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中学・高校受験:学びネット

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星美学園中学校・高等学校

 
  新授業形態・異文化交流で、
社会に貢献できる女性育成
今、教育界では「21世紀型学力」「21世紀型能力」という言葉がよく使われている。それは、2020年の大学入試改革に対応する学力の育成につながるものでもある。星美学園中学校・高等学校では、今春、「星美授業メソッド」と名付けた学びが完成。新しい授業手法で「21世紀型学力」の涵養を図っている。また、同校では、高1の全生徒を対象に、異文化交流を主眼とした海外研修旅行を実施。2つの斬新でユニークな取り組みを中心に取材した。

校 長: 脇村 ユキヱ
住 所: 〒115-8524 東京都北区赤羽台4-2-14
電 話: 03-3906-0054
交 通: JR「赤羽」駅から徒歩10分、または国際興行バス 東京北医療センター行き「師団坂通り」下車すぐ、東京メトロ南北線「赤羽岩淵」駅から徒歩8分
学生数: 中学校 197名
高等学校 254名 (2016.7.1現在)
ホームページ: http://www.jsh.seibi.ac.jp

 

講義型の授業プラス
「星美授業メソッド」を展開

 「赤羽」駅から徒歩10分。坂道を登り切った高台に建つ星美学園中学校・高等学校。都内にありながら、静かな環境に恵まれたカトリックミッションスクールだ。

 星美学園中学校・高等学校では、以前から、ペア学習、グループワーク、実験や実習、研究発表など、いわゆるアクティブ・ラーニングを授業に取り入れ、知識を活用する力を磨いてきた。

 それらを進化・充実させ、通常の授業に取り込むため、先生方が委員会を作り、模索・研究を重ねて、昨年1年かけて作り上げたのが「星美授業メソッド」。社会の変化に伴い、社会から求められている人材を育成するために「知識活用力(思考力・判断力・表現力)」、そして「主体的な学習態度(主体性・多様性・協働性)」を養う授業を導入・強化していくというもので、まず今年度の中学1・2年生に導入した。

 「中学1・2年の全教科にアクティブ・ラーニングを取り入れましたが、すべての授業がアクティブ・ラーニングや協働学習ではなく、従来の講義型の授業も必要と考えています」と募集広報部部長の大石和敏先生は言う。同校の特徴は、板書されたものをノートに写して知識を得る授業と、ICTを活用した授業とのバランスがうまく取れるよう工夫していることだ。

単にテストの点数ではなく
6年間での成長を評価

 「星美授業メソッド」の授業例を紹介しよう。宗教科では、ある単元について、ディベート形式で考えを深めていく方法を取った結果、意見が活発に出た。国語科の詩歌では、ワールドカフェという話し合いの手法を用いた。少人数のグループごとにリーダーを置いて話し合い、リーダーが全員の意見を取りまとめる。次にリーダー以外のメンバーが隣のグループに移動し、話し合って意見をまとめるということを繰り返す。その結果、消極的な生徒も意見を言うことができ、たくさんの意見を取りまとめて発表できた。

 この方法は、芸術鑑賞などにも活用できる。理科の単元(気体)では、タブロイド端末を使用し、ロイロノートというアプリを活用。プリントを配るように生徒のタブレットに送信することや全生徒の解答を先生のタブレットに表示できたり、簡単にスライドを作ってプレゼンすることができたりするという。ロイロノートは英語科や家庭科でも活用し、それぞれプレゼンを行っている。

 「星美授業メソッド」の展開により、今までと大きく変わった点は、カリキュラムに組まれているので、どの先生もICTを活用した授業を行う必要があること。それと評価の仕方だ。「今までは主にテストの点数が評価の対象でしたが、アクティブ・ラーニングでは、ルーブリック法を採用しました」と大石部長は言う。4段階の達成レベルを設定し、1年ごとに評価するが、最終的に6年かけて、全員が最高の4のレベルになることを目標としている。

 「生徒たちには、21世紀型学力を身に付けるとともに、普段の生活の中でも、自分の意見を持ち、相手の意見を聞いて、バランスをとって発言・表現できるようになってほしい」と、大石部長は期待をかける。

海外研修旅行で
肌と心で感じる異文化交流

 同校の学びには「星美スタディサポートプログラム」として、国際・身心(しんじん)・学習の3つのプログラムがある。その中の国際プログラムに注目したい。

 「本校の国際プログラムは、英語を身に付けるのがメインではなく、異文化交流を目的としています」(大石部長)。

 そのために行っているのが、高校1年生全員を対象とした海外研修旅行。年度末の3月に約1週間、韓国・フィリピン・香港のいずれかに行き、そこにある姉妹校と交流したり、ホームステイしたりする。各国とも英語圏ではなく、同校の生徒と同様に英語を学んでいる人たち。そういう環境の中で、相手と意思疎通を図るというわけだ。高校に入学すると、生徒たちは自分が行きたい国を選択し、ホームステイする家庭の子ども(姉妹校の生徒)とメールアドレスを交換し、英語でメールや画像のやりとりをする。中にはスカイプで電話をかけ合う生徒も。1年後の渡航時にはすでに知り合いになっているので、到着すると大歓迎される。

 「特に韓国・香港では、熱烈な歓迎をしてくれます。本校の生徒が戸惑ってしまうくらい(笑)」と、大石部長は当プログラムのよさを語る。

 フィリピンでは、ストリートチルドレンとの交流やボランティア活動も行う。韓国では、メディアを通じて伝わってくる日韓関係の情報と実情の違いを肌で感じる。香港は英国の租借地だったため、姉妹校の生徒たちの英語能力が高い。レベルの差に焦りを感じる生徒も多いという。当研修旅行で人生観が変わった生徒も多いことだろう。

 さらに今年は新しい試みとして、海外研修旅行において、シアドリーダーシップを育成するため、日系企業訪問、研修先の国の材料を取り寄せて加工し、学園祭で販売、売上金を寄付といった取り組みも予定している。

 星美学園では、中1からキャリア教育を行っており、進路を決められずに卒業する生徒は皆無。海外研修旅行を始めてから、国際関係の大学・学部を希望する生徒が増えたそうだ。

 また昨年末、校内特別教室棟に英語に親しむためのカフェ「ドン・ボスコカフェ」がオープン。星美生だけでなく、先生、卒業生、保護者もコーヒーを飲んでくつろげるスペースだが、日本語の使用は厳禁。英語指導助手の先生2人が常駐している。

 喜んで社会に貢献できる女性の育成を目指す星美学園中学校・高等学校。さまざまな取り組みが功を奏し、国際社会で貢献する卒業生がますます増えることだろう。

 

 
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