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2010/9 塾ジャーナルより一部抜粋

河野優の超〜塾長爆裂対談

第11弾:金岡学習サークル 塾長 楢原 貴士

河野 優(こうの まさる)
[ 学習塾経営研究会 主宰 ]
大学を卒業後、大手通信メーカーに入社。そこで国際向け電子交換機のプログラム開発に携わる。30歳の時に、一身上の都合で地元に帰り、縁もゆかりもない場所で塾(開進スクール)を立ち上げる。塾を立ち上げた翌年より、学習塾ニュースの配信開始。現在の読者数は、約1000名。
その後、学習塾経営研究会を発足、全国の塾長のためのネットワークを構築。
主な活動には、千樹会(100人会の姉妹団体)代表幹事、学習塾経営セミナーの開催、100人会の主宰、その他、個人塾の経営、及び、販売支援など。
金岡学習サークル 塾長 楢原 貴士:
大学生時代より非常勤講師で中学受験と高校受験コースを担当。 その後、商社に勤めるも、半年で退社。予備校で大学受験の地理を担当する。 2003年に自分の理想の塾を作ることを決意し、大阪府堺市にて開塾。 現在250名の生徒が在籍している。(大阪府堺市)

河野(以下──)今回は、千樹会の古参メンバーでもある楢原先生です。早速ですが、今年の夏の状況はいかがでしたか?

楢原 新規生は、皆さんほどではないかも知れませんが、個別の売り上げが、かなり伸びました。過去最高です。

── それは、おめでとうございます。(笑)何か、今年仕掛けたこととかありますか?

楢原 特別ありませんが、紹介システムをきちんとやろうということで、豪華な招待状を作成しました。
また、紹介者と紹介された人の双方に特典を用意しました。

── なるほど。以前、某大手が、結婚式の招待状のような、かなり豪華なものを作ったことがありましたね。

楢原 本当ですか?!それは考えましたね。

── ところで先生の塾は、総合塾ですが、どの部門が順調ですか。やはり個別でしょうか。

楢原 個別ですね。先ほど言いましたように、過去最高の売り上げです。まだまだ個別は伸びると思います。
今年の傾向をみてみると、大手を含め、一斉指導の塾は、厳しい状況にあったようです。そのため価格を下げて(一部地区では、0円)の夏期講習も多かったのですが、それでも思ったように集められていない塾もあります。
子ども手当ての風も、地区によっては、思ったほどは吹かず、結局、地域に信頼されている塾、ニーズを掴んでいる塾に(大手塾、個人塾に関わらず)顧客の支持は集まり二極化が進んだようです。

── 私は、個別の場合、夏期講習を無くしてもいいかもと考えているのですが。

楢原 それは、コマ数を増やすということですか?

── そうです。もともと「個人別」が、個別の主旨ですから、一般的な教材ではなく、例えば個人別に弱い単元を復習する、そのためにコマ数を通常授業の延長で増やすということも可能でしょう。その方が、私の感覚では、9月からの通常でもコマ数が自然に増えやすい気がしますね。

楢原 なるほど、9月以降のことも考えての戦略ですね。

── 夏期は、9月以降に生徒がそのまま残ってくれないと、あまり意味がないですからね。
それにしても、楢原先生の塾は、激戦区でありながら順調に伸びてきていますね。

楢原 ありがとうございます。とはいえ、2007年には、私の塾の真横に地域No1塾が開校しまして、かなり苦戦を強いられました。

── 本当に隣に塾が出ましたよね。(笑)その塾との差別化ということで、注力したこととかありますか?

楢原 一番は、定期テスト対策ですね。とにかく学校のテストと順位を徹底的に伸ばすということを念頭にかなり厳しい対策授業を行いました。中3生なら特別授業だけで20コマ近く行います。
そのため、上位層だけでなく、中間層と言われる生徒たちも非常によく伸びています。
明らかに見える形で、成績向上を出すということでは、成功したと考えています。

── 確かに大手塾のテスト対策は、「どの学校にも合わない」ものになりがちですね。
そのため、最近では、大手塾なのに1中学校1塾システムを取り入れて店舗展開をしたりしてますからね。

楢原 大手も個人塾と同じような戦いになってるんでしょうか。

── ありがたいことに・・(笑)

楢原 ついでに、その後の話もしますと、2009年には、リーマンショックもあり、大阪の下町のような地区ですので、そのあおりは、もろに食いました。ただ価格は、下げずにどうにか、頑張りましたが。
他塾が何をしているか調査して、さらにどんな良いサービスを顧客に提供出来るかと考えています。

── 偉い!(笑)価格を下げることは、誰でも出来るので、最後の最後ですね。また、絶対値としての価格に 反応する人も多いですが、相対的な価格・・つまりは、お買い得感があれば、価格が高くとも買ってくれます。
月謝の10倍の価値を出せ!と私は、いつもスタッフに言ってます。

楢原 それは厳しい?!

