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中学・高校受験:学びネット

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雲雀丘学園中学校・高等学校

 
  来春、コース名とカリキュラムを大きく変更
統合型英語学習法を導入し、グローバル化を推進
阪急宝塚線の雲雀丘花屋敷駅を降り立つと、閑静な住宅街が広がる。周辺には文化財としても名高い旧安田邸や高碕記念館があり、緑豊かな文教エリアになっている。その一角に位置するのが、雲雀丘学園中学校高等学校。1949年(昭和24年)、サントリーの創業者である鳥井信治郎氏を理事長に迎えて創立。以来70年、鳥井氏ゆずりのチャレンジ精神を受け継ぐ教育を行なってきた。「孝道から行動へ」をモットーに、生徒は多彩な活動に取組んでいる。近年は東大や京大への合格者を輩出する進学校としても名を馳せ、多くの志願者を集めている。

校 長: 中井 啓之
住 所: 〒665-0805 兵庫県宝塚市雲雀丘4-2-1
電 話: 072-759-1300
交 通: 阪急宝塚線
「雲雀丘花屋敷」駅より徒歩3分
JR宝塚線
「川西池田」駅より徒歩12分
生徒数: 514名(中学校)
912名(高等学校)
ホームページ: https://hibari.jp/

 

6年一貫制をさらに充実修学旅行は生徒みずからが企画

 2019年度、雲雀丘学園は大きく変わる。まずは、中学高校ともにコース名を変更。中学は現在の一貫選抜を「一貫探究コース」に、高校は選抜特進を「文理探究コース」に改称する。「選抜という名称は、もはや古い学力観だと思います。おかげさまで生徒のレベルが上がってきましたので、コース名を刷新することを決めました」と就任2年目を迎えた中井啓之校長は主旨を話す。

 同時にカリキュラムも刷新していく。中高6年を3つの期間に分けて、中1中2は基礎期、中3高1は展開期、高2高3は発展期とする。基礎期では、放課後にリフレクションタイム(仮称)を設け、1日の学習を振り返る時間をつくる。1限目に先立ち、8時20分からは、読書や小テストの準備など生徒が自主的に勉強する時間も新設。そして、次年度の中1生から全員にタブレット端末を配布して、ICTを活用した学習にも取組んでいく予定だ。

 中3高1の展開期になると、「サイエンスチャレンジ」「グローバルチャレンジ」「アカデミックチャレンジ」の3つのコースから生徒が選択する。「クラスは保持したままで、生徒の希望に応じて様々な活動を行います。文系理系の垣根を越えて探究活動を行い、そこから将来の生き方を考えていくカリキュラムになる予定です。2年間の活動を高1の最後に論文にまとめ、発表。ポスターセッションやプレゼンテーションを行ない、表現力を磨いていきます。これまで以上に6年間で生徒を育てることを意識したいと考えています。アクティブ、クリエイティブ、アカデミックの3つをキーワードに、6年を2・2・2に分けることで、メリハリのある学習が可能になると思います」

 修学旅行も大きく変わる。長年、沖縄を訪問していたが、次年度からは生徒みずからが旅行の企画を立てる。プランを考え、旅行会社と相談し、希望者を募るのもすべて生徒が行なう。そして4つから6つ程度のグループに分かれて修学旅行を実施する構想である。「本校は自立型人間の育成をモットーとしていますので、修学旅行も生徒自身が主導してはどうかと考え、決断しました。始まってみないとどうなるかわかりませんが、とにかく何ごとにもチャレンジしていく。そういう生徒であってほしいのです」

 今まで行なってきたアカデミックサマー、環境学習、語学研修、職業人インタビューを始めとする数多くの活動は、引き続きすべて実施していく。

教科と英語の統合型学習を導入
最先端のメソッドでグローバル教育

中井 啓之 校長

 今年度からグローバル教育にもさらに力を入れている。外国人教員を含む複数の教員がグローバル教育部を結成し、海外研修、留学、外国語学習など様々な活動を率いている。その一環として新たに導入したのが「CLIL(Content and Language IntegratedLearning)= クリル」という英語学習法。CLILはヨーロッパで生まれ、いま急速に広まっているメソッドで、教科学習と英語学習を統合した形で授業を行っていく。統合型学習とも言われており、例えば、理科に関することを英語で学び、科目内容の理解を深め思考を発展させていくメソッドである。「英語科の教員が海外で研修を受けたり、授業改革プロジェクトのメンバーが日本でも実施している学校に視察にも行ったりして、勉強しています。導入にあたっては、日本でのCLILの第一人者である上智大学の池田真教授にアドバイザーをお願いしており、定期的に来校されて助言や指導をしていただいています。教授によると、一部の教員が実施している学校はあるが、全教員が取組んでいるところは珍しいそうです」

 11月には、CLIL授業での研究会を開催する。他校の教員や大学の専門家を招いて、アドバイスを受ける予定である。

 問題解決学習(PBL)も導入している。実際の組織や企業の問題を発見し、それを生徒が討論してプレゼンテーションをする探究型の授業だ。昨年は地元宝塚市を活性化するには?という課題に取り組んだ。具体的なプランをまとめ、宝塚市長に提案したところ、市長みずからが来校して感謝の意を述べた、というエピソードもある。

今春、中高ともに志願者が大幅に増加
国公立大医学部医学科へ5名が合格

 今春、雲雀丘学園は大きく受験生を増やした。中学は907名の志願者が集まり、昨年から100名以上も増加。初日の午後入試を導入した効果で、難関の神戸大附属中学との併願者が多かった。今春、初めて推薦入試を実施した高校でも志願者が増加し、3クラスを急遽4クラスに増やす結果になった。

 「高校は計8クラスになりましたが、それだけ本校を志願してくださる方がいらっしゃることを大変嬉しく思っています」

 大学の進学実績に関しても、年々レベルが上がっている。今春は、国公立大に97名が合格。京大1名、大阪大9名、神戸大8名など、難関大への進学者も多い。富山大、山梨大、徳島大など国公立大の医学部医学科へ5名が合格を果たした。関関同立へは4年連続200名以上が合格している。「生徒は本校の風土でもあるチャレンジ精神を持っていますので、たとえ不合格でも不本意な大学ではなく、第一志望への受験を貫徹する生徒が多いです」

 2019年度に向けてさらなる進化を遂げる雲雀丘学園、その成果が今から楽しみである。

 
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