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中学・高校受験:学びネット

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2011/3 塾ジャーナルより一部抜粋

『価値組』学習塾になるNo.1戦略

第6回 価値を知らしめる

大咲 元延 (おおさき もとのぶ)
学生時代からはじめた英会話教室を経営するなかで数多くの取り組みを実践し、独自のノウハウを確立。さまざまな業種の中小企業の開業・経営・集客などのコンサルティングを行う一方、年間50回を越す講演会やセミナーで全国を回っている。中小企業診断士、書店経営者。趣味は、合気道、遊書。 著書は「小さなお店でガッチリ稼ぐ法」ほか。
URL: http://www.oosaki-k.com/

無料の広告「パブリシティ」

 今まで「価値」を持つことの重要性と活かし方についてお話してきました。しかし、そういった「価値」は、お客様に知らしめてこそ意味があり、売上につながることで企業は生き残ることができます。

 中小塾は、大手のように、多額の広告宣伝費をかけることができません。そこで活用したいのが、パブリシティです。これは無料で新聞や雑誌、ミニコミ誌、テレビなどに記事などで掲載される、非常に効果的な販促方法です。

情報を提供する

 ある学習塾でこの提案をしたところ、「新聞や雑誌に載るには、多額なお金がかかるんだろう」と言われたことがあります。確かにそういったものもあります。しかし、その何倍もの量で、無料のパブリシティが存在します。ミニコミ誌や雑誌、新聞の記者は、日夜ネタ探しに奔走しています。何か目新しいことはないか、面白いことをしているところはないかと自分だけのスクープを狙っています。

 そういった記者が好む情報を提供すれば、案外簡単に記事にして掲載してくれます。これは情報番組が多くなっているテレビ局でも同じです。

テレビのニュースで紹介

 以前、私は英会話教室を経営していました。そこでは、徹底的にマスコミ活用をしました。私の教室では、小学生と中学生で英語のスピーチに力を入れていました。毎年秋に全校生徒が出場するスピーチコンテストを実施していました。地元のテレビ局に取材依頼をしたところ、当日、カメラマンと記者が来てコンテストの模様を撮影していきました。そして、夕方のニュースでコンテストの模様が紹介されました。

 当時は、小中学生が英語のスピーチコンテストをしているところはないため、テレビ局としては、ニュースバリューがあると考えたのだと思います。教室の生徒や親は大喜びだし、その後の生徒募集に良い影響が出たのは言うまでもありません。

ギブ・アンド・テイク

 パブリシティは、単に「無料だからお得」だけではありません。記事が記者の目で書かれているというメリットのほうが大きいといえます。高額の宣伝費をかけていいことばかり書かれている広告より、第三者が書いた記事の方が、読者の信頼が厚くなるのは当然のことです。

 一度取材に来た記者とは仲良くなっておいて、それ以後も随時情報を提供するようにします。ただしいつも自社の宣伝ではなく、地元のイベントなどの情報提供をするといざという時に力になってくれます。ギブ・アンド・テイクが必要です。

ニュースリリースを流す

 マスコミ活用方法は、いたって簡単。FAXでニュースリリースを流すだけです。それには、タイトル(一口で言うとどういったことなのか)、内容、期間(または日時)、連絡先、担当者名。最後に、当社に取材に来てほしいのか、電話取材でいいのかを明記します。ただ取り上げるかどうかは相手次第です。

 内容としては、他では見たことがない新規性が要求されます。また、一度に同じものを同業のマスコミに送るのではなく、連絡がなければ、一定期間を置いて送付するのが良心的です。地元に密着したことを熱心にやっていることを訴えれば、取り上げてくれる確率は高いようです。

看板は眼に入るか

 周りに知らしめるということでは、教室前の看板は非常に重要です。一度玄関を出て、道の向こう側から自分の塾を見てください。遠くからでも視界に入るでしょうか。

 このシリーズの第2回「限定した範囲で戦う」でもお話ししたように、中小の塾の商圏はそれほど広いものではありません。塾の前の通りを、潜在顧客である生徒や保護者が通行している可能性は大きいと考えます。看板やポスターは、この人たちの潜在意識に残るものでなければいけません。

