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2012/3 塾ジャーナルより一部抜粋

河野優の超〜塾長爆裂対談

第20弾:奨学塾優 塾頭 大塚 雄介

河野 優(こうの まさる)
[ 学習塾経営研究会 主宰 ]
大学を卒業後、大手通信メーカーに入社。そこで国際向け電子交換機のプログラム開発に携わる。30歳の時に、一身上の都合で地元に帰り、縁もゆかりもない場所で塾(開進スクール)を立ち上げる。塾を立ち上げた翌年より、学習塾ニュースの配信開始。現在の読者数は、約1100名。
その後、学習塾経営研究会を発足、全国の塾長のためのネットワークを構築。
主な活動には、千樹会(100人会の姉妹団体)代表幹事、学習塾経営セミナーの開催、100人会の主宰。塾ジャーナルに「1年間で生徒数100名に!」を執筆。

奨学塾優 塾頭 大塚 雄介:(滋賀県東近江市)

大学卒業後、資格浪人し、その後、鉄道会社に入社。その後、塾部門に配属となり、事業譲渡により2005年3月に独立。塾生26名からのスタート。夜遅くまでの指導や徹底した成績管理などで評判を呼び、現在1教室115名の生徒が通う。(115名の定員制)

河野(以下──) 早速ですが、先生の塾の特徴といえば、何といってもスマートボードなどITの活用ですね。

大塚 電子黒板を導入したのは、今から2年前です。もともとは、生徒の視線を集中させたいという理由からだったのですが、今ではそれ以上の効果も出ています。
例えば、私の塾では補習を行いますが、補習とはいえ、ほったらかしで問題を解かせるというものではなく、欠席した授業と同じ授業を行います。その際、同じ授業が簡単に出来るというメリットがあります。また、授業のない日でも再度繰り返し学習ができるようなっています。

 もう1つの効果は、授業の準備です。慣れていくと授業の準備に手を抜きがちになりますが、電子黒板ですと、そこはしっかりやらないとダメですね。ただし、データや資料などはパソコンデータが使えますので、その点は便利です。しかもテンポよく授業を進められることで授業の効率が上がりました。またノートを取るのが遅い生徒には、板書を印刷したものを渡すことで授業への集中も一層高まりました。

── では、電子黒板を導入してのマイナス面はありますか?

大塚 テンポ良く進めすぎると、かえって生徒の考える、理解する時間がないことがあり、デジタルだからこそ、アナログ面で気を付けなければならないことがあると感じました。他にもいくつも疑問点がありましたが、河野先生にご相談して、いくつもの壁を乗り越えることができ、本当に感謝してます。

── デジタルは便利ですし、理解を助けるものとは思いますが、もともと具体から抽象へと概念を広げていくことが勉強の1つなのですが、その部分を妨げることがあります。大学生でも何かあれば「検索」しますよね?特にwikipediaとかね。考える、覚えるということをせず、ともかく検索で答えを「探す」ということから脱するということですね。電子黒板の場合、この例は当てはまらないかも知れませんが、目から入ってくる映像というのは強烈ですので、実際に自分の頭の中で映像を動かす、もしくは理論や理屈を自分なりにまとめるということをしなくなる可能性はあります。また講師のスキルの問題ですね。教育の大量生産の得意な大手ならまだしも中小塾は指導力勝負ですので、そこを便利なツールを使うのは結構ですが、反面、だからこそ、自分の指導力をきちんとチェックし、向上させるという意識がないと機械に頼るだけになりますね。

大塚 確かにそうですね。

── その他に、どのようなことをされてますか?

大塚 生徒が自由に使えるパソコンを4台常備してます。それでDVD授業を見放題にしてます。先生のアピレク(講義映像)ですね。あと、スカイプを使っての指導も行っています。

── それはカリキュラム管理などは特にしていないのでしょうか?

大塚 授業で分からないところや、理解不足の単元について見るように指示する感じですね。スカイプも外部に開放しているわけではありませんので、自習時に分からないところがあれば、塾のバイトスタッフで時間がある者がスカイプで対応出来るという感じです。

── 個別部門もお持ちですが、何か特徴はありますか?

