時代が求める、進化した学び
大学の今が「見える」
受験生に「学び」が見える――その視点を創り出すために千葉工業大学が挑んだ大胆な学科改編は、平成28年度入試募集において、確かな成果を出した。工学部6学科を、今春から工学部・創造工学部・先進工学部の3学部12学科へ。5学部17学科となった各学科のカリキュラム・学びは、より専門性に特化した内容へと進化した。受験生一人ひとりの異なる興味や好奇心に合わせて選びやすくなった=「学びが見える」ことが全体の志願者増加につながった、と同大学では分析している。
千葉工業大学で起きている「いま」が見えるのは、ニュースやマスコミで研究成果が広く報道されるときだろう。「進化し続ける世界を支えるプロフェッショナルな人材を育てる」同大学の使命が実社会に直結し、「千葉工業大学」の社会認知度が高まると、それが志望校選択の時期に重なり、志願者増につながる、と入試広報課 課長補佐の下山亜希子氏は語る。同大学がかかわるプロジェクト(福島第一原発建屋内に投入した初の国産ロボットやNASAとの共同研究プロジェクトで打ち上げる流星観測カメラなど)について、説明会やオープンキャンパスで受験生のほうから話題にすることが多いという。こうしたニュースがダイナミックに世界を駆け巡るとき、科学者になる自分の未来像を夢見る高校生は少なくないはずだ。
キャンパス環境を順次整備
女子寮の併設も
同大学では、先端技術を教育・研究できるキャンパス環境を順次整備している。新習志野キャンパスは東京湾を眼前に臨むロケーション、津田沼キャンパスには機能的で美しいタワー校舎群が立ち並ぶ。入場者が58万人を超えた「東京スカイツリータウン®キャンパス」は、同大学の研究活動や先端技術を「実際に見て、触り、体験する」情報発信の場。認知度と志願者増の底上げになっていると、下山氏は手応えを感じている。一昨年、完成した新しい学生寮は、工業大学には珍しく女子寮も併設。全国から入学志願者を集める大きな魅力となっている。
退学率は全国平均以下に
海外留学経験者も増加中
千葉工業大学では、学生の可能性を引き出す手厚い指導体制や学習サポートシステムを整備し、学生による授業評価制度の充実など多様な改善を実行してきた。その結果、昨年の退学率が全国平均を下回ったとのこと。また、日本の未来を支えるグローバル人材を育てるための施策として、英語力を強化するカリキュラムや海外英語研修の見直しを実施。留学生との交流や海外企業でのインターンシップ、海外トップクラス大学との教育・研究交流などを促進してきた。現在、在学中に海外留学を経験する学生の割合は3.7%。4年前の約2倍だ。大学案内の扉の言葉は「道なき道へ行こう」。大学での学びや研究の成果が社会で「見える」形になるその日まで、挑戦は続く。
千葉工業大学[5学部17学科]
※2016年4月より改編
●工学部
【新】機械工学科・【新】機械電子創成工学科・
【新】先端材料工学科・【新】電気電子工学科・
【新】情報通信システム工学科・【新】応用化学科
●【新】創造工学部
【新】建築学科・【新】都市環境工学科・
デザイン科学科
●【新】先進工学部
未来ロボティクス学科・【新】生命科学科・
【新】知能メディア工学科
●情報科学部
情報工学科・情報ネットワーク学科
●社会システム科学部
経営情報科学科・プロジェクトマネジメント学科・
金融・経営リスク科学科
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