── いや、当然、地区によって出せる「絶対範囲」はありますし、何よりも「やっていること」よりも、「その目的」が大切でしょ?もともと、塾は、「受験」という選抜制度があるため存在しているわけです。
それなのに、例えば全員入学出来るような地区で、高いだけの月謝は、ダメでしょう。

楢原 では、河野先生は、今後のトレンドとか、塾の動向のようなものをどうお考えですか?

── この紙面で全部書くことは、難しいのですが、簡単に言えば、公立高校の入試が色々な意味で簡単になる中では、今まで通りの公立中学生を集めて、公立高校の受験のための塾というのは、厳しくなりますね。
ただ県下No1の高校とか、大学合格実績が、非常に優秀な高校への合格を目指す場合は、例外ですが。

楢原 大阪では、入試制度が変わり、重点校も出来て、公立高校は、現在、生き残りに必死ですね。 先日も、公立高校の校長先生が、私の塾を訪ねてくれましたが、このようなことは、過去なかったですね。
結局、学区が大きく4つに再編成されたので、地域No1の高校以外は、非常に厳しくなるということらしいです。

── 今後、そのような動きは、全国に広がるでしょうね。公立中高一貫校の出現、そして学区の再編成、重点校の制定など、塾の環境に大きく係わる変化がおきています。
また東京都では、重点校とするための基準も発表され、いよいよ公立高校も二極化する方向になっています。
学習塾として、どの方向に進むのかで、今後の成長は、大きく変わることになるでしょう。

── さて、先生の塾では、以前から様々なコンテンツを自作されていましたが、それは今でも続いてますか?

楢原 今でも使っています。黒板に書く時間を短縮した圧縮授業は、今でも健在です。(笑)

── 今は、スマートボードなど学校でも使用しているようですが、子どもたちの評判はどうですか?

楢原 上々ですね。私の塾のスタイルを見てもらえたら、ほぼ全員入塾すると自信があります。
また小冊子なども、色々と作成しています。これらも、評判は上々です。

── 小冊子は、塾長のスタイルや、考え方などを知ってもらうには、よいツールですね。
あと、先生は、大阪でPEN大阪(大阪民間教育ネットワーク)を主宰されてますが、これの活動はどうですか?

楢原 毎週、水曜日に会議をして、色々と教務・集客・経営などの話をしています。
私にとっては、非常に勉強になる会です。会員も増えてますし、ますます元気な会になっていくと思います。

── 一緒に何かイベントを開催したりしてますか?

楢原 イベントの大切さは、十分理解してますので、話はしてるのですが、日程調整が非常に難しいですね。
しかし、まず塾が地域の方々にどのような活動が出来るのか?ということに関して言えば、それはイベントを通して見てもらうのが一番と思っています。いま考えているのは、公立高校を集めての入試説明会ですね。
実は、中学校でも、高校のパンフをもらうのですが、見ている生徒は、ほとんどいません。
子どもも保護者の方もパンフよりも、生の情報に接したいと思っているはずです。そのような機会が作れればいいなと 考えています。

── 公立高校の説明会なども、面白いかもしれませんね。

楢原 ちょっと考えてみます。

── さて、最後に今後の塾の展開などをお聞きしたいのですが・・。

楢原 まずは、小学生をどうにかしたいですね。また障害児教育にも興味がありまして、その方面にも力を入れていきたいです。

── 知的障害児教育ですか?

楢原 そうです。個人塾には、大手塾と違い、様々な成績の層の生徒たちが集まります。
大手塾は入会テストがあり、それに合格した一定の学力をもった生徒たちが集まります。
そのため授業は、当時は、やりやすかったのですが、個人塾ではそうはいきません。
なぜ勉強しないといけないのか?というところから始め、机に向かう姿勢作りから指導を始め、自分を成長させることの大切さなどを知ってもらったり、やればできるということを実感してもらって自信を持たせたりなど授業をする以外にしなければいけないことがたくさんありました。
生徒にしてあげられることをいろいろと勉強しているうちに、知的障害のある人たちの支援をしている人や、団体と知り合う機会があり、それ以来障害児教育にも興味を持ち始めて勉強させて頂いてます。

── そうなんですね。では、小学生は?

楢原 中学受験ですね。(笑)もちろん、非受験の生徒も大事です。多くの子どもたちを指導していて思うのは、とにかく小学生時代が一番大切だということです。先ほどの小冊子も、小学生向きに「10の力」というものを作って、小学生時代に伸ばしておきたい力や能力を定義していますし、保護者向けに様々なセミナーも実施しています。

── 地域に対する啓蒙活動ですね?

楢原 そうです。塾は、サービス業で、合格させることが最終目的ということに異存はありませんが、やはり他塾との違いは教育に関する考え方だろうと思います。自塾の哲学といいますか、やりたいこと、目指す方向、世界を地域の方に、もっともっと知ってもらうことが大切かなと考えています。
── それは、頼もしいお言葉です。本日は、どうもありがとうございました。

楢原 ありがとうございました。

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