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中学・高校受験:学びネット

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2020/3 塾ジャーナルより一部抜粋

学習塾「松塾」に学べ!
自作の歌に乗せて学習の要点をyoutubeで発信
SNSをフル活用することで、宣伝コストの削減が可能に

 

「俺はこれに人生賭けとる。生徒も人生賭けて勉強する。人生賭けたもん同士がぶつかり合う場
所、それが『松塾』や!」。こんな熱いフレーズを掲げる松塾。宣伝活動は、すべてSNSで行
い、チラシは一切使っていない。塾長が作詞作曲した歌に乗せて、歴史や古文を楽しく学べるコン
テンツをYoutubeで発信して話題を集めている。生徒には本気で接し、人間味のある塾をモッ
トーに指導を続けている。

 

松塾(滋賀県草津市)
塾長 國松 延定さん

1972年生まれ、47歳。同志社大学を卒業後、大手スーパーに入社。バイヤーとして活躍した後、地元の学習塾に転職。2年間勤めて独立を考えたものの、もっと研鑽が必要と考え、見知らぬ土地であった北海道の学習塾へ入社し、小中学生に英国社を指導する。5年後の2010年6月に地元の草津に戻り、松塾を立ち上げる。現在は小中高校生を対象に集団指導と個別指導を行っている。

宣伝はSNSを最大限活用
ブログは毎日更新が鉄則

 滋賀県の草津市は、かつて東海道五十三次の宿場が置かれた歴史のある町。今も街道筋には史跡や古刹が並び風情ある場所が多い。そんな町の一角に松塾はある。玄関へ入ると、壁や天井一面に数式や歴史の年号、英文法、古典の一節などの紙がびっしりと貼られている。

 塾長・國松氏の名前から一文字を取って名付けられたこの塾には、現在、小学校から高校まで50名の生徒が通っている。広報・宣伝には、チラシを一切使わず、塾のポータルサイトにも掲載していない。それでも生徒は集まってくるという。

 「開塾前に大量のチラシをつくって自分でポスティングをしました。でも、2ヵ月経っても全く反応がなかったんです。6月1日の開塾日になっても生徒はゼロ。どうしようかと不安が募るばかりで……。ようやく1人入塾してくれたのが、6月半ばの中間テスト時期。正直、ホッとしました」

 その後、夏休み前までに生徒は20名に増えていく。

 「生徒や保護者の方が良い評判を伝えてくれたおかげです。徐々にチラシの反応も良くなっていきました。いま通っている生徒を大切にしたら、評判は自然と伝わっていくのだと思いました」

 しかしその後、徐々にチラシの効果が薄れていったため、現在は一切チラシを配布していない。代わりに活用しているのがSNS。ツイッター、フェイスブック、ブログなど複数のメディアで情報を発信している。

「開塾以前からブログに準備の様子をアップしていました。始まってからも毎日更新しています。ブログは毎日続ければ続けるほど、効果があると実感しています」

●運営のポイント
宣伝はオンラインをフル活用毎日ブログに役立つ情報を掲載する

youtube で楽しみながら
役立つコンテンツを発信

 ユニークなのが、動画サイトyoutube へ自作のコンテンツを投稿し続けていることだ。

 「最初は授業の様子を発信していたのですが、それではインパクトがない。授業を公開するのは、せっかく授業料を払ってくれる生徒にも申し訳ないと考えました。もっと生徒に役に立つ内容はないかと考え、勉強のポイントを音楽に乗せて覚えてもらうアイデアをひらめきました。それで動画をつくったのです」

 現在、20本の動画がアップされているが、どんな内容かというと、例えば「歌で覚える竹取物語」。冒頭の「今は昔 竹取の翁といふ者ありけり 野山に混じりて竹を取りつつ よろずのことに使いけり……」という有名な一節をフォークソングに乗せて歌っている。枕草子の第一段は、原文と英訳をラップ調の歌にしている。すべて國松塾長の企画、作詞作曲、歌うのもご本人である。

 「動画をアップする目的は、どんな人間が松塾にいるのかを知ってもらうためです。外部から指導者の顔も見えないような塾は、駄目だと思います。こだわっているのは、『リハーサルはしない』ということ。これをやってしまうと、いくらでも良いように、自分を装ってしまいます。失敗してもいいから、一発撮りしたものをそのまま流す。素の自分やスタッフを見てほしいんです」

 学生時代に音楽活動をやっていた國松塾長。今も地元の仲間とバンドを組んで定期的にライブを行っている。自分の特技を塾の指導に生かした形だ。世界中で視聴できるyoutube だけに、海外から問合せが来たこともあったという。

●指導のポイント
学習ポイントを歌にしてyoutube で発信楽しめるコンテンツで生徒の意欲を促す

テキストは自前で製作
チョーク一本で指導する理由

 松塾の建物は以前は自宅だった一軒家である。それを國松塾長と奥さんの2人でコツコツと改装をしていった。その様子もすべてブログに掲載されている。

 「元々、私の母が店舗を営んでいたのですが、亡くなったため使い手がいなくなったんです。これを塾にしようと、妻と一緒にDIYに励みました。業者に頼むと費用がかかってしまうので、自分たちで作業をしました」

 無駄なコストはかけない、しかし努力は惜しまない。これが塾長のポリシーである。授業で使うテキストは英語と数学は自前でつくっており、国語・理科・社会は入試の過去問題を解かせている。指導にあたるのは、すべて塾長自身。高校の理科だけは2名の学生アルバイトが教えている。

 「高校の理科は、さすがに難度が高いので学生講師に任せています。私は元来自分で全部やってしまう性格なので現状で精一杯です。講師を増やしていく方法もありますが、そうなると自分の目の届かないところで指導が行われてしまいます。生徒一人ひとりと真剣に向き合いたいので、拡大は考えていません」

 流行のオンライン学習や動画も使わず、「黒板にチョーク一本」というスタイルを貫いている。こういった素朴で人間味のある指導が生徒や保護者の評判を呼んでいる。授業料は、小学生が週1回で4400円、中学1、2年は1万6500円、高校は複数名対象の個別指導だが、90分3000円とリーズナブルな価格になっている。

 松塾では授業のほかに出張指導も行っている。塾長自身が出向いて教えるスタイルだ。

 「『デリ松』と名付けているのですが、家庭教師とは違います。最近は自宅に他人を入れることに抵抗があるご家庭も多いので、喫茶店、ファミレスなど指定の場所へ私が出向いて行います。1人でも複数でも対応しています。入院中の生徒さんでしたら病院の休憩スペースなどでも大丈夫です。草津市内だけでなく、守山や栗東、大津へも行きます」

 また、大人を対象とした歴史講座も定期的に開いている。「歴史ナイト」という名で、これまでに日本通史や歴史から学ぶビジネス、古事記と旧約聖書といったテーマで行い盛況だった。

 「生徒の親御さんが来られるかと思っていたのですが、実際にはブログやフェイスブックを見た30代から40代の方が来てくれました。私が歴史を好きなものですから、その知識を生かして、社会人も開拓していければと思っています」

 「最新の機材やテキストを揃えても、教える人がまずかったら意味がない」と断言する國松塾長。まさに『人生賭けたもん同士がぶつかり合う場所』として、松塾は生徒を支えている。

●指導のポイント
出張指導で通塾できない生徒にも対応
チョーク一本で人間味のある指導を心がける

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