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2016/1 塾ジャーナルより一部抜粋

今、一番熱い!!医療系大学の市場

第6回 
薬学部入試の特徴と対策

私立大学医学部に入ろう.COM 平野 晃康
名古屋セミナーグループ 医進サクセス室長を経て、 現在は私立大学医学部 に入ろう.com代表。医 療系・難関大学個別指 導塾CMP代表。私大医 学部受験の指導と正し い入試情報の普及に努 める。入試情報誌「私大 医学部入学試験を斬る 2013」(名古屋セミナー 出版)を編集・執筆、医療 系データブック(大学通 信)にコラムを寄稿。

 今回は医療系大学入試の考え方の最後として、薬学部入試対策についてお話ししようと思います。薬学部受験を考えている生徒さんに紹介していただくほか、薬学部の入試データを進路指導に活かすための指針の1つとして活用していただければ幸いです。

@薬学部入試ではAO・推薦入試を無視することができない。

 左記の表〈表@〉は2015年度入試の募集人数を試験方式ごとにまとめたものですが、国公立大では、AO・推薦入試が214人に対して一般入試が1,128人ですので、約20%がAO・推薦入試で入学しており、私大ではAO・推薦入試が3,075人、一般入試が5,038人、センター利用・併用が1,290人ですので、約33%がAO・推薦入試で合格しているなど、薬学部入試ではAO・推薦入試を無視することは出来ません。

 さらに薬学部の推薦入試は、評定平均値が必要のない大学が多いのも特徴です。私大の公募制推薦入試およびAO入試の評定平均の要不要を上記の表〈表A〉にまとめてありますが、公募制推薦では76日程のうち53日程で、AO入試ではすべての日程で評定平均値が不要です。

 つまり、薬学部のAO・推薦入試は基本的に誰でも受験することができるわけですから、薬学部を目指すなら、まず、AO・推薦入試を受験させることを検討する方が良いと言えます。

 ただし、評定平均値は入試で採点対象となる事があります。いくつかの大学ではHPや募集要項に、評定平均値の5〜10倍を点数として合否の判定に用いると明記されています。出願要件に評定平均値の制限がない大学であっても、合否判定に用いている場合がありますから、評定平均値は、できるだけ高くしておいた方が無難だと思われます。

A薬学部の偏差値と倍率(国公立大)

 国公立薬学部はセンター試験のボーダーラインが高く、かなりの難関です。東京大理科U類で90%、京都大で89%、最も低い徳島大学でも80%となっており、地方国公立大学の医学部であればボーダーラインが85%程度、旧帝大の理工学部でもボーダーラインが80%程度であることと比べても、そのレベルの高さがうかがえます。〈表B参照〉

 二次試験は地方国立大学医学部よりやや簡単、といったレベルで、倍率は、国公立大平均倍率(一般入試)で4.4倍程度です。二次試験の受験科目は、数学・理科2科目・英語というオーソドックスな理系の出題で、これといった特徴はありません。

B薬学部の偏差値と倍率(私大)

 私大薬学部は、上下に大きくレベルが分かれています。最も偏差値が高い慶応大学薬学部では偏差値67と私大医学部のほとんどよりも高く、一方で最も低い奥羽大学では偏差値37と、そうとう合格しやすくなっています。平均偏差値は53.9です。〈表C参照〉

 私大の平均倍率(一般入試)は3.9倍(2014年度入試)で、私大医学部のような自分の偏差値を冷静に見極め、考えて出願すれば、合格通知を1つももらえないということはないでしょう。滑り止め校と自分が希望する大学をきちんと選べば、浪人する可能性も低いはずです。

 ただし、なかには、国試対策を十分に行わず、薬剤師国家試験の合格率が極めて低い大学もあります。こうした大学に入学すると、卒業後に国家試験予備校に通う必要が出てくるなど、余計な経費や時間が掛かる可能性もあります。現在の学力にこだわりすぎず、しっかり実力を身に付けて国家試験合格率の高い大学を選ぶことが重要です。

 私大の一般入試は、理科1科目で受験できますが、約半数の試験では化学が必要とされます。〈表D参照〉

 また、入学後の勉強を考えて配点が化学に偏っている大学が多く、化学が得意な学生にとっては受験しやすい学部です。全体的に化学の問題は同程度の偏差値の他学部よりややむずかしく、現役生が不得意とする構造決定や糖やアミノ酸・たんぱく質などの有機化学の後半部分の問題が多く出題されます。

 また、それ以外の分野の問題でも、医療系特有のひねりが加えられており、ややむずかしい問題に分類されるものが多く出題されています。これらは第三回記述までは模試でも出題されない内容ですので、単純に偏差値の高低だけで考えず、早い段階で全範囲の学習を終え、過去問等でしっかりとした演習をしておくといいでしょう。

C薬学部の受験校は何を根拠に決めさせるか。

 薬学部の受験を決めたら、できるだけ早い段階、できれば高校2年生の夏〜冬頃に志望校にAO・推薦入試で受験できるかどうかを調べましょう。国公立大も私大もAO・推薦入試の枠をたくさん持っていますから、これが使えないかどうか、評定平均値の条件があるか、あるならどの程度で受験できるのか、専願なのか併願可能なのかを調べましょう。逆に、自分の評定平均値から学校を決めてもよいかもしれません。

 そして、志望校の国家試験合格率は必ずチェックしましょう。

 AOは学校のアドミッションポリシーに合致した人を選抜する試験ですから、アドミッションポリシーをしっかりと読み、その大学に愛着を感じる事が出来るかを考えましょう。

 一般入試でチェックするべきは、国公立大ならセンター試験のボーダーライン、二次試験の出題科目です、私大の一般入試ならば出題科目と配点をみます。化学の配点が他の科目の1.5倍以上ある傾斜配点を採用している大学もありますので、配点をチェックして、模試の結果と照らし合わせながら勉強計画を立てましょう。


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