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中学・高校受験:学びネット

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和洋国府台女子中学校・高等学校

 
  「凜として生きる」教育を教科指導でも
教科、学年の枠を超えて教師が結集
「凜として生きる日本女性」。和洋国府台女子中学校・高等学校の建学の精神である「和魂洋才」を時代に合わせて表現すると、優しく力強く、そして誇り高く凜として生きる女性と言い換えることができるだろう。同校では長年にわたり女子教育・人間教育に力を注いできたが、それを教科教育の現場でも広げようと2014年に「スキルアップ研修会」を創設。メンバーの先生方に新たな指導方法によって、生徒たちがどのように学び、成長したかを教えていただいた。

校 長: 太田陽太郎
〈中学校〉
住 所: 〒272-0834 千葉県市川市国分4-20-1
電 話: 047-374-0111
交 通: JR総武線「市川」駅・JR常磐線「松戸」駅・京成線「市川真間」駅・北総線「北国分」駅からスクールバス
学生数: 223名 (2016.7.1現在)
〈高等学校〉
住 所: 〒272-8533 千葉県市川市国府台2-3-1
電 話: 047-371-1120
交 通: 京成線「国府台」駅から徒歩約8分/JR総武線「市川」駅から京成バス約8分/JR常磐線「松戸」駅から京成バス約20分/北総線「矢切」駅から京成バス約7分/いずれも「和洋女子大学前」下車
学生数: 655名 (2016.7.1現在)
ホームページ: http://www.wayokonodai.ed.jp

 

座談会に参加いただいた先生方
太田陽太郎 校長
【スキルアップ研修会メンバー】
高橋 美絵子先生〔数学(教科主任)〕
宇佐見 文絵先生〔社会(公民)(教科主任)〕
村上 喜恵先生〔理科(生物)〕
丹羽 祥先生〔英語〕
大窪 拓矢先生〔国語〕

「こんな指導方法が
あったのか」
毎回驚きの連続

── 2014年から先生方によるスキルアップ研修会を始められたそうですが、設立目的を教えてください。

太田 本校では教育理念に「凜として生きる」を掲げています。この言葉には自分で考え判断し、行動できる女性になってほしいという思いを込めています。これを教科学習の中でどう取り組んでいくかを考えるため、本校ホープの先生を集めてスキルアップ研修会を結成しました。

── どのような活動をしているのですか。

高橋 1年目は外部の方を招いて研修を行っていましたが、2年目からは研修会のメンバー自身で運営しています。2ヵ月に一度の定例会の他、他校への授業見学やメンバーによる公開授業を実施。校外研修にも積極的に参加しています。特に定例会では教科や中学、高校といった枠を超えた話し合いができ、大きな発見があったと思います。

── 大きな発見とは。

村上 これまで同じ学年、同じ教科の先生同士で相談することはありましたが、教科も学年も違う先生と話をすることはあまりありませんでした。特に中学生と高校生では年齢が離れていることもあり、「こんな指導方法があったのか」「今時の生徒はこんな行動をするの」と毎回驚きの連続でした。また研修会として集まることで、いろいろなことを打ち明けられる仲間ができたと感じています。

ペアワークで宿題忘れゼロに
生徒が教師になる理科の授業

── 各教科での取り組みを教えてください。

高橋 数学では、困難に出会ったとき、主体的に課題を解決する力を身に付けさせたいと考え、生徒にはあえて前置きなしに課題を提示し、自分たちで学んだことを生かして、解法を考えさせ、発表してもらいました。教科書には解法は一つ程度しか載っていませんが、こうした授業を通して「いろいろな解き方、考え方をしていいんだ」と気付くこともできたと感じています。これまで難しい問題を“スルー”していた生徒も諦めずに取り組むようになりました。

大窪 古文では、生徒をグループに分けて教師が読む前に、先に生徒に音読させることをしました。「にほい」は音読すると「におい」ですが、間違って「ほ」と読んでしまうこともあります。でも、授業中はいくら間違ってもいいと伝えています。音読がうまく読めるようになると、大事な部分がわかるようになります。例えば、現代文なら「だから」「しかし」といった接続語を私が強調して読んだり、生徒同士で接続語をどう使うかを言い合ったりしています。

丹羽 英語では昨年から指導スタイルを180度変えました。机をつけてペアで単語を覚えたり、宿題をやってきたかチェックしたりするようにしました。すると、宿題をやってこない生徒がほとんどいなくなりました(笑)。また教科書の本文を使って英語劇をつくり、発表会も行いました。この後、英語宿泊研修の募集があったのですが、例年より参加者が増え、モチベーションが上がったと感じています。

村上 本校ではこれまでも理科の実験実習を重んじる伝統がありました。現在「アクティブ・ラーニング」と呼ばれるものは何十年も前から実践してきた土台があります。その1つは生徒たちに授業をさせるというものです。4〜6人の班をつくって分担するのですが、授業研究もプリントの製作も生徒が行います。実験の材料もなるべく自分たちで調達させるようにしています。他の授業では最先端の研究映像を見せることもありますが、英語で解説してあることも多いため、今後は英語と理科のコラボもできないかと考えています。

宇佐見 私自身、研修会での話し合いから多くの発見ができたので、公民の授業でも生徒にテーマを与え、話し合いで解決方法を考えさせる授業を行いました。例えば、テーマの1つに「なぜ増税が消費税でなければいけないのか」。私が基本的な知識を教えた後は、まず一人で考え、次にペアになって意見交換を行い、その次はグループ、最後はクラス全体で話し合いました。驚いたことに教師が説明しなくても、生徒はきちんと解決方法を導き出せることができました。この成果を受けて、今年度から新たな指導方法について、社会科の教員同士でも研修会を行い、情報共有をすることを始めました。

「和洋の学び」構築に期待
起業体験で被災地支援も

── 研修会の成果をどのように見ていますか。

太田 まだ模索している部分もありますが、教科教育を通じて人間教育ができてきていると感じています。今後はさらに活動の輪を広げ、女の子にふさわしい学びのスタイル、「和洋の学び」をつくってほしいと思っています。

── この他の取り組みを教えてください。

宇佐見 いま起業体験として、高2と高3の1クラスずつで会社を立ち上げようとしています。生徒一人ひとりが株主になり、司法書士の方も呼び、書類を作成中です。高2では林間学校でお世話になっている福島のファームのブルーベリーを使った商品の販売。高3では和洋女子大学の卒業生である市川市内のパン屋さんとコラボし、9月の学園祭で模擬店を出す予定です。

村上 私は起業するクラスの担任をしていますが、商品を売ることで、福島の復興支援をしつつ、売り上げの一部は熊本地震の支援にも使いたいと考えています。

太田 文化祭や説明会で生徒の様子を見てもらえれば、本校の雰囲気をよくわかっていただけると思います。2017年には中学が国分から国府台キャンパスに移転し、中学・高校・大学が1つの総合キャンパスで学びます。緑のキャンパスとして生まれ変わりますので、ぜひ足を運んでほしいですね。

 

 
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