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中学・高校受験:学びネット

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2008/7 塾ジャーナルより一部抜粋

生徒100名にするのにもっとも大切なことは!

河野 優(こうの まさる)
[ 学習塾経営研究会 主宰 ]
大学を卒業後、大手通信メーカーに入社。そこで国際向け電子交換機のプログラム開発に携わる。30歳の時に、一身上の都合で地元に帰り、縁もゆかりもない場所で塾(開進スクール)を立ち上げる。塾を立ち上げた翌年より、学習塾ニュースの配信開始。現在の読者数は、約1000名。
その後、学習塾経営研究会を発足、全国の塾長のためのネットワークを構築。
主な活動には、千樹会(100人会の姉妹団体)代表幹事、学習塾経営セミナーの開催、100人会の主宰、その他、個人塾の経営、及び、販売支援など。
 

■ある先生との電話で

 本誌が出る頃には、終わっているでしょうが、今、あるセミナーの準備をしています。
その内容について、学習塾経営研究会が発足して以来、ずっとお世話になっているある
先生と電話で意見交換をしました。
今回のセミナーは、「生徒100名にするための行動術(仮題)」という内容なのだが、
どう思う?ということを聞くと、その先生は、「その前に本当に100名にしたいかどうかですね。」とお答えになりました。

 よく私も、メンバーには、冗談めかして「生徒を増やして不幸になれ!」というのですが、確かに「本当に100名にしたいかどうか?」は、大切な問題です。

 もともと学習塾には、「かくあるべし」という形はありません。家庭でやっている家塾も
駅前の豪華なビルで授業している塾も、「塾は塾」です。

 世間では、生徒が先生に習う、もしくは、何かの目的を持って学力を上げる場所を塾と
みているはずです。

 すると、生徒数が多い、少ないというのは、あくまでも「見かけ」の問題であって
塾の本質にかかわる問題ではありません。塾長が「生徒を増やしたくない」と思えば、それは、それで良いともいえます。

 しかし生徒を増やすのであれば、その理由が必要となる時があります。もちろん、増やさないのであれば、その理由が必要です。そうしないと、現状だけを肯定して、増やそうが、増やすまいが、流されるままに自塾の哲学がなくなり、結果として生徒・保護者に迷惑をかけることにもなりかねません。

 その先生と知り合った時は、自宅で20数名の塾生で授業をされていたのですが、
またたく間に、駅前にビルを2つ借り切り、生徒数も以前の10倍を越えてしまいました。

 すると、人・物・金が必要になり、「教える」という行為以外にしなければならない事が
沢山出てきます。先日も、ある大手塾が大手出版社に売りましたが、その先生も、「仕事の多くが資金ぐりになってしまった。」とある雑誌でおっしゃっていました。

 早い話が、生徒を教えることが大好きな先生が塾を大きくしていくと、このように一番好きな仕事だったものが、突然、イヤな苦手な仕事が中心になってしまう可能性があるのです。

■100名としている理由

 私は、100人会という会を千樹会の姉妹会として立ち上げていますが、その理由は、
「生徒100名までなら、塾長が必死で授業をすれば1人でやれる」からです。

 もちろん、良い塾であれば、大きくして欲しいですし、その方が地域のためになると、
私は考えていますが、一方で良い塾でも、塾長のスキルだけに頼っている塾だと、生徒数が増えれば増えるほど、塾長の密度が薄くなり、結果として本来の良い塾ではなくなる可能性があります。

 つまり個人塾として、生徒100名までなら、余程のことがない限りは、今の雰囲気のままでなれるということです。正直申し上げると、塾長の魅力1つで100名までは達成出来ると私は考えています。

 その上で、更に大きくしたい場合は、人・物・金に悩むことになりますが、よろしいですか?ということです。(その場合は、千樹会へと移行する形をとっています。)

 生徒数を増やすことは、シンドイことではありますが、悪いことではありません。
うまく仕組みを作って他塾にはない良い授業、良い指導をしているのであれば、
入りたい生徒は多いでしょうから、塾を拡張するということは、地域の要望に応えることにもなります。

 結局は、生徒を増やす・増やさない・・そのどちらが良いとか悪いとかという問題ではありません。塾長として、どちらの方向に行きたいのかを決めて下さい、その生徒数は、大体100名ですよ!という趣旨なのです。

 先ほどの電話の先生がおっしゃったのは、その事をきちんと伝えておかないと、
本当は、生徒数を増やしたくないのに、増やすことだけを良しとすると、苦労するということです。
  もともと「やりたいことをする」ために塾を始めた人が多いわけですから、気がつくと
やりたいことがズレていたというのでは、ある意味、不幸なわけです。

 生徒が60名を突破してくると、あっという間に100名になることが多いものです。
しかし、その時には、生徒100名を指導出来る仕組みやシステムがなく、多くは、
塾長、スタッフのマンパワーだけで対処することになります。

 もちろん、生徒が増えただけ問題も多く発生し、クレームも出てくるでしょう。

 そこで、私は、いつも生徒60名程度になった先生には、どちらの方向性に行きたいのか?
ということを尋ねた上で、今後の展開をアドバイスすることにしています。

■振り返ることは出来ない

 それでも100名を突破したいという先生に言うのは、単純ですが、「100人指導出来るだけの人を入れて下さい。」ということです。

 しかし他人に何かを任せることは、なかなか出来ません。
他人は自分ではないからです。しかし、その他人の行為に関しての責任は、自分が背負うわけですから、ふんぎりが付かないのも仕方ありませんが。

 結局、悩むのは、「人・物・金」で悩むわけですし、根本は、「自分では、どうしようもない」と思うから悩むわけです。

 その悩みを克服してでも、大きくしたいという人であれば、100名どころか、1000人でも10000人にでも生徒を増やすことは出来ると思います。(あくまでも理屈上ですが。)
ただし、一度、越えてしまうと後戻りは出来ません。しかも、一度、その生徒数になってしまえば、その生徒数を指導するだけの人・物を投入しているわけですから、毎年、その生徒数を確保することが必要になります。

 今回は、おかしな話をしていると感じられるかもしれませんが、別に脅しているわけではなく、ともかく生徒100名にするのに一番必要なことは、「100名にする」と決めることだと申し上げたいわけです。

 今まで、10名、30名、60名の壁の話をしてきましたが、100名の壁というのは
結局、「人・物・金」のリスクを取ってでも大きくしたいかどうかの壁です。

 多くの塾は、大手塾でも生徒100名〜250名程度で教室を展開しています。

 つまり、1教室で100名を突破出来れば、後は、それを横展開すると多店舗となるわけです。(店舗オペレーションの問題は別途出てくるでしょうが)

次回は100名を突破する前にしなければならない事を中心に述べたいと思います。

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