〜通信制高校のイメージを変えた〜
クラーク記念国際高等学校 横浜キャンパス
通信制高校というと、登校に不安のある生徒や勤労学生のための学校という印象があったのではないだろうか。そんなイメージを払拭する教育を行っているのが、クラーク記念国際高等学校だ。キャンパスには屈託なく笑う生徒の声が満ちあふれている。進学実績の高い横浜キャンパスは今春、過去最高の入学者を迎えた。この明るさと人気の秘密はどこにあるのか。転入生の声も含めて取材した。
「夢を実現させたい!」
前向きな気持ちで転入
クラーク記念国際高等学校横浜キャンパスに通う2年生の田中茉豊(まほ)さんは、1年次の1月末に転入。転入理由は、私立高校の先生との相性が悪く、「だんだん疲れてきてしまったから」と田中さんは話す。しかし、理由はそれだけではない。将来の夢に向かって全力を尽くしたいという強い思いが田中さんを動かした。
田中さんは3歳からクラシックバレエを始め、多い時は週6日レッスンに通っている。夜10時まで踊ることもざらで、舞台やオーディション、コンクールの予定も詰まっている。以前通っていた学校では、練習時間を確保するのが大変だった。
本当にやめていいのか迷っていたが、「優柔不断では何も解決しない、今、動かなければ」と、転入を決意。数ある通信制高校の中でクラークを選んだ理由は、「友達同士が仲良く、先生とも楽しそうに話していたから」と言う。
登校初日は緊張するものだが、「元々マイペースな性格なので、『どんな子がいるのかな〜』と楽しみにしていたのですが、逆にみんなが話しかけてきてくれ、すぐ仲良くなれました」と田中さん。今では友達と映画や買い物の話をしたり、お弁当を食べたりといったキャンパスライフを満喫しつつ、夢の実現のために邁進している。将来はバレエ科のある大学への進学を希望しており、バレエのプロを目指している。
「高校生活を楽しみつつ、勉強もする。大変なことも多いのですが、今できることを少しずつやっていきたいです」と語ってくれた。
大学進学に高いニーズ
私学からの入学増える
通信制高校の人気の高まりについて、横浜キャンパス長の栄永昌宏先生に話を伺った。
「以前の高卒資格を得るだけの教育ではなく、カリキュラムが多様になり、それぞれの学校で独自のスタイルを打ち出してきたことが評価されているのではないでしょうか」
同校は海外留学をはじめとするさまざまな行事や、資格取得などの特色を打ち出し、差別化を図っている。しかし、アンケートを実施すると、一番保護者のニーズが高いのは「進学実績」だと言う。
横浜キャンパスでは「難関大学現役合格コース」を設定。7、8限授業を行っているほか、土曜日は現役予備校講師による受験指導も行っている。進学実績ではこの春、早稲田、青山学院、立教、中央などに一般入試で合格者を出した。AO入試合格者も多いが、一般入試での合格も増えているのも最近の傾向だ。そのため、難関大学進学を目指して、同校を選ぶ生徒も増えているという。
今年の新入生は161人で、横浜キャンパスの過去最高を記録した。そのうち15%は私学出身者。1組(特進クラス)に至っては35%に上るという。しかも、今年は初めてクラークに生徒を送り出す私立も多かった。「本校の認知度が私立の先生方にも広まってきたことを感じました」と栄永先生。
大学進学と、進学だけではない夢の実現。その両方を叶える機関として、通信制高校への注目度は今後も高まっていくだろう。
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