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2014/1 塾ジャーナルより一部抜粋

塾の日シンポジウム2013 in TOKYO
「ともに讃えよう!みなさまの晴れ姿を、そして25歳の誕生日を」

  2013年10月14日(月・祝)/東京・浅草ビューホテル
主催:公益社団法人全国学習塾協会
 
     
 全国学習塾協会が主催する塾の日シンポジウム。同協会は、学習塾の向上を図るため、平成元年10月9日を「塾の日」と制定し、子どもを取り巻く教育環境の変化に柔軟に取り組み、子どもの成長に貢献するとともに地域社会の信頼を獲得してきた。今年は「塾の日」から設立25周年を迎え、公益社団法人に移行して初めてのシンポジウムを開催。第1部が「塾の日記念式典」、第2部が「国際人に学ぶ日本人の生き方」をテーマに留学生によるスピーチと基調講演、第3部「親睦交流会」の3部構成で行われた。全国から約200人の関係者が集まり、盛大な式典となった。

第1部 塾の日記念式典

 初めに全国学習塾協会の碇 優大会会長による開会宣言の後、今年より協会会長に就任した安藤大作氏から挨拶があった。安藤氏は、「人材育成の支援ツール」として始めた「学習塾講師検定」や「社内システム構築のツール」としての「学習塾認証制度」が、子どもや保護者に影響を与える重要性を述べた。また、学習塾が公教育と連携して信頼を高め、良質な教育サービスを提供することで、社会に貢献する活動を今後も続けていくことを力説した。

 来賓挨拶では、下村博文文部科学大臣が公務のため欠席となり、文部科学省生涯学習政策局社会教育課の坪田知広課長が祝辞の代読をした。

 「子どもたちの学校外での重要な学習環境である学習塾の活動の充実に向けて、大変重要な役割を担っておられ、長きにわたって取り組みを継続されている関係者の皆様のご努力に対して、深く敬意を表します」。さらに子どもたちの土曜日を有意義なものにするため、「土曜日の教育活動推進プラン」を平成26年度概算要求に盛り込んでいると話した。

 続いて、経済産業省サービス産業室長の落合成年氏が挨拶を述べた。落合氏は、民間事業者におけるサービス向上を目指して、情報公開や評価のガイドラインの策定を文部科学省と連携して検討していることを示唆。グローバル化などの子どもを取り巻く環境の変化に伴って、子どもの人間形成にかかわる学習塾の需要が高まり、ITなどの学習形態の変化も見られることを話した。

 また、一般財団法人東京私立中学高等学校協会副会長の實吉幹夫氏と全国学習塾協同組合理事長の森貞孝氏より挨拶があった。實吉氏は表彰者への祝辞と関係者へ激励と感謝の意を示し、森氏も同協会の設立にかかわったメンバーへ敬意と感謝、団体の発展を祈った。

 次に、先の坪田知広氏より、地域社会や企業と連携する土曜授業の推進や放課後の教育プログラムの実施について、説明があった。

 土曜日の教育活動では、研究者や企業で働いたことのある経験者らで構成する推進員を作り、教え方を公民館等で学習し、キャリア教育や実験教室などのプログラムを実現。また、放課後の教育支援の検討委員に学習塾関係者に加わってもらうことの協力を呼びかけた。

 そして、永年勤続職員12人の表彰と塾生14人の表彰、自主基準遵守塾7社を代表して、東京のING進学教室と福岡の英進館が表彰された。また、第23回全国読書作文コンクール表彰で、全国1986点の応募の中から、小学生の部の大賞に福岡の山ア大雅君、最優秀賞に辻菜那さんと林田知仁君、中学生の部の大賞に宮城のグレドル輝覧君、最優秀賞に吉澤龍人君と眞田みなみさんが選ばれ、表彰を受けた。

 実行委員長の内藤潤司氏の東京宣言と、同協会副会長の山下典男氏の閉会の言葉によって、式典は終了した。

第2部 シンポジウム
国際人に学ぶ日本人の生き方

 第2部では、海外留学生3人による日本語でのスピーチ、国際政治学者で参議院議員の猪口邦子氏による基調講演があった。留学生3人のスピーチは、茨城県で学習塾を経営し、茨城県学習塾協同組合の理事長でもある布浦万代氏が指導。布浦先生は、筑波大学の留学生やその家族に日本語を教えており、3人は布浦先生の教え子であることから、今回のスピーチが実現した。

筑波大学大学院 国費留学生
セポンセシメ バクミナさん

 ベナンの教育制度は、小学6年、中学4年、高校は3年で13年間あります。学校では、時々いじめがありますが、問題ではありません。日本でいじめが問題と聞いたとき、びっくりしました。

 子どもの頃に富士山の絵を見て奇麗だと思い、富士山に登るために日本に行きたいと思いました。ところが、父に日本に行くなら日本語が話せないとダメだと言われ、日本語の勉強を始めて、筑波大学の博士課程に入りました。私の専門は、社会システムマネジメントです。とても難しいですが、私は国に帰って、会社を作りたいと思っており、大きなチャレンジです。

 日本での生活で一番驚いたのは、お年寄りの生活です。ベナンでは、お年寄りが街で買い物や仕事をすることはあまりないですが、掃除をしている姿を見たとき、ショックでした。

