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中学・高校受験:学びネット

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常翔学園中学校・高等学校

 
  難関国公立大学への合格者が急伸
独自のアクティブラーニング教育を実践
 1933年(昭和8年)関西工業学校として創立された常翔学園中学校・高等学校。大阪工業大学、摂南大学、広島国際大学の3つの大学と同校、常翔啓光学園2つの中高を擁する大規模な学校法人常翔学園の一角を担っている。3大学は合わせて19学部39学科を持っており、そのスケールメリットを存分に活かした教育を実践している。近年は進学校としての知名度を上げ、サンデー毎日の「この10年間で伸びた学校」でも紹介された。「職業観」を養うことを教育理念とし、実社会で活躍できる人材を育成するためのプログラムが、びっしり詰まっている。

校 長: 北尾 元一
住 所: 〒535-8585 大阪市旭区大宮5丁目16番1号
電 話: 06-6945-4436(入試部)
交 通: 地下鉄「千林大宮」駅、
「太子橋今市」駅より徒歩12分、
バス「大宮小学校前」より徒歩3分
生徒数: 中学校382名、
高等学校1,815名
ホームページ: http://www.highs.josho.ac.jp/

 

進学実績を大きく伸ばす
「常翔スタディスタイル」

根来 和弘 教頭

 常翔学園はこの春、大学合格実績を大きく伸ばした。京大1名、阪大7名、神戸大5名をはじめ、国公立大へ127名が合格。医学部医学科へ6名。早稲田大、慶応義塾大など難関私大へも合格者を出し、関関同立は251名合格という成果を出した。

 10年前は、国公立大の合格者はゼロ、関関同立はわずか5名だったことを考えれば、この伸びは驚くほかない。合格者の増加率では大阪府の私立高校でトップに位置している。この急伸の理由を入試広報・渉外担当教頭の根来和弘先生に聞いた。

 「ここまで伸びた要因は、日々の取り組みと学習環境にあります。良い環境のもと、より良い学習の習慣付けを中1から徹底して行っています。中1から取り組む『常翔スタディスタイル』は、毎朝のモーニングテストに始まり、月水金の放課後に行う学習タイム、また長期休暇の前後にも季節講習を実施して学力を定着させています。

 英単語や計算問題に取り組む「Daily Work」や「Weekly Work」も行っています。テストで基準点に達していない生徒や欠席が重なった生徒にはフォローアップ補習で手厚い指導をしています。英検、漢検、数学検定の三大検定の受験対策にも取り組んできました。これらを続けてきた結果なのです」

14年前から取り組む探究学習
大学の授業や研究活動も体験

 4つのプログラムで構成される中学の常翔キャリアアップチャレンジは、同校独自のキャリア教育である。

 まずは、常翔学園ならではの大学施設を利用し、知的探究心にもつながる「大学体験プログラム」。「探究プログラム」は、社会探究として身のまわりの課題を見つけ、それをグループワークによって解決に導いていく。人物探究では、日本経済新聞の私の履歴書1カ月分を読んで著名人の足跡をまとめ、それを題材にドキュメンタリー作品を生徒の手で制作する。この人物探究で、2016年には探究学習の祭典、クエストカップ全国大会でグランプリに輝いている。

 また、昨年から行っている「英語コミュニケーションプログラム」では、ネイティブ教員による英会話レッスンも導入している。「サイエンスプログラム」は、科学分野のアクティブラーニング(AL)。これまでに淀川の水質調査や太陽エネルギーの観測などを行っている。

 「こういったAL型の活動を、中学では開校以来、高校では14年前から行っています。導入時期が早かったので、全国から先生方が視察に来られるほどです。当時はALが今ほど盛んではありませんでしたので、通常の勉強に支障があるのでは? と議論がありました。しかし、これからの社会で必ずや必要になる。そう考えて取り入れたのです。これは本校の教育理念に根差しており、大学の先に待ち受ける社会で活躍できる人材を育てていく、そのためのプログラムなのです。今やまさに時代の求める教育となり、時代が本校に追いついてきたとも思います」

グローバルプログラムでは
ニューヨークの企業訪問も

北尾 元一 校長

 中学は難関国公立大を目指す「Ⅰ類」と、国公立や難関私大、学園内大学を目指す「Ⅱ類」がある。両者とも月水金は放課後に18時まで全員で取り組む学習タイムを設けており、教員が常駐する環境で勉強を行う。

 高校は4コース。難関国公立大を目指す「スーパーコース」では、週38時間授業に加えて予備校の講師による授業も行っている。「特進コース」は生徒の適性に合わせて高2から国公立大と難関私大クラスに分かれて授業を行う。理数系に特化した「薬学・医療系進学コース」は、学園内の摂南大学や広島国際大学の医療系学部で授業を体験。物理や化学などの演習時間を多く確保している。そして、志望校への合格を目指す「文理進学コース」がある。

 高校のキャリア教育も多彩だ。高1では課題解決学習(PBL)に取り組んでいる。実際に8社の企業から出された課題を、チームで解決に導いていく。

 高2になると、物理や化学など7つのゼミに分かれ、研究テーマに沿って実験や調査を行う「ガリレオプラン」も実施。各ゼミとも学園内大学と連携し、レクチャーを受けながら進めていく。

 「ヤングアメリカンズ」という活動もユニークである。海外から若者を招いて、歌やダンスによるショーをつくり上げ披露する交流活動である。これまでは高校のみで行っていたが、今年から中3にも導入された。中3および高1終了時の「グローバルチャレンジプログラム」では、ニューヨークにある著名企業や国連などを訪問。働く人に取材を行い、将来の進路選択に役立てている。ほかにも様々な活動があり、その数の多さでは群を抜いている。

 「この春、大阪大学の推薦入試に3名が合格しました。非常に難関と言われる入試です。学力も必要ですが、中高時代にどんな活動をしたかを問われます。合格には、本校のキャリア教育の取り組みが大きく影響していると思います」

保護者との綿密なコミュニケーション
充実した設備で生徒の学習を支援

 生徒や保護者への手厚いケアが評判を呼んでいる常翔学園。担任は約3週間おきに全生徒の保護者に電話をかけ、学校での様子を伝えて情報を交換している。JPC(Josho Parent Communication)という独自のシステムを導入しており、学校生活のトピックや連絡事項をメールで配信している。

 「保護者の方にアンケートを取ると、ケアがとても手厚い、キャリア教育でいろいろな体験ができ職業観が広がる、といった声が数多く見られます。おかげさまで入学者は毎年定員を大きく上回っていますが、その理由は保護者の皆さんが口コミで『良い学校だ』『面倒見がいい』と広めてくださるおかげです」

 取材後、根来先生の案内で校内を見学した。メインの校舎は12階建て。大阪の中高校では一番大きな校舎で、眼下の淀川から遥か北摂の山を一望することができる。図書館の蔵書は5万冊。加えて3つの大学の図書ともネットワークで結ばれており、100万冊を検索することができる。正門横には東京大学から分譲されたリンゴの木が植えられている。聞けば、ニュートンが万有引力を発見した木だそうだ。校舎の6階には屋上から吊り下げられた高さ29mのフーコーの振り子、北館1階には多面体オブジェを配置しており、すべて知的探究心、好奇心を育んでもらいたいという学校の姿勢が表れている。

 また学園内に自前のレストランサービスを持っており、パンは自家製で焼きたて、メニューも充実している。

 スケールメリットと独自の21世紀型教育により躍進している常翔学園に目が離せない学校だと感じた。

 
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