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2019/3 塾ジャーナルより一部抜粋

魅力ある中堅私立大学に注目 第1回

 

個別指導学習塾 塾長 山本 陽一

 
     

 塾生のご父兄に「うちの子にあった大学はどこでしょうか?」と聞かれることがある。そんな時、私は違和感を覚える。誤解を恐れずに述べると、そのような聞き方をされるご父兄のご子息の大学受験は上手くいかないことが多い。大学は義務教育ではないし、とりあえず大学と名のつくところに進学をすれば良いというものではない。学力の高い生徒ほど、やりたいこと、将来就きたい仕事など、目的を定めて大学を決めている。

 現在、日本の大学数は 768 大学(2018年4月に募集を行った大学の数)で、その内、約8割が私立大学である。ご承知のように少子化が叫ばれる中、ブランド力のない私立大学の学生募集は厳しいのである。約4割の大学が定員割れを起こし、赤字経営となっている。学生募集を円滑にしようと、お客様扱いをしてしまっている大学の事情が、それらの原因であろう。そこで、2016年入試から私立大の入学定員管理の厳格化が始まった。

 関関同立の合格のボーダーラインぎりぎりの受験生は、入学定員の厳格化により不合格となり、産近甲龍へと流れ、受け入れをする産近甲龍も、定員を厳格化する必要があるので合格者を絞り込む。となると難易度が下の大学へと受験生は流れていくことになる。

 そこで問題なのは、下で受け皿となる大学ほど、元々の定員の枠が狭いことである。また、厳格化は学部ごとの定員にも適用される。そうなれば、大学は第2、第3希望の学部に回し合格ができるような入試方式を準備して、無駄なく定員を満たそうと動く。その結果、受験生はこれまで以上に混乱をしながら、大学をブランドで選ぶのか、学部で選ぶべきなのかと、迷うことになるのではと危惧する。

 そもそも、関関同立・産近甲龍という大学の括り方は、大手予備校が、総合大学で難易度の近いものを、グループ化したにすぎず、教育関係者、マスコミ等も、ついつい便利であるから使ってしまっている。

 私は関関同立・産近甲龍の括り方で、受験する大学を決定するのではなく、自分の学びたいこと、やりたいことを決めて、大学へ進学するのが本来の形で、就職も有利になる傾向が強いと思っている。

 この連載の特集(計7回)では、上記の述べた観点から、関西の中堅の特色のある大学の魅力を順次紹介することとする

大阪経済大学

大隅キャンパス(本校)
 大阪府大阪市東淀川区大隅2‐2‐8

北浜キャンパス
 大阪府大阪市中央区北浜 1丁目8‐16大阪証券取引所ビル

初代学長
黒正 巌 博士

〈沿革〉
1932年に設置された浪華高等商業学校を源流とする。学園紛争により、文部省(現文科省)や大阪の政界・財界・学界の強い要請を受け、当時、京都帝国大学の教授であった黒正巌が私財を投じて1935年に昭和高等商業学校として再建を果たし初代校長に就任。1949年に大阪経済大学となり黒正巌が初代学長となる。

