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中学・高校受験:学びネット

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2010/1 塾ジャーナルより一部抜粋

子どもたちのためを考えるからこそ 私たちは私学受験を選択する
受験生を持つ親の本音座談会

     
国立・公立中高を多く抱え、自然に囲まれた環境を持つ大阪府箕面市。中央の繁華街から電車で10数分ながら、閑静さが人気だ。この町出身で、自らも公立学校出身の保護者の間で、子どもの私立学校受験が静かなブームになっている。彼らは公立校に対してどのような意見を持ち、子どもの私学受験を決めたのか。なかなか聞くことができない親たちの本音を覆面座談会という形で実施した。

【覆面座談会 参加者】

Aさん〔専業主婦〕
小学6年生(女子/公立)・小学2年生(男子/公立)を持つ39歳の母親
箕面市出身/現宝塚市在住・ご主人は公務員

Bさん〔モダンバレエ講師〕
中学3年生(男子/公立)・小学5年生(男子/公立)を持つ41歳の母親
箕面市出身/現大阪市在住・ご主人は会社員

Cさん〔専業主婦〕
小学6年生(男子/公立)・幼稚園年長児(女子/今年度末卒園予定)を持つ41歳の母親
箕面市出身/現豊中市在住・ご主人は医師

Dさん〔弁護士〕
中学2年生(男子/公立)・小学6年生(女子/公立)を持つ41歳の母親
豊中市出身/現大阪市在住・ご主人は弁護士

Eさん〔専業主婦〕
高校3年生(男子/私学)・中学2年生(女子/私学)・小学6年生(男子/公立)を持つ43歳の母親
池田市出身/現川西市在住・ご主人は会社員

Fさん〔公認会計士〕
小学6年生(女子/公立)・小学1年生(男女双生児/私学・公立)を持つ41歳の母親
箕面市出身/現箕面市在住・ご主人は税理士事務所所長

Gさん〔専業主婦〕
小学6年生(男子/公立)を持つ36歳の母親
箕面市出身/現宇治市在住・ご主人は会社員


地域でレベル差のある公立中より
不公平感のない私学へ進学を

── 受験年度を迎えたお子さんをお持ちの母親ということで、本日は本音で語っていただきたいと思います。まず、私学受験を考えられたきっかけは何でしょうか。

 私たちは全員同じ高校(大阪府立M高校)の出身で、今も連絡を取り合っている仲です。今年、うちとDさん、Fさんの娘が同じ年齢で、3人とも通える場所に良い私立女子中学があると聞いて、そこを娘に勧めたんです。

 宝塚〜大阪〜箕面間は同一沿線(阪急電車宝塚線)ながら市が異なるため、公立中ではレベル差が地域によって出ますが、私立中ならそういった不公平感はないでしょう。

 それと、Eさんの上の女の子がすでに通っているため、内部の情報をいろいろ教えてもらえて、子どもたちも興味を持って、受験勉強に取り組んでいますね。

 上の子の中学受験のときは、私立の女子校にこだわりました。コースや資格も大事だけれど、やはり女性としての基本の躾を自然に学ばせたいと思ったので。今年は下の男の子が中学受験で、志望校は息子本人が決めたのですが、私立なら校区関係なく、自分の行きたい学校を目指せるため、モチベーションは上がっているようです。

 うちは上の男の子が地元の公立中学へ進学したのですが、今年、本人が志望している難関高校を受験するには、現在の中学で首席をとっても難しいと言われたんです。それで実際のところを担任の先生に聞いてみたら、至極簡単に『努力すればできますよ』と言われて。どっちが本当かわからないので、模擬テストを受けさせたら、もう、言葉にできないくらい散々でした。

── 失礼ですが、学校では勉強ができるほうの生徒ですか。

 そうなんですよ。学校のテストではほぼ満点に近い成績です。なのに、五ツ木模試では偏差値が51。B判定の一番下のラインですよ。これでどこをどう見れば、『頑張るだけで合格できる』と言えるのかと。それで塾を変えて、そこの講師に聞いたところ、やはり息子の通う公立中学校のレベルが全体的に低いということでした。そのため、今は大手塾の最高レベル特訓コースと別の塾の個別指導など、複数の塾へほぼ毎日通っています。

