受験生の戻り率が格段にアップ
特進・グローバルともにクラス増
記者 今年は入試結果がとても良かったと伺いました。
平岡校長 大阪私学の生徒数では近大附属に続いて2番目の数です。3学年の在籍数は2220名。今年度生徒数で2000名を超えている学校は大阪で5校しかありません。この少子化の中で本当にありがたいことです。
今回、併願の受験生も1757名いましたが、昨年よりむしろ減少しています。併願受験生は公立が第一志望なわけですが、皆さん非常によく各学校を調べ、研究されています。親御さんと一緒に学校説明会やオープンスクールに行き、実際学校の雰囲気を見て、感じた上で本校を選んでいます。専願の受験生に近い想いで受けられている。ですから今年は戻り率が例年より高かったんです。
記者 女子の入学者が200名を超えたそうですね。
平岡校長 はい。ここ数年併願でも女子が目立っており、昨年は140名だった女子が、今年は200名になっています。グローバルコースはもともと女子が多いのですが、今年は80名2クラスの募集のところ、97名となったため3クラス編成になりました。
もちろんグローバルコースだけではなく、他のコースも女子が増えています。特進コースもⅠ80名、Ⅱ80名の160名4クラスの募集が、227名6クラスになりました。また来年度の進学コースは1クラス増やし、スポーツコースは預かった生徒の実力と学力を責任もって伸ばすため、専願のみといたします。
記者 すごいですね! 人気の秘密は何だと思われますか?
平岡校長 一つは多種のコースです。普通科に、特進Ⅰ、特進Ⅱ、進学、スポーツの4コース。そして国際科のグローバルコースと5つのコースがあります。それぞれ特長的な教育を行っており、受験生たちが自分に合ったコースを選び、3年間頑張ろうという思いで受験し、入学してきてくれていると思っています。
また、最近の傾向として、本校や近大附属のように、大学附属である高校は入学者が多いと感じています。やはり大学へ行ってから社会に出るという人生設計が基本の方が多いですから、大学附属であるのは大きいですね。
グローバルコース卒業生の満足度が
口コミを呼んだ入学者の増加
平岡 伸一郎校長
記者 口コミが強かったのでは? というお話を聞きましたが。
平岡校長 実は昨年、グローバルコースは戻り率が非常に低く、定員が割れたんです。受験生は増えているのに何故なんだという思いでした。
|
|
そこで皆、何とかグローバルの受験者、入学者を増やそうという思いで、入学してきた生徒たちの学びをさらに充実させたんですね。具体的にはカリキュラムや年間行事などをさらに工夫し、生徒たち、保護者の方々の満足度を高めていきました。そういった活動を説明会などでもアピールし、共感していただいた。それが受験者の増加につながり、今年度のクラス増になったと考えています。
記者 グローバルコースには7つの特色がありますね。オンライン学習システムや、関西外国語大学との高大連携、プレゼンテーション能力の強化など、本当に充実しています。
平岡校長 グローバルコースができて今年で5年になりますが、年々、併願受験生の割合が多くなっています。これは手前味噌になるかもしれませんが、3年間本校で過ごしていただき、卒業時に感想を聞くと、「産大附属のグローバルコースで本当に良かった」という生徒が非常に多いんです。授業内容はもちろん、1年間または3ヵ月間の留学、外国人留学生との交流プログラムなど、学びが多かったプログラムをあげて、皆とても満足していると言います。もちろん自分自身の英語力もアップしていると感じているんですね。
記者 貴校での3年間の満足度が高いのですね。
平岡校長 やはりコースの中身の良さを、本当に生徒たちが実感してくれていて、それが受験生に伝わり、受験生も他の私学や公立高校と比較し、本校のグローバルコースを選んでくださっている。そういうパターンがグローバルコースの場合は非常に顕著です。卒業生の満足度が口コミで伝わっているのですね。
今後は新型コロナ対策を含むだけではなく、ハイブリッドなオンラインと対面授業を両立していくような時代になっていくと思っています。そうなると、グローバルコースが本校のリーダーシップをとっていくという一つの見方もできると考えます。
塾・中学校との連携をより深く
一丸となって通学圏拡大活動
記者 生徒の通学圏を広げる渉外活動を行っているそうですね。
平岡校長 現在の通学圏は大阪市内、北河内、中河内が圧倒的に多く、逆に少ないのが奈良県・兵庫県。私学なので、他県の受験生にも知っていただき広範囲の地域から来ていただきたいと思っています。特に本校は大東市に系列の大学があり、実は奈良県の学生が多いので、奈良からの生徒がもう少し増えてもいいのではと思っています。他府県についても、教職員皆で協力して取り組んでもらっています。
記者 校長先生はどちらへ行かれたのですか?
平岡校長 奈良県を担当しました。やはり、塾や中学校の先生とはきちんと話す必要がありますね。先生方は生徒を高校へ送る責任があります。送ったら終わりじゃない。その生徒がどんな高校生活を送って、卒業するのか。そして本校にはその生徒を預かった責任があります。そういう意味で、塾・中学校の先生と情報交換することはとても大切だと感じています。
――――――――――――― ○ ―――――――――――――
時代の流れで子どもが減り、必然的に生徒は減っていく。そんな中で、多くの学校の中から大阪産業大学附属高校を選んでもらうには、やはり今の生徒をどう育てるかが重要、と平岡校長は語る。生徒が満足して卒業していくことが、次の受験につながる。今年の入試結果がそれを表している。これからも生徒たちの満足度を高める教育を行っていくと、言葉に力を込める平岡校長に、本校のさらなる躍進を感じたインタビューだった。
|
|