 言葉の問題や恥ずかしい気持ちもありますが、頑張って、皆さんとたくさん話して、いろんな国の話を聞いて、大きなステップにしたいです。

筑波大学大学院 国費留学生
サカザデ マシドさん

 大学では、高齢者の健康について研究をしています。ご存じの通り、日本の寿命はとても長く、経済的な負担が少なく、快適に生活を過ごすことができるように、研究者は健康を促進するために力を入れています。

 私が日本人と日本の大学で好きなところは、一生懸命に取り組み、小さなミスをしないことです。他には、例えば、市役所に書類を持っていったとき、スタッフがとても親切で、素早い対応をしてくれるところです。私たちのことをとても丁寧に助けてくれます。

 イランの教育は、小学は5年、中学は3年、高校は4年、トータルで12年間です。私の国もいじめ問題はありません。

 日本の学生の皆さんに、私からメッセージがあります。たくさん勉強してください。机の上の勉強ばかりでなく、海外留学などをして広い世界を見てください。

東京農工大学大学院 国費留学生
パンディ ヘンプロパさん

 ネパールは、インドと中国の間の小さい国で、飛行機で10時間かかります。その遠いところから日本に来たのは、勉強のため、それが夢でした。

 ネパールの人口の8割が従事している農業の質的向上を図るのが、私の研究です。幸い、希望する農業大学の研究室にも受け入れられ、厳しくも理解できるまで優しく指導してくださる先生に恵まれました。

 ネパールでは、勉強をたくさんしても、就職の機会に恵まれず、落ち込むばかりです。学校に行きたくても、行けない子どももいます。ネパールは、電気、ガス、水道のインフラの恩恵から遠ざかっています。日本のように、一斉に発展できていないことが理由です。

 私は帰国後、大学で教えたいと思います。家族と幸せに過ごして、よい教授であり、よい妻と母になりたいと思います。

基調講演 
国際政治学者・参議院議員 猪口邦子氏

 教育というのは、何を人に可能にするのか、それはイメージする力です。身近な問題を解決できなければ、大きな問題を手掛けることはできません。大使をやったとき、国際人になるにはどうしたらよいですかと聞かれましたが、世界には問題が多いので、問題を解決できる人になることでもあります。でも、教室の中で、誰かが勉強できなくて困っているなら、助けることができるか。小さな身近な世界で、別の子どもの苦労をイメージできるか。それができなくて、遠いアフリカの子どもを助けることができるか? というと、できないですよ。世界の問題を解決するには、目の前の解決者になっていくことです。それをできるように教育するのが、目指すところです。

 欧米では、ある条件が整っていないと、能力や学歴が高くても、発展できないことがあります。それは紳士であり淑女であること。根本ができていれば、言語ができなくても仲間と思ってもらえます。

 では、紳士淑女の基準とは何か、私は4つの基準があると思っています。これは、大人が教えないと、子どもはわからないでしょう。1つ目はフェアでなければいけないこと。尊厳にかかわるような謝り方をすることを紳士はやらない。2つ目は弱者に優しく、そのような言動を持てるかどうか。電車の中で妊婦さんが目の前に立っているなら譲ること。3つ目は差別的な発言をしてはいけないこと。自分を律する強い人になり、教育を受けた人の水準の高さを示すことです。4つ目は言葉の達人になること。言葉で説得して、身を守ることができるかどうか、です。

 私は世界を知り、専門的な教育者になろうと、イエール大学に留学しました。当時、私費で留学するのはありえない時代で、ロータリークラブの奨学金に応募して、百倍を超えるという中で取りました。イエール大学ではものすごく勉強する人たちばかりで、ノートの取り方や本の読み方のポイントを身に付け、一日も休まず何度も繰り返しました。博士課程の1年の終わりになると、全額の奨学金をイエール大学に出してもらえるまでの成績になりました。言語のハンデは、どうでもよくなるくらい猛勉強をして、寄宿舎、図書館、教室、コンピュータ室を行ったり来たり。人生のあるとき、一生懸命することが、道を開くのかなと思いました。

 英語を身に付けるには、教科書のポイントを暗記して、文章を書き出す。書いていると覚えるし、わかっている単語を延々書き続けると、誰にも負けない英語力が身に付きます。

 人間には2種類の人がいます。1つの言語を知る人と2つ以上の言語を知っている人。他人の言語を努力して学んで、文化の深さや違いに目覚めていくことができます。もう1つの言語を身に付ける側に入りましょう。

 学校教育を補う形で学習塾があるのは尊いことで、世界のレベルを見ながら教え、子どもの輝きを引き出す、これができるのは塾でしょう。親が発見できないことを発見するのが教師の仕事です。また、補習ですが、不得意なところも肯定感を持てるように伸ばしてあげる。できることを伸ばしてあげたら、将来があるし、それを発見できるのは、その先生だけだと思います。

 第3部は懇親会があり、実行委員長の内藤潤司氏が「在京8団体の先生方や関東支部の若手の協力で、一つの方向に向かって動けたことが財産」だと謝辞を述べ、およそ5時間半におよんだシンポジウムは終了した。

 なお、来年は北海道・東北支部の宮城県仙台において、開催される。

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