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2019/9 塾ジャーナルより一部抜粋

魅力ある中堅私立大学に注目 第4回

個別指導学習塾 塾長 山本 陽一

 今回紹介をする2つの大学は、京都精華大学は芸術とマンガ、京都文教大学は心理学と教育という柱をしっかりと持ち、やりたいことが定まっていない学生に対しては、少人数制で手厚い教育を施し専門性を導き出すことを実践している大学である。また、地域に密着し、それを教育につなげて学生を上手く育てている共通点がある。

京都精華大学
京都府京都市左京区岩倉木野町137

〈沿革〉

 1968年に学問の自由と大学の自治を目的として、岡本清一初代学長を中心に京都精華短期大学として開設。1979年に美術学部を開設すると同時に短期大学美術科を廃止。1989年に人文学部を開設すると同時に、短期大学英語英文科を廃止し、4年制大学としての拡充に努める。

 その後、デザイン、マンガ、ポピュラーカルチャー学部を新設し、芸術教育の領域を拡張する。2018年に人文学部の教員であったウスビ・サコ氏(西アフリカ出身)が学長に就任。

〈学部〉

 芸術、デザイン、マンガ、ポピュラーカルチャー、人文

〈大学院〉

 芸術、デザイン、マンガ、人文

〈一言アピール〉

 芸術、デザイン、マンガ、ポピュラーカルチャー、人文の5学部すべての学生が、世界に向けて発信するアートとカルチャーを学ぶ「表現の大学」。

〈どんな大学なのか?〉

ユニークな大学である。2006年にマンガ学部を誕生させて話題になった。2017年より、全学共通プログラム「SEEK」を導入。このプログラムは、歴史、政治、哲学などの「教養教育」を通じて人間や社会への理解を深めることで、創造力の支えとなる知識をより豊かにすることを目的としている。

 さらに8つの「副専攻」科目群(国際、環境、京都伝統文化、ビジネス、ソーシャルデザイン、福祉、観光、コンテンツマネジメント)を設け、自分の専門性を社会で展開できる知識と実践力を身につけさせる試みを実施している。

キャリアデザインセンター長
福岡 正藏 氏

〈著名な卒業生〉

○タナカ カツキ(漫画家、映像作家)
○榎屋 克優(漫画家)
○木皿 泉(脚本家)
○山口 馬木也(俳優)
〈学生グループ キャリア支援チーム担当 キャリアデザインセンター長 福岡正藏氏〉

 芸術やマンガなど、学生は何らかの「表現」を追究しているので、京都精華大学のキャリア教育・キャリア支援は、他大学とは少し異なります。学生は卒業した後、デザイナーやイラストレーターなど、いわゆるクリエイティブ系の職種に半数以上が就きます。ですから、自分が「好き」なことや「得意」なことを仕事や生活に生かす、という考え方を基本にキャリア教育を展開し、また就職を支援しています。


【私見及び感想】

 動物園でもないのに、クジャク、鹿、ウサギ、亀などを校内で飼い、「なんとユニークな大学なんだろう」と思わせる。それらの動物はデッサン用のモデルとしても活躍している。私には、その動物を飼うことで、生命の尊さを学び、建学の理念の「人間尊重」「自由自治」につながっているように思えた。

 大学は緑に囲まれ、個性的な建物が目を引く。また、無作法に学生が制作をしたオブジェ、絵画などが置かれ、それを見るのも楽しく、長居をしたくなる雰囲気がある。

 芸術系の学部はアジアの留学生からも人気があり、浪人を経て入学をする学生も多い。学生同士の仲も良く、卒業後も連帯意識があるように思える。教員にはメディアで活躍をしている著名な人も多いが、高額なお金を払って来てもらっているのではなく、人的なつながりで、教育方針に賛同を得たうえで教鞭を執ってもらっているとのこと。芸術系分野を得意とする京都精華大学に魅力を感じ、推薦枠がある系列の京都精華学園高校に進学する生徒も多い。


