生徒に興味関心を引く
授業作り
5月初旬。新入生を迎えた金蘭会中学校・高等学校では、元気な声がキャンパス内に響き渡っていた。女子校ならではの雰囲気だ。
創立110周年を機に学校改革に取り組んできた同校は、改革元年に「コ・レボリューションプロジェクト」に取り組み、テーマを挑戦から前進へと常に新たな取り組みを進めてきた。
「本校では生徒が入ってくるのを待っているだけではありません。教員たちは生徒が日々興味を引くような、先進的な授業をやっていますし、在校生も能動的に意見を交わし合っています」と石橋誠先生は活気ある現状を熱く語る。
その一つがICTを活用した授業だ。例えば、タブレットを使った高1英語のグループワーク授業。先生は各自に問題を送信するが、瞬時に配信できるため時間のロスがない。生徒は解答を先生に返信後、生徒間でディスカッションとなる。この間、先生は解答を確認。間違っているところを重点的に教えていくというメリハリのある流れとなっている。
「英語の苦手なお子さんには、特にこういった授業で、よりわかり安く工夫をしています」
一方で、キャリア教育も生徒たちの楽しみな授業となっている。「生徒目線で学校案内をつくろう」というテーマ、課題発見・解決の一つとして協働学習に取り組ませる。
「本校の広報に絞り、考えさせました。良い意見が多く出ましたし、中にはパワーポイントを使って発表してくれた生徒もいました」
石橋先生は、それらの授業を通して、学校が好きになってくれればうれしいと話す。さらに、生徒の意見を今年度のパンフレットに採用することにした。より世間に金蘭会の良さを分かってもらえると考えたからだ。
「表紙には校舎のみを掲載する予定でしたが、生徒の意見を取り入れて、在校生も登場させました」
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入試広報部長が語る
生徒数増加の要因
3年連続で生徒数が増加した。石橋募集広報部長にインタビューの中、増加した要因が見えてきた。
石橋先生は大学卒業後、数学の教諭として金蘭会に奉職。かれこれ30年のベテラン教諭だ。進路指導部長を2年、生活指導部長を4年、その後、学年主任として学年をまとめるなど、多くの部署を経験してきている。ただ、経験していなかったのが募集広報。
現、田中校長が10年近く広報部長を務めておられたが、校長就任と同時に、石橋先生に広報部長就任という辞令がおりた。最初は手探りではあるが、ご本人のカラーを出しながら募集活動はスタートした。
「募集というお仕事は大変だと分かっていました。入口の部分で失敗して生徒を減らせば、やりたい教育もできないですから。定員を確保することは大事なんです」
石橋広報部長の覚悟の言葉である。同校では若い教員が多く、そういう先生方が安心して学校で働くことができ、社会に貢献できる学校として続けていくためにも、生徒募集をしっかりとやらないといけないとも話す。
中学校回りから塾回り。信頼関係を結び、あの先生のところなら生徒を送れると言われるまで多くの地域を回った。また、同校のOGが子どもを連れて、説明会に参加して来ることもあり、対応できることに幸せを感じる石橋先生だ。
だが、学校の良さをいかにアピールできるかで、その年の募集が決まると話される。説明会も多く実施しているが、最終的には学校に来てもらい、教育の中身や生徒の様子を見てもらうことだとも。
「うちの生徒が6年後、3年後の姿をお子さんとダブらせて見て頂き、あんな風になりたいと感じてもらえれば金蘭を選んで頂けます。」
広報の役目は、「受験生・保護者を学校に連れて来るまで」だと言って憚らない石橋広報部長。後は現場の先生へバトンタッチし、教育の中身(模擬授業などを実施)を見てもらうことだと強調する。
「先生方には怖い顔はダメですよ。スマイル、笑顔でね!」(笑)とお願いしています。
表看板であり、最後は徹底して裏方に回る。募集広報部長の存在は大きい。 |
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