大塚 強いて言うと講師に京大生など高学歴の者ばかりということでしょうか?京都ですと、京大生は当たり前なのですが、滋賀だと、そこはウリになるようです。個別の場合、私が直接、全ての生徒に相手をすることは不可能ですので、それなりに任せられる講師を用意することが一番重要だと思います。

※塾全体の約5割を占めるまでになった個別指導塾は、もう「特別」な形ではありません。
今後は、個別塾の中での「差別化」が必要になります。一番分かりやすいのは、講師による差別化です。特殊な講師だけを集める、強みのあるところだけ指導するということがまずは最初になります。他塾の講師が地元大の学生だけというところに、ハイレベルの学生を入れるというのは、まさに差別化となります。

── さて今年の集客についてお尋ねしたいのですが、順調ですか?

大塚 今年は、まだ直接動いてはいません。この辺りは、無料や割引のオンパレードなんですね。

 そのため多くの個人塾が苦戦しています。私の塾では無料体験期間を長くしたものを春に一回行うのですが、昨年は、それで約20名の新中1が集まりました。やはり大手の無料というのは、かなりインパクトがあります。なめて安心していると取られますね。とにかく最初に自塾の門をくぐってもらうことに特化したチラシを打ち、それからという感じです。

── 昨年の春の集客は好調でしたからね。今、大手塾も差別化が難しくなって、差別化する要因は主に科目数・通塾回数(時間)・価格それらのソフト要因と、内装・外装・設備というハード要因しかありません。根本的にサービスそのものを変える、特化するという方向は出来ない状況になっています。これは、「優」にとってはチャンスだと思うのですが、今後、どのような方向に塾をもっていきたいと思っていますか?

大塚 自塾がこの地区でどう思われているか?といえば、「厳しい塾」です。とにかく出来るまで「やらされる」とか、あそこに入るとトコトン鍛えられるというイメージのようです。中には、子供に「そんなに勉強しないなら『優』に入れるぞ!」と言う保護者の方もいらっしゃるようです。(笑)私の塾は、大きい塾ではありませんのでハードでの差別化というのは無理ですし、価格も下げたら経営出来ません。(笑)特に方向性という程のものではありませんが、「面倒見」を全面に押し出して地域の支持を頂きたいと思っています。そのため115名を定員にしていますし、私が責任を持って見れる数がそのくらいなのでそれ以上は、ちょっと厳しい。とにかく1人ひとりをしっかり面倒みることで、満足度を上げていきたいと思っています。

── 115名に固定しているとどんどん衰退していく可能性もありますよ。(笑)

大塚 多店舗をする気はありませんが、最終的には150名くらいにしたいと思っています。ただ今までと同じ効果とか満足度のままとなると、今すぐは出来ません。ただしIT関連をうまく使い、スタッフを増強すれば可能と思っています。また生徒の中には遠方の者もいますので、彼らの利便性を高めるという意味においても、IT化をもっと進めたいですね。

── 同じ効果と満足度とのお話がありましたが、先生の塾では色々なイベントとかもされてますか?

大塚 小学生に対しては、毎週行っています。理科実験をやったりディベートをしたりしてます。

── 毎週となると大変だと思いますが、その辺りの対策というか準備はどうされてますか?

大塚 あまり大掛かりなことをしないことですね。(笑)最近は、理科実験も色々なキットが売られてますので、それらで対応します。またディベートなども、やり方を決めていればネタはいくらでも見つかりますので、思ったよりは簡単に出来ます。それよりも、ともかく「量」をこなそうという感じです。イベントは大手塾では、大掛かりにしますので、それほど数は多くありません。一方、個人塾はイベントそのものをやりません。そこで簡単でも毎週しようということにしたのです。

※「優」は、小学生が非常に多い塾ですが、その秘密は、毎週のイベントです。小学生はテストや受験などの目標設定の難しい生徒が多く、どの塾も苦労しています。しかしイベントは、子供も保護者も見て分かるものです。塾の特徴を可視化出来る塾は少ない中で、非常にインパクトがあります。集客ツールとして使うだけでなく毎週することで、他との差別化にまでもっていったのは、かなり有効な戦略と思われます。

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