京都文教大学
京都府宇治市槇島町千足80

〈沿革〉

 1904年、法然院の獅子谷仏定上人の発願によって、高等家政女学校が創設されたことに始まる。

 1960年には家政学園短期大学を設置。1980年には3学科6専攻の短期大学に発展したことを契機に京都文教短期大学に名称を変更。1994年、家政学園創立90周年を迎え、家政学園中・高等学校を京都文教女子中学校・高等学校に変更して校名を統一。

 1996年に京都文教大学人間学部を開学。2000年に大学院修士課程(文化人類学研究科・臨床心理学研究科)、2002年には博士課程(臨床心理学研究科)を開設し、2012年からは臨床心理学部、総合社会学部の2学部体制となる。

〈大学・学部〉

 総合社会、臨床心理、こども教育(2020年設置構想中)

〈大学院〉

 臨床心理学(前期・後期)

〈短期大学・学科〉

 ライフデザイン、食物栄養、幼児教育

〈一言アピール〉

 地域とともに成長が実感できて、学生が躍動する大学。

〈どんな大学なのか?〉

 書き表すのは難しいが、「自己研鑽して自己の目的を達成したら、その知識や経験に基づいて社会や他者の幸せに貢献し、またその社会や他者の幸せに、貢献できる喜びを自らの喜びとする生き方」を実践する、仏教精神(浄土宗)にもとづく「人間」教育を実践し、それを基軸にして学部を運営・展開している。

 また、教員と学生との距離も近く、全学年で担任制度を設け、学習・生活全般から心理面にわたり学生をきめ細かくサポートする。そして、系列機関である地域協働研究教育センターと共同で、地域や近隣学校とのボランティア活動等を行い、地域に貢献※を果たしながら、社会性を身につけることができる大学である。

田中 俊亮 さん
(総合社会学部1回生)

 特に臨床心理学部には、分野の牽引役となる著名な教育者をそろえ、大学院と連動した教育に取り組んでおり、高い評判を得ている。なお、大学院では、職場のメンタルヘルス対策に貢献しえる高度専門職業人の育成を目的とした「産業メンタルヘルス研究所」、心理相談を受ける「心理臨床センター」を併設して効果を得ており、それらをうまく大学の教育にもフィードバックさせている。

 短期大学は、食物栄養学科と幼児教育学科は女子のみとなり、ライフデザイン学科は男女共学となる。

〈田中俊亮さん 総合社会学部1回生〉

 家族旅行の楽しい思い出から、観光関係の仕事がしたいと思っていました。オープンキャンパスに行き、ここの大学ならその勉強ができると思い、塾でプレゼンテーションの練習をしてAO入試を受けました。友達もたくさんできて、先生方ともよく話をします。ここの大学にして良かったです。


【私見及び感想】

 具体的に大学進学の目的が定まらない場合、総合社会学部に進学することを勧める。幅広い学びの領域を、担任制をひき、学生の興味をくみ取り、学習成果をあげている。ここに小規模大学ならではの良さがある。また、心理学部があまり普及していない2000年頃は、入学競争率が20倍超の狭き門であった時代もあった。さすがに今は落ち着いてきたが、評価は高い。

 また、AO入試のプレゼンテーション演習入試(総合社会)もユニークな試みである。塾としては、それらの対策をしながら、大学で何を学びたいのかを塾生に考えさせる絶好の機会であり、来的には、就職内定へとつながるのではないかと期待が持てる。これらを理解したうえでオープンキャンパスに参加することを勧めたい。
※日経グローカル誌の「大学の地域貢献度ランキング(2017)」の私立大学の部門で、近畿で5位となった。


山本 陽一(やまもと よういち)

1962年生まれ。大阪経済大学卒業、摂南大学大学院・同志社大学大学院修了。個別指導学習塾(堀川紫明・一乗寺)塾長。京都先端科学大学経済経営学部非常勤講師(准教授)、京都私塾連盟加盟。

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