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2010/1 塾ジャーナルより一部抜粋

数学を学んで「知の財産」を貯めよう!

 

財団法人日本数学検定協会  松本 精一

 
 

 今回は,各階級とも教科書では扱っていないような問題を取り上げました。しかし,すべて階級相当の知識で解ける問題です。問題文をよく読んで,文意を正確に把握することが必要です。

  問題1の(1)を整理すると,右の図のように重いほうからB,C,Dの順になることが分かります。(2)からA,E,Dの順になり,(3)からBがAとEの間に入ってくることが分かります。CとEはどちらが重いのか分かりませんが,ともにBとDの中間の重さです。

 (1),(2)の図から,いちばん軽い荷物はDであることが分かります。(1),(2)に(3)を加えて,2番めに重い荷物はBとなります。

 7級の正答率は,(1)は70%,(2)は60%を超えていますので,7級受検者にとっては標準的な問題だったようです。しかし,8級では(2)の正答率がおおよそ50%と,8級の受検者にとっては,やや難しい問題となりました。

 正答率の違いから,階級が上がるに従って受検者の学習が進んでいる様子が見えます。

 問題2は数直線を用いて考えると分かりやすいのですが,算数・数学で使う数直線とは異なり,原点0がありません。

  右の図のような短い期間の数直線で考えると,紀元前1年は西暦5年の5年前です。また,紀元前5年は西暦5年の9年前です。これを活用すると,(1) 紀元前1年は西暦2009年の2009年前です。また,(2)紀元前450年は西暦2009年の,2009+450−1=2458(年前)です。

 複雑な問題も,単純化して考え,それを応用すれば比較的簡単に解けることが分かります。モデル化の一例です。数値が大きかったために,そのままでは扱いにくかったのでしょう。5級受検者にとって難問になり,正答率は低くなりました。

 問題3は,実際にテープを折って,切ってみれば分かり易いのですが,検定中はそれができません。ですから,まず1回折り,2回折りを考えると理解しやすいと思います。問題2と同様に簡単な場合から複雑な場合を導くことが,この問題の主旨です。

折る回数

重なっているテープの枚数

切り取り線の数

できるテープの本数

1回

2枚

3本

2回

4枚

5本

3回

8枚

9本

 考え方は次のようになります。1回折りの場合,テープは2枚重なった状態になっているので,それをまとめて切るとテープの2か所を切ることになります。2か所を切ると,植木算の考え方から3本のテープになることが分かります。同様に,2回折りでは4枚重なった状態になって,4か所切ることになり,テープは5本になります。同様に考えて,3回折りではテープは9本になります。

 3級・4級とも正答率は30%台でした。もともと空間図形の問題の正答率は低いことが多いのですが,この問題の場合さらに頭の中でテープを折り曲げるという作業をしなければならないので,上手に考えられる受検者が少なかったようです。

 これらの問題が理解できるかは,普段学習するときの態度と密接な関係があると思われます。問題を読んで解き方を覚えるだけでなく,自分で問題の趣旨を理解し,自分の考えで内容をまとめ,どの知識を活用して解くかを見極めるという作業をいつも心掛けているかが問われます。場当たり的に解法を暗記するのではなく,理解を深めるような学習習慣を身に付けてもらいたいと思います。

 

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