 個別指導って、かなり高額のところが多いですよね。

 ええ、総額で私立中学の学費以上。でも、金銭的なことよりも、本人の精神的負担が大きいのが可哀相で。ですから、その失敗を踏まえて、下の子は私立中学受験で良い環境を与えてやりたいと、上の子とも話しています。

 Bさんの気持ちわかります。うちも上の子は公立中学で、進学のために塾通いしていますから。ただ、おかしいと思うのは、歩いて10分くらいのところにある別の公立中学との学力レベル差が非常に大きいということなんですね。

── 大きいとは、どのくらいですか。

 大阪は非常に公立高校が多くて、うちの学区では30近い高校があったと思うんです。隣の公立中学は、その最難関高校への入学生を毎年出しているのに、うちの息子の公立中学では、上から数えて10番目くらいに合格するのが精一杯。また、公立私立合わせた高校への進学率もあちらは100%近く、うちは80%そこそこ。同じ公立中学でここまで差が大きいと、担任の言うこともさすがに信頼できません。かと言って、越境は法律の壁が厚いし…。

 うちは京都ですが、公立中学同士ではそんなに差がないみたいですね。それで中学は公立、高校は私立へ進学するパターンが多いです。ただ、私自身が高校受験で苦しんだ反動が大きく、3年後の大学受験で息切れした人間なんです。『3年ごとのスパンでの受験はつらい』と思って、6年一貫制の私立中学受験を決めさせたんですよ。

 母親が疲れたことは、子どもにさせない、と(笑)。

 そう(笑)。でも、皆さん自分が高校生の時って、息切れしませんでした? うちの公立高校、大阪北摂地域では結構レベル高かったですよね。

 しました(笑)。高校1年の時のテストの点数かなりひどかったですよ。でも、よく考えると、あの頃から、いくら悪い点数でも追試で帳尻合わせて進級させるだけで、本当にわからない部分のフォローって、公立高校ではあまりなかったような気がする。

 なかったなかった。その分、必死にならないといけなかった。でも、私たちの時代は、公立小学校〜公立中学校で『デモシカ』と言われる先生に指導されてた分、自分でやらないと誰も教えてくれないっていう強迫観念があって、精神的に強かったと思う。今の公立小学校って、熱血的な先生が多い割には、そういう精神的な強さを鍛えることもない、なんだか緩い関係にしか見えないね。

 公立校の無償化より、逆に多少は値上げしてもいいから、もっと内容の質を上げて欲しい。今のままじゃ、公立中学どころか公立の小学校も安心して通わせられないもの。

繰り返す受験で気力を削がないよう
じっくり学べる6年一貫制へ

── 私学受験先を決める際、どのような部分で決定されましたか。

 コース制で資格が取れたり、附属の大学があるので、10年一貫制のようなシステムなどに興味を持って決めたんですが、皆さんは違うんですか。

 コース・資格取得や進学先はあまり気にしないですね。小学生なので、将来やりたいことが180度違ってくる可能性もありますから、最初から細部まで決めて、将来を縛る必要もないかと。

 でも、6年一貫制にはこだわりますね。さっき話題になったように、中学受験の3年後にまた受験、では子どもの気力が削がれてしまう。それよりは、6年じっくり学んで、将来を決めていけばいい。

 上の子が高校から私学へ入学したんですが、附属大学への進学を目指し、内部推薦枠を考えて受験しました。でも、今年の下の子の私立中学受験先は、私はタッチしてないんですよ。塾の先生とじっくり話し合って決めてきたので、それならそれでいいじゃない、お金だけ用意しておくわと(笑)。

 中学受験が来年の話なので、塾の先生と今からじっくり話して決めるつもりです。それよりも上の子の高校受験が問題。公立高校と私立の併願受験をするんですが、公立へ行って、今後3年間も高い塾の費用を払うのかと思うと…。いっそ附属大学のある私学に専願で行って欲しい。

── 皆さん、中学受験は何校くらい受験予定ですか。

 専願で1校だけです。

 うちも同じ。

 うちもですね。大阪では公立の中高一貫校である「咲くやこの花校」ができましたが、まだ内容もよくわからないので、行かせる気はないです。

 ああ、それはうちもですね。芸術コースもあるとは聞いてますが、受験方法も抽選など、本人の努力以外で合格不合格が決まる可能性があるとも聞いています。それなら、学んだだけ結果の出る私学へ行かせるほうが、本人のためにもなりますから。

