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中学・高校受験:学びネット

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天王寺学館高等学校 総合学科・単位制

 
  通学通信制という独自スタイルで「第4の学校」を目指す
通学通信制という新しい概念の教育スタイルで、多様な生徒のニーズに応えている天王寺学館高等学校。通称“天学”は平成14年の創立以来、既存の全日制、定時制、通信制という高校の枠を超えた独自の一校として、「第4の学校」を目指している。「天学の教育コンセプトを実現するには、通信制が最適でした。分りやすい表現にすると、通信制と全日制のいいとこどりです」と桐木孝教頭。毎年、生徒から要望のある個所を見直すなど、生徒の可能性を引き出す学びの環境を進化させている。

校 長: 久井 通義
住 所: 〒547-0041 大阪市平野区平野北1-10-43
電 話: 06-6795-1860
交 通: 御堂筋「天王寺」駅/(関西本線乗り換え)JR「平野」駅すぐ/地下鉄谷町線「平野」駅より北へ徒歩約16分/地下鉄千日前線「南巽」駅より南へ徒歩約15分
学生数: 757名 (2016.9.1現在)
ホームページ: http://www.tg-group.ac.jp/tgkoko

 

“天学”の本気教育
授業時数の多さで安心の学力

 “天学”の教育課程は、登校日数や授業時数が異なる通信制の「通信部」と通信制の「通学部」の多部制編成。さらに両部に複数のコースがあり、年3回、コース変更(転コース)ができる。生徒の6割が所属する「通信部」には週3日の登校で午前に授業が組まれ、「総合教養」「国際教養」「芸術情報」の3コースが設定。登校が厳しくなった時には、特別学習方法として在宅学習の「視聴メディア」コースがある。「通学部」には文理系と芸術系があり、生徒の目標進路を実現させる目的別の授業が組まれ、学習内容により週3日制から5日制までに分かれる。文理系には、難関大をはじめとする大学受験向けの「文理進学特進」「文理進学総合」「文系進学総合」「理系進学総合」と「基礎総合」の5コース、芸術系には芸大進学を視野に入れた「芸術系進学総合」コースがある。

 そして、大きな特長の一つが、授業時数の多さ。同校では通信制特有のスクーリングそのものを授業と呼び、各教科で通信制の規定をはるかに超えた授業時数で生徒の学力をサポートしている。国語総合を例に挙げれば、基準の単位時数が4コマなのに対して、通信部では学習に必要な24コマ、通学部では公立高校と同等数の104コマをそれぞれ設定。

 桐木教頭は「確実に理解するには、相当数の授業時数は必要です。さらに、英語の苦手な生徒のニーズを受けて、必修科目のコミュニケーション英語を、入門・基礎・応用とレベル別に授業時数を追加しました。数学も同様。体育もおっとり体育Aと標準体育Bの科目に分けました。最初はなかった科目も、授業に出にくい生徒への配慮から誕生したものです。学校としては大変なんですよ」となぜかうれしそう。この細やかな対応と圧倒的な授業時数こそ、生徒に安心できる確かな学力を身に付けさせるための取り組みで、単なる高校資格を取る学校ではないという“天学”の本気が表れている。

専門性の高い芸術コース
今年も大阪私学美術展で多数受賞

 通学部の芸術系進学総合コースは、プロから指導を受ける“天学”を代表する学びの一つ。今年も「第65回大阪私学美術展」で多くの生徒が受賞し、最高賞の受賞は2年連続の快挙。この成果は、生徒に画力よりも考える力を身に付けさせたいという講師陣の情熱によるもの。そのため課題制作だけではなく、グループワーク、プレゼンテーション、講評会、学外活動を積極的に組み込んでいる。制作活動は1人でもできるが、完成した作品を社会と結びつけるためのトレーニングが、今の時代に必要と考えているからだ。そして、これらの授業を通して、社会と関わることに苦手だった生徒に、その苦手意識を克服できたという、うれしい変化が起きたほどだ。

 このコースでは、「絵画」「イラストレーション」「デザイン」「立体造形」「描画表現(デッサン)※選択」という美術のジャンルを深く学習し、基礎を身に付けた上で、「卒業制作」という自身の表現に向き合っていく。最大で週4日、16時間の専門性の高い授業を受けることが可能だ。他に、通信部の芸術情報コースがある。音楽の分野4科目が追加され、「経験者のピアノ」や「キャラクター造形」など、ここでしか学べない科目が魅力だ。

物事に挑戦するチャンスと思わせれば
自ずと「生き抜く力」が培われる

 “天学”での学びには、社会で必要な人間力を培うため、生徒ができることは生徒にさせるという様々な仕掛けがある。高大連携授業の「集中授業」や外部講師による講演などの体験型学習をはじめ、各種学校行事もその一例。その道のプロを迎えた講演では、「理系だからプレゼンが不要と思ったら大間違い。研究費の獲得のために重要」との話に、おとなしい生徒がスピーチコンテストに出場すると言い出したことがあった。

 今年は生徒会が正式に発足し、初めての生徒総会で立会演説会が行われた。立候補をためらっていた生徒に、桐木教頭は「スピーチやプレゼンを体験するチャンス。失敗してもここは学校。社会人になって失敗したら辛い。思ったことをやれ」と背中を押した。

 また、「社会認知力」をキーワードに、変化の激しい時代に生徒が「生き抜く力」を養うための進路指導を強化。例えば、日々のニュースを他人事とせずに自分に置き換えて考えることで、生徒自身と社会が無関係でないということを認識させている。そうすれば、自ずとどのように進めばいいのか見えてくるはずだという。さらに、最近の大学で問題視されている就活力に関して、大学に進んでからでは手遅れで高校という環境の中でこそ取り組むべきと強調。社会人基礎力のアクション(前に踏み出す力)・シンキング(考え抜く力)・チームワーク(チームで働く力)や、社会で求められる力のPDCAサイクルを、受験勉強に当てはめることを勧める。自分で学習計画を立てて実行し、進捗状況や結果をもとに学び方を見直すことで、一連の流れを繰り返し経験できるからだ。全ては学習で得た学力の活用が大事で、その知の力を武器に時代を生き抜く力強い生徒になってほしいと願っている。

 「子どもたちに、『これは挑戦するチャンス』と思わせたい。自分自身の可能性は、物事にチャレンジしないと分からないものだからです。聞いたことや経験したことがなくても、勇気を出してチャレンジすることが大事だと声を掛けています。高校3年間で、成功したり失敗したりした数が多いほど、その後の人生を豊かにし幸せになれると信じています。『きっと君の中には隠された可能性がある』と生徒に話しています」と桐木教頭。このように生徒を思う教職員全員の親心こそが、“天学”の強みなのかもしれない。

 
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