看板には何を書けばいいのか

 以前、ビル3階にある個別指導塾が1年もたたずに撤退してしまったことがあります。地下鉄の駅前しかも通行量の多い交差点の角にあるビルであるにも関わらずうまく生徒が集まらなかったのです。窓面広告には、いろいろなうたい文句や成果、キャッチフレーズが事細かく書かれていました。でも肝心なことが抜けていました。自分の良いところばかりをのせて、お客様の立場にたったフレーズが書かれていなかったのです。

 ビル3階では、人は書いてあることをじっくりと読むことはありません。といって、知名度もない塾名を大きく書いても、塾の存在は認識できても入塾しようとは思いません。

 ここに書くべきものは、@当塾に通うと、その生徒にとってどういうメリットがあるのかということ。これはどのような成果を保証するかということです。Aどういった人が指導しているのかということ。教育はつまるところ人と人との関係でその成果に違いがでます。この2点を明確な切れのいい短文で書きます。あと詳しいことはパンフレットやチラシ、または説明会などですればいいのです。
看板に眼をやるのは0.2秒から0.3秒だといわれています。その瞬間に、自分にとって関係があるかどうかを人は分別します。関係がないものは、目の前にあってもその看板の存在を確認することはありません。

保護者の立場に立った案内板

 玄関または塾入口の横に案内板を設けているところも多いと思います。さまざまなお知らせや、塾の案内などを貼付して、塾生だけでなく、通行する人への宣伝の役目をしています。これを見るのは、かなり塾に関心のある人です。あとひと押しがあれば、入口から入ってくる人です。経営者にとってはなんでもないと思うかもしれませんが、他の人からは塾の敷居は高く感じるものです。それが、経営者とお客様の目線の違いです。

 入口横の案内板に掲載していただきたいものは、塾内の風景写真と指導する講師の顔写真です。保護者にとっては、どういった場所でどういった人が教えているのかは、最低限知りたいことです。説明会を聞きに来るのも、この2点を確認したいからです。これを見ることで人は安心します。

 もうひとつ掲載していただきたいものは、教室が発行しているニュースです。これは講師や経営者の生の言葉が書かれているものであることが重要です。これを読むことで、指導している人がどういった気持で生徒に接しているのかを感じることができます。これら3点が敷居をグンと低くしてくれます。

小冊子という口コミ媒体

 チラシや新聞広告は、宣伝効果はスグ表れます。しかし、忘れられやすいという性格を持っています。短期決戦の宣伝媒体といえます。長期的な眼をもった媒体としては、本の出版があります。長い間手元に置いてくれ、内容が良ければ知り合いの間で回し読みをされたりします。

 といっても、本の出版は自費出版でない限り簡単なものではありません。一流出版社からの出版の可能性は限りなくゼロに近いと考えて間違いありません。そこでお勧めするのが、小冊子の発行です。

 小冊子といっても、コピーしたものを束ねたものから、ちゃんと印刷して製本したものまであります。私がお勧めするのは、製本したもので、一見して本と確認できるものです。数十ページもあれば十分です。最終ページに、奥付という発行者や発行年月日、版権者などを書いて、本の体裁を整えます。ページ数にもよりますが、100部作っても数万円でできます。簡単安上がりな自費出版です。

 これを説明会や相談に来られた方の中の希望者に差し上げてください。口コミ発生の最良の材料になることは間違いありません。書き方などにつきましては、紙幅の都合からまたの機会にします。
今まで数多くの学習塾、進学塾の相談を受けましたが、どこの塾も例外なくピカリと光る価値をもっておられました。ただそれに気がついていない経営者がおられたのが残念でなりません。自分の塾の価値に気付き、それを磨きあげ、その上でどのようにして人に知らしめていくか。今年の課題にされてはいかがでしょうか。

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