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2010/9 塾ジャーナルより一部抜粋

数学を学んで「知の財産」を貯めよう!

 

財団法人日本数学検定協会  松本 精一

 
 

今回は、実用数学技能検定「数検」6級から8級の2次:数理技能検定の問題から、正答率が低い問題を選びました。それでは、各階級の問題を見ていきましょう。

 6級は割合の問題です。割合は小学5年で学習しますが、小学生のみならず中学生でも正答率が低くなります。(1)は比べられる量を求める問題で、

比べられる量=もとにする量×割合

を計算すれば求められます。割合は百分率で表されていますので、小数に直さなければなりません。この問題はよくできていました。

(2)は何%引きかを問う問題です。定価1200円の手帳が780円で売られていたのだから、

1200−780=420(円)

引かれていることになります。定価をもとにすると、この割合は 

420÷1200=0.35

となって、35%引きであることが分かります。

780÷1200=0.65

と計算してしまう間違いが多く見られますが、何%と何%引きは異なるということを認識させる必要があります。統計資料を正しく読み取るために、割合の知識が必須です。統計は様々な場面で表れますので、割合に慣れておくことが大切です。
7級は、逆算をして答えを求める問題です。(1)はある数に1.8をたしてから,2.5をかけて8.25になったのだから、逆算すると

8.25÷2.5−1.8=1.5

となって、答えが求められます。また、□を用いて

(□+1.8)×2.5=8.25

として、□にあてはまる数を求めてもよいでしょう。逆算的な考え方は社会に出てからも様々な場面で必要になります。

(1)、(2)の正答率を比較すると、(1)で正答に達した受検者のなかにも、(2)を間違えた受検者がいることが分かります。(1)ができれば(2)は簡単ですので、計算間違いには十分気をつける必要があります。

8級の(1)は正方形の面積を求める問題です。1辺が6cmと分かっているので簡単なはずですが、正答率はそれほど高くありませんでした。他の検定回で1辺6cmの正方形の面積を求める問題を出題したところ、正答率は87.3%でした。単独の出題ではほとんどの受検者が正答に達しています。複合的な問題では必要な情報を選び出す力が必要です。

(2)はもとの長方形の横の長さが

60÷6=10(cm)

で求められ、正方形の1辺が6cmと分かっているので

10−6=4(cm)

となります。この問題はいろいろな要素が絡んでくるので、見通しを立てながら計算していかなければなりません。
(2)ができれば、(3)はそれほど難しくありません。

今回扱った問題で正解を得るためには、問題文を正確に読み取り、どのような順序で計算をすすめればよいかを考えることが重要です。与えられた数値を闇雲に計算しても正解は得られません。

単元別の練習問題では与えられた数値を、決められた式に代入すれば答えが得られるものが多いのですが、今回の問題のような場合、得られた答えを用いて更に計算を進めるという訓練が必要です。そのためには、解答を得るためにどのような数値が必要か、それをどうやって計算によって得るかという、逆算的な考え方が必要になります。このような点に気を配って指導していただきたいと考えています。

 

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