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中学・高校受験:学びネット

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青山学院中等部

 
  2017年春、新校舎が完成予定
「学び続ける力」を進化させる授業
「伸び続ける力」を高め合う生徒たち
大学までの一貫校の中学3年間を「付け焼刃で一方的に学ばせても意味がない」と言い切るのは青山学院中等部長・敷島洋一氏。そこには、中等部での学びが10年後その先に成果として現れる責任や覚悟、各界のプロフェッショナルを輩出してきた学校の誇りが伝わってくる。教員と生徒、また生徒同士が磨き合い、「伸び続ける力」・「学び続ける力」を身に付ける学校環境はどのように作られているのか。進化し続ける授業で、変わらぬ「真の学び」を具現化する同校の教育とは?

校 長: 敷島 洋一
住 所: 〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25
電 話: 03-3407-7463
交 通: JR山手線、東急線、京王井の頭線「渋谷」駅宮益坂方面の出口より徒歩約15分/地下鉄「表参道」駅B1出口より徒歩約8分
学生数: 765名 (2015.7.1現在)
ホームページ: http://www.jh.aoyama.ed.jp

 

自己肯定からのスタート
学び合う関係を生徒がつくる

 「一般的に『自己肯定感』は、身に付けた力を自他が認めて、自信につなげるという意味かもしれませんが、キリスト教の『自己肯定感』は、『自分は大切な存在だ。自分の命には意味がある』というスタートラインでの肯定を意味します。大学卒業までの10年間のうち、中学3年間はまさに始動期。『伸び続ける力』『学び続ける力』を育むことが本校の使命です」

 文化祭や奉仕活動、学校生活のイベントはすべて生徒主導だ。青山学院中等部部長・敷島洋一氏は、「生徒が互いに学び合うのが昔からの校風」と語る。文化祭では文化祭実行委員長と学友会(生徒会)の協力体制のもと、パート長・パート員が実務を取り仕切り、会計チェックまで行う。CF(クリスチャン・フェローシップ)活動では、新入生のために在校生が校舎や通学路を清掃する。「入学した時の先輩の歓迎が嬉しかったから」「地元の方々への御礼に」と、あくまで有志の行動だ。上級生のリーダーシップに憧れて、下級生が仕事を覚え、「みんなで一緒に」と意識が高まり、自然体の行動力を生む。

 近年、文化祭は「誰とつながろうとするのか」ということで、東日本の被災地を考えることがテーマの一つだ。被災地支援の中心だった学友会メンバーは、高等部で発展的な活動を続けている。中等部でも昨夏、敷島部長の引率で8人の生徒が被災地を訪問。彼らは復興の陽と陰を直視し、仮設住宅の人々・宮古市の中学生と交流した。彼らは被災地での感じたことをみんなに伝えたいと礼拝で全校生徒に語った。同級生の経験談はインパクトがある。

 「刺激を受けた生徒たちとの間でダイナミックなパワーが生まれるんです」

 生きた人間関係の中で成長している日々を、大人より生徒のほうが実感していると思うと、敷島部長は目を細める。

2017年春、新校舎完成
伸び続ける力を育む
授業が進化

 青山学院では創立140周年を境に再開発計画が進んでおり、中等部では、各フロアに教科ごとの教室群を置く「教科センター型」の新校舎が2017年春に完成予定だ。最新の教育環境インフラも整備される。創立以来、グループ学習・体験学習的な授業の精錬を重ねてきたが、新校舎ではさらに進化した質の高い授業が展開されそうだ。

 「授業は『先生が教える』から『生徒が学ぶ』授業へ変わっていくでしょう。新校舎でどこまで取り入れられるか、いま各教科で試行錯誤しています」

 敷島部長が新しいスタイルの授業として、体育の授業を紹介してくれた。マットや跳び箱の準備を、どう運び、どう動けば制限時間内に最も効率的に組み立てられるか、グループで考えて実践する。練習も自分の順番以外のときは、メンバーの実技を見て互いにアドバイスする。最後の片づけまで、生徒の思考はフル回転だ。

 「体育が苦手な生徒も主体的に動くので、全体の力の底上げがすごい」と敷島部長は驚きを語る。今年度から自分たちの動きを見直すため、タブレットも活用している。

 英語は、青山学院英語教育センター作成の教科書『SEED』を使い、中学課程ではリスニング・スピーキングをベースに、リーディング・ライティングを展開する。最大の特長はペアワークによるスキットの豊かさ、発話の多さだ。『SEED』が電子教科書化されたら、実力や目標に合わせて個人対応の幅が広がるのでは、と敷島部長は期待を寄せる。

 「生徒が自ら学び続けるために、新しい機器や環境をどう使うか、それにつきます。中学生は『面白い』と興味を持てば、自ら勉強していく。種蒔きをして芽を伸ばすために、教科学習で豊かな土壌をつくる必要があるんです」

生徒の伸びやかな活躍こそ
自ら「学び続ける力」の成果

 大学までの一貫教育で、中学3年間の成長を数値や結果で表すことは難しい。だが、高等部や大学で表彰される成績優秀者、医学部に外部進学する生徒は圧倒的に中等部出身の生徒が多い。しかし、医学部に何人進学したかが大切なのではないと敷島部長は控えめだ。

 「中等部のバランスの良い学びの結果ですから。中等部でのさまざまな学びから、やりがいのある仕事として医学は面白そうだと考えて受験をし、進学しただけです。もちろん『この仕事をしたい』と思い立ったときに、中学で積み上げる基礎学力が盤石であることが大前提。そこに学問の面白さや成功体験が積み重なって、いろんな進路にチャレンジできるのだと思います」

 同校の3年生は「選択授業」19講座から2時間を選べる。特別講師に第一線で活躍する専門家やOB、大学教授を招き、大学院生が卒論研究を説明することも。企業訪問などフィールドワークも盛んだ。すべて担当教員がコーディネートする。

 「教員自身が楽しんでいます(笑)。そんな教員の背中から生徒は学問の楽しさを学びます」と敷島部長。成果は生徒の活躍に現れている。

 「韓国のことばと文化」の受講生が、大韓民国大使館で韓日交流日本語エッセイ部門の優秀賞・入賞を表彰された。「統計とデータマイニング」では統計検定4級に挑戦。合格者10名の一人は最優秀賞を受賞。部活動・個人の活躍からも「今の自分」を輝かせる生徒たち、伸びやかな行動力が伝わる。

 「生徒が自発的に学ぶ、それこそ本来の学び。生徒自ら『伸び続ける力』・『学び続ける力』を獲得していく、そのスタイルは昔から変わらないです」

 それは揺るがない信念の賜物だ。

 
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