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中学・高校受験:学びネット

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2014/1 塾ジャーナルより一部抜粋

セミナーレポート 総合学習塾セレクトに学べ!
成績下位層の生徒にスポットライトを当て 開塾時の生徒数1人から、6年で220人に

     

総合学習塾セレクト(神奈川県相模原市)
塾長 前田 俊之さん

昭和54年、神奈川県生まれ。大学生時代に恩師から個人塾・家庭教師を任される。大学卒業後、大手塾に入社。講師として3年間勤務後、平成19年に「セレクト個別指導学院」を開塾。平成25年に「総合学習塾セレクト」と改称。モットーは、「やればなんとかなる。まずはやってみること。失敗してもやり続ければ成功につながる。みんなが成功できる塾にします!」

 大手の塾では、どちらかというと成績上位の生徒が注目されがち。中位以下の生徒にも光を当てたいという思いから、講師を務めていた大手を飛び出して個人塾を開き、たった1人の生徒からスタート。6年後には、3教室、生徒数約220人になった。それが総合学習塾セレクトだ。それぞれの生徒に合った個別・集団授業を提案・提供し、講師と生徒間の信頼関係を構築。下位層の生徒のやる気と成績もアップさせ、地域に根付いた塾として発展を続けている。

最初の生徒の成績が
オール3から4へアップ

 神奈川県相模原市の住宅地にある総合学習塾セレクト。前田俊之塾長は、大学卒業後、大手塾で講師をしていた経験を持つ。

 「大手では、成績上位層の子に塾側の目がいきがちで、勉強ができない子には、あまり光が当たりません。そこを何とかしたくて、入社当初から、自分で塾をやりたいなと思っていました」

 3年間勤務した後、相模原市二本松にある実家の部屋を借りて、セレクト個別指導学院という名前の塾を開いた。集まったのは、中学3年生の生徒が1人。その生徒の成績がオール3から4に伸びたことで、保護者の方が口コミで広めてくれ、翌年には20人近くの生徒が集まった。2年目が終わる頃には30人ほどに増え、現在の生徒数は約220人。前田塾長曰く「最初の1人を大切にしたから、今があるのかなと思う」。

 生徒が増え、手が足りなくなった前田塾長は、大手塾で同僚だった境野佳輔さんに声をかけた。自営(ファイナンシャルプランナー)の傍ら、ちょっと手伝うつもりで加わった境野さんだが、今はセレクトの仕事のほうがメインで、統括責任者となっている。

 現在、セレクトの教室は、二本松校に加え、相原校、久保沢校の3教室。対象は小学生から高校生。いずれの教室も住宅街に位置しており、家の近くにあって通いやすく、大手に負けない指導力がある塾として定着している。

●運営のポイント
1学区に1教室。駅前まで行かなくても、自転車で通える範囲に最高の学びの場を提供

集団授業の演習タイムに
吉備システムを活用

 個別からスタートした当塾だが、現在はフリープラン(個別・1対1、1対2)、グループプラン(集団・1対3〜最大10程度)があり、生徒数は後者のほうがかなり多くなっている。そのため、昨年、塾名を総合学習塾セレクトに変更した。人数、時間・曜日、科目を選べ、個別と集団を併せて受講することも可能。生徒一人ひとりにあったスタイルを選べるということが、セレクトという名の由来という。

 入塾してくる生徒は、大半が成績中位から下位層の子たち。まずは個別授業を受けることになるが、1〜2ヵ月で集団へ移行する子が多いとか。個別だと競争心を煽られないので、成績は上がりにくいという一般論はセレクトには当てはまらず、入塾1ヵ月ほどで学校の定期テストの点数が30〜40点上がる子も少なくない。保護者から「こんなに早く上がるの?」と驚きの声があがることも多いという。

 境野統括は「個別で土台を作った後、集団に入れると加速する子が多い」と言う。各生徒の授業の様子、テストの結果等を丹念にチェックし、集団への移行が早すぎたと考えられる場合は、個別に戻すことも。細やかな対応がセレクトの特長のひとつと見受けられる。

 集団では、授業の最後に、ハイブリッド演習システムと称する演習の時間を設けている。平成24年に導入した吉備システムを活用しており、成績、モチベーションアップに役立っている。

 「吉備を使った演習の狙いは、自分自身で考え、しっかりと問題を解く力を養うことです。エラー&コレクト、つまり失敗してもそこで終わらせないわけで、うちの塾の考え方に近い教材だと思います」と境野統括。

 ところで、セレクトの集団授業には、3科目、4科目、5科目がセットになったグループパックというコースがある。このコースを提案したのは境野統括で、当初1科目ずつ取る場合の3割引くらいの授業料と考えていたが、「所得が高くない家庭の子どもにもいい教育を受けさせてあげたい」という塾長の思いから、半額程度という超リーズナブル価格に設定されている。

●運営のポイント
多彩な授業プランの中から、一人ひとりの学力と性格、家計に合わせたコースが選べる

講師は高い授業力を
もつプロ揃い

 セレクトでは短期間の指導で実績を上げているが、その秘訣は、最初の授業で生徒との信頼関係を構築することだという。講師のほうを向かせ、言うことをちゃんと聞こうと思わせることが決め手となる。例えば、どういうふうに覚えれば覚えやすく、忘れにくいのかといった勉強の仕方まで指導する。そのため、セレクトの屋台骨を担う8人の講師はすべて高い授業力をもつプロ。学生アルバイトもいるが、昔、セレクトで学んだ経験がある学生をメインに採用し、しっかり研修を行っている。

 「人件費が高くつく分、赤字続きでしたが、昨年、ようやく黒字になりました。一般的な学生アルバイトを多く使えば、もっと早く黒字になったと思いますが、教育とはそういうものではないと思うので」と前田塾長。

 なんとか経営してこられたのは、テナント料が安いからだ。二本松校は、現在も実家の空き部屋を比較的安価で借り、相原校は一戸建ての賃貸、久保沢校は自社ビルだが塾長の自宅を兼ねている。

 講師陣ならびに生徒の努力の成果が表れ、セレクトの生徒は今、下位層の子より中位層以上の子が多くなった。それでも、下位層の子を受け入れて、中位層以上に伸ばし、社会に出たときに地元、ひいては日本に貢献できる人材に育てたいという原点は変わらない。

 今後について問うと、「僕たちの塾はいいものだと心から思うので、この地域に広めたいという思いはあります。将来的には10教室展開を目標にしたい」。その言葉から、確固たる信念と自負心がひしひしと伝わってきた。

●指導のポイント
最初の授業で生徒の信頼を得て、引っ張っていく

●経営のポイント
講師力には先行投資し、テナント料を抑制

 

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