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中学・高校受験:学びネット

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水戸啓明高等学校
(旧水戸短期大学附属高等学校)

 
  理系に必要な「知的好奇心」を育み、伸ばす
手厚い指導で、商業科から国公立大学へ
「この学校に進みたい!」そう希望する中学生が急増している学校がある。「水戸啓明高等学校」がそれだ。この春の入学者数は昨年と比べ100人近くも増加。特に推薦入試の出願者が、入学者の3分の1に当たる120人にものぼり、「水戸啓明で学ばせたい」という生徒や保護者が増えつつある。注目は理学・工学・医療の分野でのエリートを育成する「サイエンスフロンティアコース」と、国公立大学合格者も出す商業科「人間経済コース」。この2つのコースの魅力を紹介する。

校 長: 田中 睦啓
住 所: 〒310-0851 茨城県水戸市千波町464-10
電 話: 029-241-1573
交 通: JR常磐線「水戸」駅北口から関東鉄道バス(千波車庫・平須・石岡・鉾田各方面行)6番乗場乗車「千波坂上」下車
学生数: 918名 (2014.7.1現在)
ホームページ: http://www.mito-keimei.ed.jp

 

キーワードは「なぜ?」
自分で研究課題を決定

 水戸啓明の「サイエンスフロンティアコース(選抜特進理科)」の特徴は「教師が課題を与えるのではなく、生徒自身が研究課題を探して決める」こと。同校ではサイエンスフロンティア、選抜特進文理、特進文理、人間経済の4つのコースすべてで「課題探求学習(Key-Quest)」を実施。テーマを自分で見つけ、研究・発表する学習に取り組んでいる。

 「理系の研究で必要なのは、自分から『なぜ?』に気づき、答えを導き出していく力です。教師からテーマを与えてしまったら魅力は半減します。本当に自分の調べたいことは何か、気づくキッカケを与えられるようにしています」と同コース主任の栗田高明先生。

 このコースではさまざまな行事を通して、生徒の好奇心が花開くようにしている。1年生は帝京大学宇都宮キャンパスでの「カレッジインターンシップ」に参加。7月には国公立私大の合同進学相談会「夢ナビLIVE」にも行く。大学の教授の講義や教員による個別ガイダンスがあり、自分が究めたい専門分野を探すことができる。

 「いろいろなものに触れさせて、自分は何が好きなのか、何に興味を持てるのかを引き出すのが我々の役目です」と同コース2年生担任の鈴木尊先生。

 一昨年から実施している「インターナショナル サイエンスセミナー」では外国人講師を招き、3日間、英語で理科の講義を行う。今年は事前学習として、講義で使われる理科用語を調べてからセミナーに臨み、さらに充実させたい考えだ。

 加えて、今年は2年生が「イングリッシュ インタラクション キャンプ」を体験する。生徒5〜6人のグループに外国人講師が1人ずつ付き、英語のコミュニケーション能力向上を目指すもので、さまざまなトピックについて英語で議論し、最終日には自分の夢について2分間スピーチする。

 「講師は東南アジアからの留学生を予定しています。彼らは自分の夢を叶えたいという思いが深い。生徒にもその思いを語ってもらい、刺激になれば」と鈴木尊先生。

 普段の学校生活でも、さまざまな形で興味へのキッカケづくりを行っている。鈴木尊先生は教室に「和算」の問題を当時の言葉遣いのまま貼り出した。古文で書かれた数学の問題に生徒は興味津々だ。「同じようなテーマばかりだと特定の生徒だけが興味を持つことになります。生物、地学、化学などいろいろなテーマを提示し、生徒の好奇心の掘り起こしを図りたい」と栗田先生。

 このコースがスタートして3年目。探求の芽は着実に育っている。2年生の中には自主的に野菜や花の栽培を始めたり、研究材料のプラナリアを探しに出かけたりする生徒もいる。さらに有望なのは、今年入学の1年生だ。宿泊学習で訪れたパナソニックセンター東京では、予定時間になっても興味が尽きず、時間オーバーに。例年以上に科学好きの生徒が集まった。

 「生徒が自分で決める。このコースでは特にそれを大事にしています。興味のあることを見つけ、それを土台として行きたい大学を選んでほしいと思います」と栗田先生は話している。

株取引や観光PRを経験
母校のゆるキャラも交換

 同校の商業科の勢いが止まらない。今年、商業科「人間経済コース」には43人が入学。うち24人は、単願もしくは併願からの切り替えで、昨年の12人から倍増した。「県立より水戸啓明の商業科」を選ぶ生徒が年々増えているのだ。

 商業科の魅力は、簿記などの資格取得、そして、国公立への高い進学実績だ。これまで茨城大学、横浜国立大学など、学力を大きく伸ばして送り出してきた。

 金澤信幸先生は「国公立受験に必要な日商簿記2級(2月検定)の本校の合格率は60%。水戸地区全体の46.7%を大きく上回っています」と話す。今年の1年生は特に意識が高く、朝は教師がいなくても静かに電卓の自習をしている。これまでも英・数・国は習熟度別授業を行っていたが、今年は商業の科目でも少人数指導を取り入れた。

 商業科の探求学習はユニークだ。2年生が行うのは「株取引」。仮想の所持金1,000万円を元に東京証券取引所の銘柄に投資。さらに今年からは菊田暢章先生による「菊田塾」もスタートした。これは希望する生徒が集まり、独自のテーマを研究するもの。3年生の女子グループは「少子高齢化」、2年生の男子グループは「茨城の観光PR」について調べ始めた。

 少子高齢化を選んだ女子生徒は、将来、そうした関連の仕事に就くことを目標に国立大を目指している。実際に婚活イベントに行き、インタビューするなど精力的に活動中。菊田先生は「小論文や面接対策には、こうした経験から自分の幅を広げることも必要。菊田塾での研究結果をまとめて、大学に提出することも考えています」と話す。

 一方で、3年生は水戸啓明第1期生として、同校のオリジナル商品の開発やキャラクターづくりも商業科から発信していく。キャラクター名は「啓くん」と「明ちゃん」。さらには同校の創立者・田中重信先生のキャラクター「重ッシー」も生徒発案でつくる予定だ。

 菊田先生は「今は普通科志向が強く、最初から商業科を目指す中学生は多くありません。しかし、商業の知識は世の中に必要なものであり、とても身近なもの。商業科の良さを知り、高校の進路選択の幅を広くもってもらいたいですね」と話している。

 
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