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中学・高校受験:学びネット

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京都学園中学高等学校

 
  21.3世紀のグローバルナビゲーターへ
第1歩を踏み出したGNコース1期生
「世界の舞台に堂々と自分の意志で立ち、行動できる人を育てる」。92年前の創立者の思いを、グローバルナビゲーター育成という形で現代に継承している京都学園中学高等学校。今年、満を持して中学校に「GN(Global Navigator)」コースをスタートさせた。GNコースには、SGH指定を受けた先進的な国際教育や、深い学びへ導く探究型学習、個々の学力に応じた学力伸長講座など、従来の3コースで実施してきた全てのプログラムを集約。中高6年間をかけて真の国際人育成をめざす。4月に入学した生徒たちは、第1期生としての誇りと自覚を胸に日々成長を遂げている。

校 長: 佐々井 宏平
住 所: 〒616-8036 京都市右京区花園寺ノ中町8番地
電 話: 075-461-5105
交 通: 京福北野線「妙心寺」駅または「等持院」駅から徒歩3分
JR嵯峨野線「花園」駅から徒歩15分
阪急「西院」駅または地下鉄東西線「西大路御池」から市バス26系統、京阪「三条」駅から市バス10系統でそれぞれ「等持院南町」下車すぐ
学生数: 中学校 175名
高等学校 1,411名 (2017.9.1現在)
ホームページ: http://kyotogakuen.ed.jp (中学校・高等学校)

 

英語コミュニケーション力を伸ばす
ダブル担任制

 京都学園が定義する「21.3世紀のグローバルナビゲーター」とは、今の生徒たちが社会人となる2030年代に活躍できる人物である。

 グローバルナビゲーターを育成するために設置されたのがGNコースだ。6年一貫で学ぶGN一貫クラスと、高校進学時にコースを選択できるGN探究クラスがある。両クラスともに、これまで中高で培ってきた先進的教育プログラムをすべて集約している。

 例えば、従来の国際コースで実施されていたネイティブと日本人のダブル担任制もそのひとつだ。

 GN一貫クラスを担任する竹村慎吾中学校副部長は、「言語習得の観点から、できるだけ多くの英語を聞かせたい」と話す。

 一貫クラスのネイティブ担任は、イギリス人のウィルソン先生。朝のHRや終礼を担当する。もちろん英語だ。生徒のほとんどは英語初心者。入学当初は、ただただポカンとしていた。そこでウィルソン先生は生徒の様子を見ながら、絵やジェスチャーで意味を伝え、竹村副部長が机間巡視を行い、生徒が正しくメモしているかを確認する。入学して3ヵ月を経過したころには、英語で何を伝えようしているか徐々に分かりだしたようだ。英語が得意な生徒が、ウィルソン先生に替わって連絡事項の最終確認をすることもある。その一方で、なかなか英語を口にできない生徒もいる。

 ところが1週間前、そんな生徒が初めてウィルソン先生に質問した。質問は、「Where follow-up English?What time?」

 文法は正しくないが意味は通じる。竹村副部長は思わず「Nice!」と声をかけた。生徒が英語コミュニケーションの『最初の壁』を突破した瞬間だ。

 京都学園の英語教育には定評がある。中学卒業時点で英検準1級取得者を3年連続で出しているだけでなく、昨年度は2級取得者が中学170人のうち30人を数えた。

 「生徒たちは、『1期生だから歴史をつくらなきゃ。準1級を2桁出そう』なんて言い出しています」

 すでに6月の第1回検定に何人もが初挑戦。4級や5級合格からスタートを切った。

心を磨き、互いの違いを認め合う

 GNコース1期生は総じて目的意識が高い。「トライアスロンの世界選手権に出て、外国の人と話すために英語を頑張る」「地球学と英語を頑張って世界の農業を変えたい」など、将来の目標が明確だ。

 生徒の夢を叶えるために同校は、「心を磨こう」「視野を広げよう」「頭を鍛えよう」の3つの約束を挙げている。

 大学進学では、中高一貫教育で学力を伸ばし、これまで東大・京大・阪大など超難関国立大学に合格者を出してきた。2020年の大学入試改革に向けても、先進的な英語教育など対応ができている。

 「心を磨く」人間教育は、挨拶や身だしなみなど基本的な礼儀マナーから始まる。

 また、入学直後に実施する「コミュニケーションスキルアップトレーニング」では、専門家から心のあり方や言葉づかい、友だちとの距離感を実践的に学ぶ。

 その成果は、オリエンテーション実習のカレーづくりで発揮される。クラスの仲間と初めての協働作業だ。それぞれが役割を果たし、達成感とともにカレーを味わう。

 「トレーニングは1回限りのものではなく、学校生活のあらゆる場面で繰り返されます」と竹村副部長。

 例えば道徳の授業では、言葉の解釈は人によって異なることを学び、自分の意見を伝える力と相手が言いたいことを理解する力を鍛える。その上で互いの違いを認め合うことの大切さに気づかせる。これは異文化理解の基本でもある。

知的好奇心を刺激し
学習意欲を高める地球学

 生徒の中には「地球学」を志望理由に挙げる者も多い。教科の枠を超えてホンモノに触れる体験が知的好奇心を刺激し、視野を広げる。テーマは、環境保護や多文化理解、平和など広範囲だ。隔週土曜日に実施し、学年末に1年間のまとめとしてプレゼン大会を開く。

 4月に京都の深泥池(みぞろがいけ)で氷河時代の生き残りとされる水生植物の生態を観察。6月には芹生に枕状溶岩の観察に出かけた。これは京都北山がかつて海底火山によって形成された証拠のひとつとされているものだ。

 「どの授業も好奇心いっぱい。新しいことを知る楽しさで表情が輝いています」

 「地球学」は学習意欲を高め、中高一貫生が学力を大きく伸ばす原動力となっている。

 さらに加えて、中高ともに始業前や放課後の学力伸長講座が充実している。例えば、英語Brush up講座は全学年を対象とし、多読や長文読解に取り組む。また英語や数学のFollow up講座は、苦手を克服するための補充講座。個々の生徒の学習状況に応じて多彩な講座が用意されている。

 なかでも同校が誇る「超数学」は、主に2・3年生を対象に高校の学習を先取りし、難度の高い問題を解く。今年の1年生もすでに数人が受講している。高校ではさらにハイレベルな問題に挑戦し、数学を楽しみながら確実に力をつけていくことになる。

 さて、GNコース1期生が入学して3ヵ月あまり。学校生活にも慣れてきた。前期試験の後には楽しみな2泊3日の林間学舎が控えている。そこでは2回目のカレーづくりが行われる。今度はクラス混合チームでの協働作業だ。前回は自分の役割を果たすことに精一杯で、他のメンバーの動きが見えていなかった。まだ材料が揃っていないのに薪に火をつけてしまったり、水の分量を間違えたりで、どのチームのカレーもいまひとつだった。生徒たちは前回の反省を生かしてリベンジを果たすつもりだ。例年、2回目はかなりおいしくなるという。竹村副部長は、今年はどんなカレーを食べさせてもらえるか、楽しみにしている。

 
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