〈学部〉
経済、経営、情報社会、人間科学

〈大学院〉
経済、経営、経営情報、人間科学

〈一言アピール〉
ゼミナールを中心としたリベラルアーツ教育を実践する大学

〈どんな大学なのか?〉
文系で単科大学であるという地味なイメージではあるが、日本経済研究所(1933年設置)、中小企業経営研究所(1963年設置)を持つなど、商都大阪に古くから根付き、固有の歴史を持つ大学である。そのことは北浜の大阪証券取引所ビルにキャンパスを構えていることからもわかる。大学院の歴史も古く、大学院と学部との教育と連動させ、キャリア形成に取り組んでいる。初年次教育から一貫した段階的な取り組みや、ゼミナールを中心とした教育が「面倒見のいい大学」「就職に強い大学」として評価されている所以であり、「ゼミの大経大」と自称している。2010年には審査員に、加藤産業・ベネッセコーポレーション・博報堂関西支社・日伝等の大手企業を外部審査員として、プレゼンテーションの力を競い合うゼミ対抗イベント「ZEMI‐1グランプリ」を学内にて毎年開催。その上位入賞者は日経ビジネス主催の「アカデミック・サポート・プログラム西日本合同研究会(西日本インカレ)」へ出場する事になっており、そこで大阪経済大学の出場者がグランプリに輝いた実績もある。また、インターンシップを1998年から行っており、それは関西の大学で、一番早い導入であった。同窓会・卒業生組織の活動が活発で、同窓会組織を全国に展開をさせるとともに、公認会計士・税理士で組織をする税理士大樟会、社会保険労務士の社労士大樟会、小・中・高の教員の大樟教育研究会、日立グループの日立大樟会などを、各数百名の規模で実施している。

〈著名な卒業生〉
井阪健一(野村アセットマネジメント元社長/野村證券元副社長)
松谷嘉隆(国際証券﹇現三菱UFJ証券﹈元代表取締役社長・会長)
牧野明次(岩谷産業 代表取締役会長兼CEO)
鈴木権平(京阪電気鉄道 元副社長/京阪百貨店 元社長)
高田明(ジャパネットたかた 創業者)
原田猛(ダイハツディーゼル 代表取締役会長)
矢倉英一(エーアイテイー 代表取締役社長)
森田俊作(大和リース 代表取締役社長)
松本孝之(上新電機 元代表取締役社長・会長)

〈卒業生コメント〉
日野早紀子。2015年経営学部卒業。テイクアンドギヴ・ニーズ(東証1部)入社。
まとまりのある大学。厳しさもあり、友達と一緒に一つのことに打ち込める大学。高校生の女子はもっと注目すべきだと思います。

〈在学生コメント〉
吉岡秀祐。2018年経営学部入学。自転車競技部。
高校3年になった時に、大経大のオープンキャンパスに行って、自転車競技部に入りたいと思いました。みんな仲良しで、一生懸命に努力ができる環境です。インカレ出場条件をクリアできたことが嬉しい。

【私見及び感想】

上場企業への就職者も多く、役員にまでなっている数も多い。雑誌等で、社長の数、上場会社の役員数のランキングを目にすることがあるが、それは総数表示で、%表示ではない。大阪経済大学の2019年度の定員1645人に対して、京都産業大学は3625人、龍谷大学は4693人であることからも、(上場会社の役員/入学定員)で考えると優秀であろうと思われる。そして、就職部は既卒生にも就職支援の体制を整えている。

ちなみに日経キャリアマガジンでの2018年度版の企業の人事担当者評価での(就職支援に熱心)という項目では全国2位である。税理士を多く輩出しており(2018年度は公認会計士2名合格)、2019年からは中小企業診断士の登録養成課程を新たに設置するなど、経済・経営を基軸とした実践的な教育を行い、研究者からの評価も非常に高い。また、4年間の学費は関西では最も安い。

学生が思わぬ出費でお金に困った時に、無利子で2万円までを貸し出す制度や、急に雨が降った時に傘を貸出す制度などもあり、人情味溢れた大学である。


関東では合格の難易度が高い早稲田・慶應大学を「早慶」、その下に位置する明治・青山学院・立教・中央・法政大学を「MARCH」と呼ぶのと同じく、関西においても、関西・関西学院・同志社・立命館大学を「関関同立」、その下に京都産業・近畿・甲南・龍谷大学を「産近甲龍」とグループ分けをした序列がある。


山本 陽一(やまもと よういち) プロフィール

1962年生まれ。大阪経済大学卒業、摂南大学大学院・同志社大学大学院修了。個別指導学習塾(堀川紫明・一乗寺)塾長。京都先端科学大学経済経営学部非常勤講師(准教授)、京都私塾連盟加盟。

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