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2015/5 塾ジャーナルより一部抜粋

セミナーレポート 個別指導塾mic(ミック)に学べ!
自立型指導と個別指導をミックス 独自の学習法で8割の生徒が成績アップ

     

個別指導塾mic(三重県桑名市)
塾長 水谷 秀治さん(40歳)

三重県出身。中央大学大学院博士前期課程修了。集団塾・個別指導塾の指導経験から、独自の指導法を編み出す。多くの塾生が「短期間の成績アップ」に成功。「きっかけ一つで人は変わる!」が信条。今年、塾歴15年目になる。

 JR桑名駅から徒歩5分。桑名市役所前にある個別指導塾micには、小学生から高校生まで約100人の生徒が学ぶ。勉強の苦手な中間層を対象に、水谷秀治塾長が編み出した自立型指導と個別指導をミックスした独自の指導法で、8割の生徒の成績アップを実現している。ルールを作り、正しく勉強させる。成績が上がると「他の進学塾へどうぞ」と退塾を進めるというから、徹底した中間層狙いだ。

 講師の開拓では地域のシニア層にも目を向け、地域密着をより強固にすることだと話す。

勉強のルールを作り、指導
成績が上がると進学塾を紹介

 個別指導塾micを訪ねるには桑名市の市役所を目標にするのが一番。目の前にあるから迷うことはない。地元では「きちっと指導し、学力を付けてくれる塾」として浸透している。

 指導形式では1対3のクラスが人気で、ボリューム層の中学生を例にするなら、競争心を生み出し、自学力を鍛えるmicお勧めの看板クラスだそうだ。これが水谷塾長の考えた自立型と個別をミックスした独自の指導法。授業時間は85分で教科書準拠教材を1教科について3冊(導入・基本・応用)使い、定期テスト対策を中心に学生講師が指導にあたっている。

 「勉強法を変えれば成績は上がる!」と謳っているだけに、生徒の8割方は成績が上がっている。成績中間層にどのように指導をしているのか聞いた。

 「最初は“この時間からこの時間まで勉強をする”というルール作りが大事です。あとは言いにくいですが“脅迫”が必要です。『これをきちっとしないと、どうなるか…?』みたいな(笑)」

 水谷塾長は「中学生なので、勉強をしないといけないわけですよ。結局、そういうルールが守れないだけ。守れないと“ガツン”と言います」と、熱血指導を話す。

 一方、生徒たちの成績が上がると、近隣の進学塾への移動を勧める。中学生の入塾待ちが絶えないのと、上位層になると学生講師では十分に対応できないことがあるのだそうだ。それこそもったいない話だが、その一方で進学塾からは成績が厳しい生徒が流れてくるので、うまく住み分けができているのだ。

●指導のポイント
学力中間層の生徒を対象に、勉強のルールを作り、成績を上げる

指導マニュアルを元に生徒に指示
小学から中学の継続率は100%

 土地柄、大学生が少なく、そのスキルにも期待ができない。そのため、水谷塾長が最初に考えたのが、指導マニュアルだった。「個人塾でそこまでやるの?」というほど詳細な指導マニュアルを作成している。

 「どんな講師でも同じ指導になるように、ルールを徹底させています。使用する教材や宿題などが順番に表になっているため、講師が何も考えなくてすむようになっています」

 ただし現場に応じて、問題の追加などは柔軟に判断してもよいそうだ。

 マニュアルに沿って、講師たちが指導をきちっとしているかどうかを見るのは塾長の仕事だ。

 「以前は授業中、巡回をしていたんですが、かえって先生方の評判が下がるので、注意をすることがあれば、授業が終わってから伝えます」

 それでも生徒の様子を見て不安であれば、次の授業のときに一緒に授業に入ってフォローすることもある。見逃すことができないのが、生徒たちの手が止まっていたり、質問をしたそうな表情なのにそれらに気が付かない講師だ。「そういう講師に対しては、かなり厳しく言います」。

 教室の空気感作りも日々大事なことだ。あまりにも「シーン」としているときは冗談を言い、「ダレているな」と感じたときは気合いを入れる。緊張と緩和で生徒に刺激を与えているのだ。

 micでは募集の対象を、当初の幅広くから地元の3つの中学に絞ってからは、生徒数が飛躍的に伸びた。ただ、直近のHPには「満席のため、中学・高校生の入塾受付を停止させていただきます」とあった。さすがだなと思いきや、実は「春先は講師不足で、これ以上の生徒の受け入れができない」のだそうだ。そのため現在、入塾待ちが中学生で15人ほどあるとか。地域の子たちはそれを承知しているので、中学の席取りのために、小6の秋にどっと入塾してくるという。小学から中学への継続率100%は、子どもたちの策なのだ(ちなみに小学生を指導する講師は揃っている)。

●運営のポイント
詳細なマニュアルを作り、講師の指導均一化を図る

地域を巻き込んでの塾つくり
人間味あふれる塾長に期待

 今後の方針を教室展開よりも地域密着に力を入れると決めたとき、水谷塾長は講師募集の視点を変えた。

 「待っていても講師は来てくれません。そうであれば、保護者を巻き込んだ地域のシニア層にお願いをしていくという考えです。指導のノウハウがあるわけですから、趣味のような形でやってもらえればいい。週1でお茶とケーキで勉強会を開き、若い講師とタッグを組めば、生徒たちの年齢のギャップを払拭することもできるでしょう」

 個別指導塾micを開校して丸5年、塾歴トータル15年の水谷塾長だが、けっして順風満帆な人生ではなかった。大学院を卒業後、司法試験の受験会場で体調を崩し、速入院。志望する弁護士の道も閉ざされ、大きな挫折を経験した。この経験が今の塾に生かされており、成績の低い子どもたちの気持ちもよくわかるという。「あのまま弁護士になっていれば、ロクな弁護士になっていなかったでしょう」と笑い飛ばす。

 最後に水谷塾長が明かしたネーミング秘話を紹介したい。

 外向けには「m」は水谷の頭文字、「i」は個別のインビジュアル、「c」は塾を英語でクラムスクールと公表しているが、そうではない。開校ギリギリまで名前が考えつかず、追い詰められていたとき、たまたま水谷塾長の奥様がマクドナルドのハンバーガーを食べていて、とりあえずマックとなった。しかしマックはまずいので、水谷の「mi」をとって「mic」に。塾らしくないので、後付けで個別指導塾とつけた。

 「ひらめきとはそんなもんなんです(笑)」

 厳しく、優しく、時にはたくましく。そんな水谷塾長の人間味あふれる人柄が、地域の人々に信頼されてきたのかもしれない。

 

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