 同じですね。通学圏内には国立の大阪教育大学附属池田中学がありますが、あまりにもレベルが高すぎて、そこまで小学生に負担をかけたくないので。現在は専願で私立中学1校。不合格の場合を考え、希望校をもうひとつ用意して、二次募集参加の用意もしています。

 受験日に合格不合格までわかる私学は多いですから、二次募集へも切り替えが早くできるのがいいですよね。うちも同じ理由で専願1校です。

 うちは2校。ひとつは附属大学のある中学で、もうひとつは進学実績の高い中高一貫校です。実績が高いから決めたんじゃなく、通学時間が短いというほうが理由としては大きいですね。

 通学時間! 重要ですよね。

 そう。今までは近所の小学校だったから朝寝坊もそこそこできたけど、中学はそうはいかないもの。でも、いきなり朝早く起きるのは無理だから、やはり近くて通いやすい中学が子どもの負担も少なくて済むよね。

塾・ネット・私学フェア・オープンキャンパス
より内容の濃い情報を求めて

── 受験情報はどこで集められたのですか。

 まずは塾でどんな学校に決めたかを聞いて、あとはネット。それと、大阪で大きな中学受験イベントが開かれてたので、それに参加して実際の現場の先生に話を聞きました。

 あの私学イベントは非常に助かりますね。ひとつに絞るのに悩んでいる時期に開いてくれるから、印象がわかりやすい。塾からも行くように勧められましたよ。それと、制服展示もいい。ただ、値段が書いてないのが気にかかるけど。

 値段表示は欲しいですね。男女問わず成長期だから、絶対に中学在学途中に作り直すだろうし、その分のお金を入学前に覚悟する意味でも教えてほしい。

 京都の同じようなイベントに去年行ったけど、制服展示がなかったと思う。参加してる学校の数も少なかったし。大阪くらいの規模でやって欲しい。まあ、オープンキャンパスでいろいろ見てきたけど。

 オープンキャンパスって、どんな服装で行けばいいのかわからなくて、ちゃんとした格好で行かせたら、泥んこで帰ってきた(笑)。

 え? クラブ体験があるとか、参加時のパンフレットか何かに書いてなかったの?

 書いてあったの。でも、あっちで着替えるのかなと思ってて、着替えとして持たせたら、そんな時間なくて、そのまま参加したみたい。

 そういう細かい情報って、どこにも載ってないよね。あちら(私学側)は毎年恒例の行事だろうけど、保護者にとっては一生に一度か二度でしょ。細部までせめてHPには載せて欲しいな。

── 最後になりますが、今後の私学への希望を一言ずつ聞かせてください。

 助成金カットとか、公立を重視とか政府から言われてるだろうけど、そんなことに負けずに、今まで通りの子どもを中心とした学校運営を続けて欲しいですね。

 学費が高いのは仕方ないことだと思ってます。でも、過度な装飾のロビーとか吹き抜けのテラスとか、別に必要ないと思うような校舎造りは再考していただきたい。保護者たちも厳しい中から学費を捻出しているのであって、勝手にお金が湧き出る泉を持っているわけじゃないのだから。

 6年一貫制に限らず、コース編成では、最終的に何ができるのかをはっきりさせて欲しいですね。どのコースで学ぶと、最終的にどんな職業に就きやすいかを、オープンキャンパスに参加した小学生にも理解できるよう、丁寧な対応を望みます。

 最近多いようですが、安易に共学化はしないでいただきたいですね。同じ学校には異性がいなくても、同じ学区にはいるのだから、女子校は女子校、男子校は男子校の良い部分を引き伸ばしてもらうほうがいいと思います。

 今後公立の6年一貫校も増えてくるのでしょうが、それに負けないようにするのではなく、私学としての個性を残した授業をしてほしいですね。

 我が家は双子なんですが、兄弟での同時入学への助成制度が整っていけばいいなと思います。なかなかないんですよね。

 スクールバスの充実をお願いしたいですね。特に京都市から北方面では、公共交通機関がいきなり不便になるので…。

── 皆さんのご意見を塾ジャーナルで反映させていただきます。本日はありがとうございました。

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