし、学習塾業界を活性化させていきたいと考えています。企業の経営幹部がコンサル的な視点を持つことも重要なので、養成講座も立ち上げていきます。

 それと、日本の教育提言もしていきたいと思っています。今の教育改革は大幅に間違っていると私は考えています。学力の二極化が言われていますが、学力分断は国民分断につながります。それが犯罪を招くのです。

 そうさせないために、今年から外国人労働者の子どものための支援を始めます。企業から寄付を募り、安い授業料で、日本語と勉強を私たちが運営している個別学習塾「クロスロード」で学ばせたいと思っています。NPO法人ピースコミュニケーション研究所の理事長と、同じく夢みらい教育振興会の理事を務めていますので、この2つのNPOを通して、学習支援と同時に、就職支援もやっていきます。

――なぜ、社会事業に力を入れるのでしょうか。

中土井 このままでは日本の社会が壊れてしまうからです。日本は先進国の中でもこんなに犯罪率の低い国ですが、今の状況が続けば、犯罪率が高まります。分断社会が暴力社会に変わるのは、社会学の定説だからです。これに歯止めをかけなくてはいけません。私も今年59歳になり、引退が近づいています。65歳からは社会事業の方にシフトしていきたいと考えています。あと、説教を受けたいお客がやってくる「説教バー」も開きたいですね。今、いいウイスキーを集めているところです(笑)

――最後に学習塾、私学の皆さんにメッセージをください。

中土井 自分の人生に参加してください。自分の人生に参加するということは「自分が一日一日を何をして生きるか」「どういう人間になりたいか」そして「どういうあり方で社会に参加しているか」という意識を持って、生きていくことです。せっかく生まれてきたんだから、自分の人生に参加する意識を持ってもらいたいと思います。そうすると、人生はさらに楽しく、豊かなものになると信じています。

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