NPO法人学習塾全国連合協議会設立記念式典
設立記念式典に先立ち、塾全協三十周年記念式典が執り行われた。司会を務める増田泰雄・全国事務局長が開会を宣言。最初に古井敏明会長が会長挨拶を述べ、塾全協の基礎を作り活動を支えてきた旧役員と、支援してくれた他団体・私学・企業に深い感謝の意を表した。
続いて功労者表彰が行われ、古井会長より歴代会長ら役員に表彰状が贈られた。初代会長の武藤芳雄氏はすでに故人となられているため、その子女で後継者の武藤薫氏が表彰者を代表して挨拶を述べた。武藤氏は、「昔、父が蒔いた小さな種が、全国組織のNPO法人という大きな幹に成長しました。天国で喜んでいる父の顔が見えるようです」と語り、会場から大きな拍手が送られた。この後、塾全協常任理事の沼田広慶氏に司会を交代し、セレモニーはNPO法人学習塾全国連合協議会設立記念式典へと移った。式典に先立ち、NPO設立準備委員会委員長を務めた沼田氏が設立にいたる経緯を紹介。任意団体塾全協を3月31日をもって解散し、4月1日より、NPO法人として出発したことが報告された。
続いて菅原明之副会長が開会の辞を述べ、NPO法人設立後初の公式行事である記念式典が開始された。
会長挨拶に立った古井会長は塾全協の歴史を振り返り、「研修などの活動を通じ、学習塾の社会的認知度向上のために力を尽くして参りました。しかし業界全体の評価が確立できた今、私たちにはより一層社会に貢献していく役割が求められています。今後はNPO法人として、従来通り親と子の立場に立ちながら、新しい教育のかたちを実現していきます」と決意を語った。
続いて来賓挨拶に移った。東京私立中学高等学校協会の近藤彰郎会長は、学生時代から続けてきた空手を例にとり「昔は、ろくな指導もせずに部員を殴り合わせることが練習という学校もあった。負けた方は傷ついて去り、放っておいても強い者だけが残る。いま競争社会と言われているが、このような教育をして良いのだろうか。少子化の時代にあって、学力レベルも目的も異なる子どもたち皆を強くしていかなければならない。そのために私学と学習塾が共に発展していくことを願う」と挨拶した。
社団法人全国学習塾協会の石井正純会長は塾全協設立当時の思い出を語り、「皆さんは、大きな塾を目指すのではなく、目の前の子どもの将来を実りあるものにしてあげようという思いで続けてこられた。今後とも私ども社団や全国の学習塾のためにお力添えいただきたい」と述べた。
最後に奥松研亮理事が「設立宣言」を朗読。後田多純寿副会長が閉会の辞を述べて設立記念式典を終了。塾全協は新たな時代の新たな塾団体への第一歩を印した。 |