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中学・高校受験:学びネット

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京都学園中学高等学校

 
  学びへの意欲を原動力に、進学実績が躍進中
京都学園中学高等学校は今年、国公立大学に72名が合格。過去最高の進学実績を記録した。その中心となっているのが高校の「特進ADVANCED」コースである。10年後、世界を舞台に活躍する「真のグローバルナビゲーター」育成を目標に、高度な学力とさまざまな能力をバランスよく育む独自の教育プログラムを構築。探究学習やハイレベルの数学講座などを通じて生徒に深く学ぶ楽しさを経験させることで、学習意欲を引き出している。

校 長: 佐々井 宏平
住 所: 〒616-8036 京都市右京区花園寺ノ中町8番地
電 話: 075-461-5105
交 通: 京福北野線「妙心寺」駅または「等持院」駅から徒歩3分/JR嵯峨野線「花園」駅から徒歩15分/阪急「西院」駅または地下鉄東西線「西大路御池」駅から市バス26系統、京阪「三条」駅から市バス10系統で/それぞれ「等持院南町」下車すぐ
学生数: 中学校 183名
高等学校 1,365名 (2016.9.1現在)
ホームページ: http://kyotogakuen.ed.jp

 

「学問」することの
本質的な楽しさを味わう

 京都学園高等学校は、「国際」・「特進ADVANCED(特A)」・「特進BASIC(特B)」・「進学」の4コースを設置している。

 このうち「特A」コースの進学目標は東大・京大・医学部などをはじめとする難関国公立大。今年は京大・阪大・神大など国公立大に60名が現役で合格した。特徴的なのは、高校入学後の伸びが大きいことだ。京大に合格した生徒の1人は、高校入学時の進研模試偏差値59.0から3年終了時の78.7まで19.7ポイントも伸びた。他にも10〜20ポイント伸びた生徒も少なくない。

 「特A」コースの丸岡陽子主任は、「SGS(サイエンス・グローバル・スタディーズ)を本格的に実施するようになってから偏差値の伸び率が上がった気がします」と話す。

 SGSは、理系教育を重視する「特A」コース独自の取り組み。10年ほど前に京都学園大学の「バイオ環境学部」と連携して研究プログラムを開始した。当初は大学に依存する部分が大きかったが、4〜5年前より高校の理科教員が主体となり、大学の協力を得ながらも生徒が自ら探究する形へと進化してきた。対象は高校1年生。主に土曜日の午前中を使って研究に取り組む。

 SGS担当の門池大樹教諭(理科)は、「まず『研究とは何か』という基礎的な事柄から始め、データ解析やテーマ設定の方法を学び、同時に論理的思考力も鍛えていきます」と語る。

 生徒たちは5〜6人ずつの班をつくり、7月ごろに研究テーマを設定。大学の先生の前でテーマを発表してアドバイスを受ける。テーマ設定の条件は、「新しいこと」と「結果が出ること」。すなわち、生徒たちは世界初の研究に取り組み、結果を出さなければならない。

 班ごとに研究や調査を進め、成果を1月に校内の大会(SGSリサーチフェア)で発表する。大学教授数名も審査員として参加し、高校生だからと手を緩めることなく、様々な観点から質問を投げかける。思いがけない質問に対して答えに窮する場面もあるが、何とか自分たちで答えを導き出す。

 審査で優秀班に選ばれると、京都府私立学校の理科研究発表会に代表として出場。一昨年、「野菜や穀物から天然着色料をつくり実用化する」研究を発表した女子4名の班は、最優秀賞を受賞。京都新聞でも紹介された。

 「パプリカなどの野菜から色素を抽出して、『くまのプーさん』のキャラ弁を作ってました」と門池教諭は顔をほころばせる。

 SGSで生徒たちは大変な苦労を経験する。しかし、その分、達成感は大きい。「勉強」ではなく、「学問」することの本質的な楽しさを味わう。その結果、大学受験に対する意識も前向きになっていくという。

グローバル社会の現実を体感する
イギリス研修旅行

 高校2年の7月には3週間のイギリス研修旅行に出かける。

 「ここで、強烈な挫折感を味わいます」と丸岡主任は話す。

 現地のカレッジでは英語力に応じて振り分けられたクラスで、日本人は1人か2人。イタリアやスペイン、中国など世界各国から集まった生徒たちのようにはなかなか喋ることができない。

 例えば、先生から「死刑制度について述べなさい」と言われ、他国の生徒が文法を無視してでも自分の意見を堂々と発表するなか、ひとり悔しい思いを噛みしめる。文法力は高いのだが…。日本では「お勉強ができるまじめな良い子」だった彼らが、イギリスでは「何も言えない日本人の子」と劣等生扱いされてしまう。ホームステイ先でも言葉が出てこないために不自由な思いをする。決して楽しい研修旅行ではない。

 しかし、この経験が生徒を大きく成長させる。グローバル社会の現実に直面して、「このままではいけない」と、次の学習に向かうエネルギーが沸いてくる。

 「辛い3週間を乗り越えられたことが自信に繋がりますし、自分の至らなさにも気づくことができます」

学校完結型の受験指導で
現役合格

 「超数学」も「特A」コース独自の取り組みだ。学年の枠を超えて選ばれた数学の精鋭たちが土曜日の午後に集まり、東大・京大レベルの難問に挑戦する。

 「教頭を中心に数学科の先生方3〜4人と、30人ほどの生徒が数学を楽しんでいます」と丸岡主任。

 1人が黒板に解答を書き、皆で解き方を議論する。超難問を解くだけでなく、国公立大2次試験に必要とされる答案作成力も鍛えている。

 今年7月のオープンキャンパスで「超数学」の体験授業を実施したところ、教室いっぱいに中学3年生と保護者が集まり、問題の解法に熱中した。「超数学」に魅せられて入学する生徒もいるという。

 「超数学」やSGSなど、知的好奇心を刺激し学習意欲を引き出す教育により、「特A」コースの生徒たちは難関大学の受験を突破していく。

 しかも、ほとんどが塾にも予備校にも通わずに現役合格を勝ち取る。部活動も自由だ。高校3年の5月までバスケットボール部のレギュラーとして活躍した生徒は今春、京大に合格した。

 丸岡主任は、「本校ほど面倒見の良い学校はありません。教員が塾、予備校、家庭教師になります」と言い切る。

 まず、3年間を通して月曜から金曜まで7時間授業を行う。授業以外にも、朝は7時半から40分間の自習会。もちろん質問に備えて教員が待機する。この自習会は3年生になると、理系志望者のための「地理」演習講座になる。放課後は20時まで各種講座を開講。これも3年生では予備校形式の学力伸長講座となる。

 さらに、国公立大の推薦入試や2次試験対応のためにマンツーマンの個別指導や添削指導も行われる。生物を担当する門池教諭も、昨年度ほぼ1年間にわたり6人に論文指導した。

 門池教諭は同校の卒業生。「本当によく面倒をみていただきました。いまの生徒にも同じようにしてあげたい」と話す。

 最後に丸岡主任は、「SGSを楽しめる好奇心の強い生徒は、大学に入ってから、ものすごく伸びます」と太鼓判を押す。

 「特A」コースが誇る教育プログラムに、教員の熱意が込められて、生徒を大きく伸ばしている。

 
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