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中学・高校受験:学びネット

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2013/9 塾ジャーナルより一部抜粋

セミナーレポート 伊東塾に学べ!
ホスピタリティの精神で 顧客満足を常に意識した指導と経営

     

伊東塾(兵庫県豊岡市)
代表 伊東 俊幸さん

1975年、温泉地として有名な兵庫県・城崎温泉出身。同志社大学法学部卒業後、同志社大学大学院商学研究科修了。資格試験合格を目指すも、26歳で夢破れ帰郷。学生時代から携わってきた塾講師としての道を歩む。

 兵庫県豊岡市。伝統ある城崎温泉を内包するこの町は、都市部とは大きく離れており、受験熱もさほど高くない。その町で「外に目を向け、将来を見据えた大学受験を」と小・中・高の全学年にわたって指導しているのが伊東塾である。代表である伊東俊幸さんは生まれ故郷の城崎温泉で育んだ『おもてなし』の心を礎に、生徒や保護者の本当の満足を求め、毎日教壇で生徒たちの指導に当たっている。

大学進学の憧れではなく
将来のビジョンを
しっかり持った進路選択を

 過疎地域も含めれば、兵庫県内で最も広い面積を持ち、8万5千人の人口を内包する豊岡市。神戸や大阪などの都心から離れた地域性のため、地元意識が根強く、市外へ意識が向かない状態だ。

 大半が地域伝統高校への進学を目指すが、中学の内申点によってほぼ進学先が決まるため、高校受験に対する生徒たちの緊張感はあまりない。大学合格の高い実績を誇る地元唯一の私立校である近畿大学附属豊岡中学・高等学校もあるが、それでも進学熱は高まらない。その気風に一石を投じようと努力を続けているのが、伊東俊幸代表が率いる伊東塾である。

 高校受験はあくまでも通過点。その先にある将来のことを考える。そのために、次の進路=大学合格に向けて、生徒のモチベーションを上げていく指導を行っている。

 「私自身が大学にいた頃、時代はバブル崩壊、就職氷河期へと流れていきました。その時代を見てきたからこそ、単なる憧れでなく、将来何をしたいのか、具体的なビジョンを持って進路を選び、大学で資格やスキルを身に付けることが必要だと強く感じています。この厳しい時代を生きる生徒たちには、そうしたことをしっかりと教え伝える必要があるのです」

 教室は本部である豊岡と城崎で2教場。開塾当時の教室から今の本部教室に移ったのは6年前だ。

 元々、地域産業のひとつである鞄工場だった建物を全面リニューアル。物件の2階にある塾舎は、廊下の長さが30メートルはある大きさだ。木材むき出しの張天井で開放感を与え、各学年・学校に合わせた授業ができるように、複数の教室が用意されている。窓は大きなガラス張りで、自然採光を取り込み、外部からも授業の様子を見ることができる先進的な設計だ。

 移転前は30人前後だった塾生も、今では150人を超え、開塾当初に使っていた教室も再開校。出身地の城崎にも教場をひとつ構え、年々変化する教育内容に対応している。

 「きめ細かい指導ができるように、授業時間を増やしたり、内容にも工夫を凝らしています」

 伊東代表が生まれ育った城崎温泉は『おもてなし』の心を育む町。その心を基軸に、生徒や保護者に対して満足を与えられるよう、日々、さまざまな内容で指導を続けている。

一斉授業を中心にしながら
プラスアルファで
生徒に力をつける

 指導の中心は一斉授業だが、テスト前や授業で理解しきれない生徒をフォローするため、補習授業や時間延長授業など無料で指導を行っている。理解度を測るための宿題やテストも細かく行われ、正解には薄いオレンジで、誤答ははっきりとした赤でチェックされており、生徒が誤答にのみ意識を向けて、自分の間違いを見直すきっかけを作っている。

 「良い授業を行うのは、塾としては当然のことです。その中で生き残るには、プラスアルファの何かが必要です」

 そのひとつが、夏の集中学習会。勉強の面白さを経験させモチベーションをあげるため、教室から飛び出し、普段の授業では体験できないことを行うのだ。小学生から高校生まで全学年対象に、さまざまなカリキュラムが組まれ、私立校の先生や他塾の先生を招いての特別講義なども行う。

 学習会の他にも、保護者も対象とした教育講演会や大学見学ツアーなども行い、子どもに勉強することの意義を感じてもらう機会を作っている。

 将来の目標を目指していくには、どの生徒にも勉強に対する姿勢や目標到達のための指導を繰り返し行い、生徒の意識を高め続けることが必要だと、伊東代表の方針は揺るがない。

 「生徒の気持ちを塾に引き付け、素直に指導を受け、前向きに学ぶことができるように、生徒・保護者一人ひとりとのコミュニケーションが大切です」

 その工夫のひとつが手書きの手紙や学習の記録である。保護者からの連絡や相談一つひとつに対し、丁寧に伊東代表が手紙で返事を返す。丁寧な文面に保護者の信頼がさらに寄せられるのだ。

 また、生徒には学習の記録として、定期考査の成績やそれに対する本人・保護者・塾のコメントが直筆で書かれる。塾コメントに関しては、ただ点数を評価するだけではなく、今後どうすればよいのかを細かに記載するようにしている。

 さらには、講師による生徒の見送り活動や、日頃外側からは見えづらい塾の様子をホームページやFacebookを通して保護者に発信するなど、さまざまな方法でコミュニケーションを図っている。

 高校3年生は夏以降が本格的な入試対策になるため、塾生は土日も休みなく、毎日通塾してくる。

 「決して楽をして、成績は上がりません。つらい思いをしても、挫折しても、次につないでいく力、障害を除き、自分の道を切り開く力を身に付けられるようにしてやりたいと考えています」

 伊東代表の想いは、伊東塾のロゴの入った20ページにわたる入塾案内の冊子が伝えている。その中には厳しいことも含め、塾として入塾者に伝えなければならない代表の想いが細部まで記されている。無論、この資料を基に面談も行われ、伊東代表の考えた塾の方向性に同意した生徒のみ、入塾の許可が得られることになる。

●運営のポイント
受験熱の低い地域で、将来を見据えた指導
各種イベントを通じて、生徒や保護者のモチベーションを上げる
広く開放感のある塾舎で、生徒たちに快適で充実した学習環境を提供

●指導のポイント
時間延長授業や補習は頻繁に行い、生徒のつまずきをフォローする

●経営のポイント
さまざまな方法で生徒・保護者とのコミュニケーションを図り、ファンを作る
入塾関連の資料、特に塾の案内はしっかりとしたものを作成。塾としての方向性や考え方を伝え、顧客層を絞り込む

 

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