次世代グローバルリーダーに必要と
される素養を培う「GNコース」
京都学園中学校・高等学校には、1897年(明治30年)に弱冠15歳で単身渡米した創立者、辻本光楠氏の言葉である「世界のどの舞台に立っても堂々と自分の意志で行動できる人を育てる」という建学の精神が脈々と受け継がれている。
その建学の精神のもと、生徒の学びを支えるシステムづくりに力を注ぎ、次世代グローバルリーダー育成のためのプログラムを積極的に導入している。現在の中学生・高校生がおよそ30歳になる2030年の社会で生き生きと活躍する人を【グローバル・ナビゲーター】と定義し、グローバル・ナビゲーターを育成するために6年間を最大限に活用した「中高一貫教育」G N コース(Global×Navigator=GN)として結実させている。
GNコースでは、入学時に入試結果に応じて『Sクラス』『Aクラス』を編成。中1から中2、中2から中3への進級時には、目標(志望)・成績・適性などを総合的に判断した上でクラス替えを行い、個々の目標や習熟度に応じた学びの実現を図る。特に中3の1年間では、進学するコースや目標(志望)をより明確にする。
『Sクラス』の生徒は、最難関国公立大学を目指す『特進ADVANCEDコース』へ進学し、高1は一貫生のみでクラスを編成。高2からは高校入学生を加え、文系・理系でクラス編成する。長期留学や海外大学への進学を希望する生徒は、国際コースに進学するが、学力や英語資格等を満たすことで、「選抜国際プログラム」を受けることも可能だ。『Aクラス』の生徒は『特進ADVANCED コース』を始めとする4コースから選択し、高1から高校入学生とともに学ぶ。
これらのコース編成により、京都学園高等学校は、例年卒業生の90%以上が現役で4年生大学に進学する。なかでも京大、阪大、神大、医学部系難関国公立大学に現役合格を果たしているのは中高一貫生に多い。「現代社会はグローバル化、ボーダレス化が急速に進み、人々の価値観や生活様式も多様化しています。Society5.0 といわれる今、地球規模の難問に挑む人の育成に向けて、独自の教育を展開できることが本校の魅力です。
中高生時代に、あらゆる情報をもとに自分の意見を構築し、発信する力を養うことが重要。本校では、受験一辺倒ではなく、さまざまなことを経験でき、勉学以外のことにも打ち込める環境を整えています。高校受験にとらわれることなく、中高6年間をかけて各教科を深く学び、探究活動や部活動に思い切り打ち込める継続性と時間的ゆとりこそが本校ならではの強みです」と、中学教頭の山田尊文先生は語る。
来春スタートする中高大一貫
教育体制に向け本格始動
佐々井 宏平 校長
京都学園中学校・高等学校は、中高一貫教育をさらに充実・発展させるために、日本電産創業者の永守重信会長CEO(最高経営責任者)が理事長を務める京都先端科学大学と発展的統合・総合化し、中高大10年一貫教育体制をスタートする。
両学園は中学高校教育と大学教育とを区分したままでは、グローバル社会で通用する人を育成・輩出していくことに限界があることを基本認識として、進むべき方向性が一致していた。
「永守学園、京都光楠学園とも2020年3月の理事会で中高大一貫教育体制に向けた協議を始めることを決議。2022年度本学入学生からの内部進学制度を導入するほか、中高大の教職員で組織するワーキンググループを設け、中高大一貫カリキュラムの制度設計や、新たな教育プログラムの研究・開発を行います。若年時からロボットやIT技術に触れて『自分で学ぶ力』を養うS T E A M(Science,Technology, Engineering, Art andMathematics)教育の推進などについて、本格的な協議を進めているところです」と山田中学教頭は話す。
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1969年に開学した同大学には、経済経営、健康医療、人文、バイオ環境、そして今春開設した工学の5学部11学科5研究科があり、文系・理系の枠を超え社会の問題解決に挑戦する総合大学として歩みを進めている。永守重信理事長は、中高大一貫教育を目指すと同時に、将来、同大学に医学部も設置し、総合大学として拡充していく考えも明言している。
今後は大学のキャンパスで最先端の研究設備に触れ、中学から大学の専門分野に特化した学問に接することができる。京都学園中学校・高等学校が最も大切にしている『中学で適性を見極め、高校で適性を伸ばす』スタイルのさらなる徹底と進路実現、将来に生きる確かな学力・豊かな人間力の陶冶が図れるフィールドが広がったといえるだろう。
大学との連携を深め次代を
拓く学びへ主体的に取り組む
京都学園中学校・高等学校では、先進的な教育スタイルを導入しているが、なかでも特徴的なのが、中学の『地球学』である。思考力や判断力を育むことを目的としたプログラムの集大成として独自に展開する探究型学習で、ホンモノに触れる機会・体験を多く設けることで知的好奇心を喚起し、生徒たちの興味や関心を広げながら将来の進路を切り拓いていく。
「昨年、中学3年生がキャリア教育の一環として日本電産本社ビルを訪問。ショールームの見学、副理事長・浜田先生の講演、最後に8つのグループに分かれて日本電産の若手社員の方々と交流する機会を設けました。社員の方々の中高生時代のこと、大学ではどのような分野について研究されたのか、また、現在の仕事を選んだ理由や仕事内容、そして将来の夢などについてのお話を聞きました。『地球学』を始めとして、このような進路実現や将来の職業選択への動機づけになる独自教育を実践してきました。来春は大学との一貫教育体制がスタートしますので、さらに進化・深化した本校でしかできない教学プログラムを展開していきたいと思います」と山田中学教頭は話す。
明確なビジョンと高い志のもと、次代の「先端」を行く理想の中高大一貫教育が、今まさに始まろうとしている。
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