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中学・高校受験:学びネット

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玉川学園

 
  自学自律・学的根拠に立てる教育
玉川学園の学びを体現する
創立88年の歴史が培う「学びの技」「自由研究」とは
国際バカロレア(IB)プログラムをいち早く導入し、SSH指定校として第2期10年目を迎え、「創造的で国際的な人材を育成する」中等教育界の雄であり続ける玉川学園。「創立以来やってきたことが、間違いなく動いている」、その確たる自信は、社会変化の激動の最中でも揺るがない。総合学園の豊かな環境の中で独自に発想力を育む生徒たちは、5年間の「自由研究」や9年生(中3)で取り組む「学びの技」によって、生涯「自学自律」できる資質・能力を獲得する。その力は、彼らの将来を可能性に満ちた大きく広がる世界へ導いていく。その道程に迫る。

学園長: 小原 芳明
住 所: 〒194-8610 東京都町田市玉川学園6-1-1
電 話: 042-739-8931
交 通: 小田急小田原線「玉川学園」駅下車徒歩15分/東急田園都市線「青葉台」駅よりバス17分/「奈良北団地」停留所下車徒歩10分
学生数: 568名 (中学1年生〈7年生〉〜中学3年生〈9年生〉)
702名 (高校1年生〈10年生〉〜高校3年生〈12年生〉) (2017.7.1現在)
ホームページ: http://www.tamagawa.jp/academy/

 

IBクラスが2クラスへ
一般クラス「英語選抜入試」新設

 約61万m²の広大なキャンパスに幼稚部・小学部・中学部・高等部を備える玉川学園は創立88周年。多様な領域を研究する8学部17学科・6研究科を擁する玉川大学・大学院とともに総合学園を形成している。

 7年生(中1)からは一般クラスとIBクラスに分かれて中高一貫教育を行う。中学年校舎で学ぶ7・8年生(中1・2)を経て、9年生(中3)からは高校生と共に高学年校舎で学ぶ。

 玉川学園の教育の3本柱「全人教育」「探究型学習」「世界標準の教育」を具現化するものとして2007年に導入されたのが、国際バカロレア機構(IBO)の教育カリキュラムと評価法だ。特にIBが育成する「探究する人」「知識のある人」など10の学習者像は、創立以来、世界を視野に入れた教育を実践してきた玉川学園が掲げる教育理念である「12の教育信条」と合致しており、双方の教育成果を高める相乗効果となって表れている。

 IBクラスはMYP(7年生〜10年生)・DP(11・12年生)ともに多くの授業が英語で行われている。また、学校教育法第一条に定める学校として日本の高校卒業資格に必要な科目や、玉川学園オリジナルの探究型学習「自由研究」という授業は一般クラスの生徒とともに日本語で学ぶ。ディスカッション等で広い見識と思考を鍛え、国際性と社会性を磨くIBクラスは近年人気が高く、昨年度から1学年2クラス。IBクラスへの中学入試の筆記試験は国語または英語の選択と算数・理社総合の3科目。昨年から高校入試(英・数・理社総合は英語による出題)も新設された。また、一般クラスの中学入試は、従来の4回入試に加え、来春から「英語選抜入試」が2回新設され(2月1日午前・2日午前)、「英語・算数」または「英語・国語」のいずれかを選べる。英語の出題レベルは英検3・4級の中間を想定しているとのこと。

88年間続いている「自由研究」
生涯学べるスキル「学びの技」

 一般クラスとIBクラスの7・8年生が、高校生も交えて一緒に行うのが「自由研究」という授業だ。

 「創立以来88年ずっと続けています。学びは教わるものではなく、自分で掴み取るものという本学の教育信条の一つ『自学自律』を体現するものです」と語るのは伊部敏之中学部長。約30の研究分野のもと、集った指導教員や先輩後輩が刺激し合い、サポートし合いながら1年間、主に個人で研究を行う。基礎知識を学び、グループ学習などを通して、徐々に各々の研究に分化・深化していく「教科発展型」の自由研究では、1週間の研究経過を報告する場面がある。

 「準備をしてから授業に臨むIBクラス生の姿勢が、一般クラス生にも波及していきます。主体的で積極的なIBクラス生とチームワークやフォローアップに長けた一般クラス生が、共に学び、学年が上がるごとに互いに内面から変わっていく。毎年3月に実施する玉川学園展での成果発表では、最上級生(8年生)ほど『自分で考え、判断し行動する』姿勢が身に付いています」と伊部中学部長の顔もほころぶ。

 高学年校舎に進むと、一般クラスの9年生は、論文作成の基礎力を養う「学びの技」を1年間(60時間)受講する。7・8年生時の研究で痛感した「想定した結論に導けないもどかしさ」や「何がいけなかったのか」という謎が、「学びの技」の授業で氷解するという。深化できるテーマ設定まで2ヵ月、反証に耐え得るデータや情報の集め方・論理的な論文の書き方・効果的なプレゼンの工夫など、探究のラーニングスキルを実践しながら学び、ポスターセッションでの質疑応答を経て、約3000字の論文に仕上げていく。その学びの技を経て、10年生(高1)からは、「課題研究型」の自由研究へと発展していく。

SSHの教育活動が研究環境を拡大
探究学習は生徒の未来を創る

 探究型学習をさらに広範に深めているのがSSHプログラムだ。総合学園の恩恵を駆使し、玉川大学脳科学研究所と連携する「SSHリサーチ脳科学」、お茶の水大学や石垣島の研究機関で学ぶ「SSHサンゴ研究」など、理科教育専門施設サイテックセンターを拠点に、学内外で活発な研究活動を展開している。SSH指定校が集う研究発表会や大学のAO入試等で表現する場では、同校の生徒たちのプレゼンテーション能力の高さが際立つと語るのは長谷部啓高等部長だ。

 「論理的な話し方、言葉の使い方や聴きやすさ。短い発表時間内に研究の『深さ』まで伝えられる。『学びの技』を身に付け、10年生で再び自由研究が始まると、生徒たちは『待ってました!』とばかりに温めてきたテーマに向かい、自ら動き始めます」

 日本の評価法に加え、IBのルーブリック評価法も採り入れて「何が求められていて、何を目指すのか」を可視化することで、生徒の主体性がさらに高まるという。IBクラス10年生では「パーソナルプロジェクト」が始まり、最終的にDP取得要件の一つ「課題論文(EE)」の完成を目指す。森本信雄IB主任はこう語る。

 「自分の興味を追究するということは、自分の言葉を持つということ。知識を自分の言葉で表現できると哲学的な学びができる。より高いレベルの学問を求めて、彼らは日本の大学だけでなく海外の大学にも進学していきます」

 さまざまな『本物』に触れながら、基礎基本を修得し、生活に活かしながらさらに深める。そうして自分が創り上げたいものができあがっていく、自学自律の体験を積み重ねる玉川学園の生徒たち。教員は、体験のチャンスを散りばめながら、彼らが将来につながる道を見つける、その瞬間の輝きを心待ちにし、見守り続ける。

 
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