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中学・高校受験:学びネット

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恵泉女学園中学・高等学校

 
  1929年の設立当初から、目指す舞台はグローバル
徹底した英語教育と自立した女性の育成
 「世界に目を向け、平和を願う自立した女性の育成」。創立者河井道の理念を今に伝える恵泉女学園は、聖書・国際・園芸の三本柱で女子教育を行ってきた。木のぬくもりを感じる校舎は吹き抜けで自然光がふんだんに入る。学園のシンボルでもある中庭の泉は、湧き出るような神からの恵みをあらわし、それを人に与えられる人であれという願いが込められている。創立当時から高いレベルの英語教育を行い、グローバルな視野を持ち、世界に向けて自分の意見を伝える、自立した女性を育ててきた同校のチャレンジを、本山早苗副校長に聞いた。

校 長: 加藤 英明
住 所: 〒156-0055 東京都世田谷区船橋5-8-1
電 話: 03-3303-2115
交 通: 小田急線「経堂」駅・「千歳船橋」駅から徒歩12分
京王/小田急バス「桜上水二丁目」バス停下車徒歩2分
学生数: 610名(中学校)
576名(高等学校)
ホームページ: http://www.keisen.jp/

 

定評ある情報リテラシー教育
正しく情報を読み解き判断する力を養う

 恵泉は20年以上前からリテラシー教育を行っており、情報を批評的に読み解く力を養成している。相手の情報を聞きつつも、「本当にそうなのか?」と自分の頭で考える経験を重ね、しっかり人の話を聞き、自分の意見を構築する習慣をつけていく。

 視野を広げるための読書教育も盛んだ。1〜3年生は社会問題などに関心を持たせ、様々な情報をインプットできるような読書習慣づくりを大切にしている。昨年は1年で一人当たり年間平均40冊の本が読まれている。自学の時間には、読書の時間も含め自分で決めた課題を自主学習する。

 都内でも随一の蔵書9万冊を誇る恵泉のメディアセンターは、明るく吹き抜けの空間にガジュマルの木が枝をはり、居心地の良いスペースになっている。

 「デジタルな時代になり、インターネットで情報を集める手段もあるが、自分で書籍から情報を収集する力もつけてほしいので、ネットばかりに頼らないよう指導している。」と本山副校長。

 中1〜2年では本で情報を集めて整理する力をつけ、3年からは「情報」の授業でインターネットでの情報収集を学び、グループで取り組む調べ学習に活かしていく。メディアセンターにはグループ学習できる部屋が2部屋あり、クロムブックが常設されていて、テーマ別にパワーポイントでレポートを作り、それをプレゼンテーションするということも日常行われている。研究発表以外のスピーチやプレゼンでもパワーポイントを使う生徒が増えてきており、IT教育への対応も万全だ。

英語は自分の意見を世界に発信するツール
充実した英語教育

本山 早苗 副校長

 「英語はあくまでもコミュニケーションのツールで、試験で合格するための道具ではない。」と断言する本山副校長。恵泉では知識を一つ一つ積み重ねて行くイメージで英語教育を行っている。中1のうちは学習習慣を作るため、20人の少人数クラスで授業を行う。敢えてレベル別にはせず、中学3年間ですべての生徒の基礎固めを行う。中1の後期から「多読」に入り、メディアセンターにあるケンブリッジやオックスフォードの初歩的な洋書を読み進める。

 ネイティブ教員の英会話は高1まで必修で、高2、高3は選択式となる。授業は高1からレベル別になり、ライティング強化のためジャーナルやエッセイを定期的に出題。書いた英文はネイティブの先生に添削してもらう。このように繰り返し自分の意見を自然な表現で発信する練習をするので、確実に実力がつく。

 外部試験は英検、TOEICのグループ受験、GTECを行う。英検は高2で52%が高校卒業レベルの2級以上に合格。大学入試で2級以上がスコアに影響するため、積極的に取り組む生徒も多い。

 また、恵泉では、毎年秋に行われるスピーチコンテストが40年以上続いている。中3〜高2の必修参加行事であり、中3は先生が選んだ有名なスピーチなどいくつかの英文から選び、夏休み中に暗唱する。高1、高2は題材選びから始まり、原稿を書き発表するフリースピーチを行う。いずれも夏休み明けのクラス予選を勝ち抜いた生徒たちが本選の舞台に立つ。

 留学は短期、中期、長期の3つの制度があり、留学するまでに英検準2級以上を取ることを義務付けている。短期留学は夏休みの17日間オーストラリアのモートンベイカレッジとカリフォルニアのユリーカ第一長老教会に留学。同じく長期留学もこのモートンベイカレッジに1名を1年間派遣する制度がある。

 また、英語圏だけでなくイタリア、コスタリカ、ブラジルなどへ留学した生徒もいる。2016年から始まった中期留学は今年で3年目。中期は先方のファーストタームにあたる1月から3月の3か月。この時期に留学することで、現地の生徒と一緒に新学期を過ごすことができる。

 今年の夏からタイのナコンサワン地方の学校との交流も始まる予定だ。日本はアジアの国々から学ぶ事も多く、今後様々な場面で重要なパートナーとなる。ここにも未来を先取りする姿勢が見える。

互いに違いを認め、助け合う
個々の個性が発揮できる環境を

 恵泉の特徴として創立以来行われている「感話」がある。生徒が感じ考えている事を礼拝の中で話す場であり、入学から6年間必須の時間だ。中学生は原稿用紙2枚半〜3枚、高校生は7〜8枚に自分の考えをまとめる。どの生徒も必ず年3回ほど発表の機会があるため、人前で、自分の考えを自分の言葉で話すという習慣が自然と身につく。

 「その人らしさを表すという時に感話の働きは非常に大きいと思う。基本的に教員が手を加えず、書き方の指示も出さない。他の生徒の前で読んでいい内容か、自分自身の言葉であるか、その確認のみ行っています。言葉は個性であり、生徒独自のものなので、それを尊重しています。」(本山副校長)

 感話を書く大変さをどの生徒も知っているため、人の感話の批判をする生徒はいない。お互いを尊重し、認め合う気持ちが育っていくという。

 感話は学校のテーマ「考える恵泉」の一環ともいえ、生徒たちが自分の考えをしっかり持つよう促していく。友達や先輩の話を聞きながら自分はどうなのかと自問自答していくことで、自分の考えが固まっていく。

 「創立以来自由服で、自分らしさを表しつつ周りにも配慮した服装がマナーなのだという指導をしています。服装でもその人らしさを大切にという考え。進路も押しつけるのではなく、自分で考え選択します。表現することを大切にする恵泉では、音楽、美術など進学先も多岐にわたります。生徒たちもありのままの状態で、お互い尊重しあう中で過ごしていて、自分らしくいられる居心地の良さがあると思います。建物も2003年に建て替えましたが、生徒を出来るだけ圧迫しない、のびやかさを大事にするというのがコンセプトでした。日々変化している情報に対応しつつ、90年近く変わらず生徒の本質を大事にする教育を行っている学校です。」(本山副校長)

 まさに原石を磨き上げるように生徒ひとりひとりを丁寧に、育てていく教育がここにある。

 
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