「やってみなはれ」
精神を吹き込む
雲雀丘学園中学校高等学校の改革の成果は着実に出始めている。昨年は「一貫選抜コース」の第1期生が卒業し、国公立大学合格者が87名と合格実績を大きく伸ばした。今年はついに、112名と3桁を達成。しかも、その8割以上が現役合格である。
それでも岡村美孝校長は、「学園はまだ発展途上。もっと良くしていかなければなりません」と話す。
岡村校長は、実業界出身。サントリーホールディングスで42年にわたってキャリアを積み上げてきた。
その岡村校長が入学式で生徒たちに説いたのは、「やってみなはれ」の精神だ。「躊躇するな、失敗を恐れるな」と語りかける。「やってみなはれ」は、雲雀丘学園の創立者である鳥井信治郎の口癖だ。昨年のNHK連続テレビ小説「マッサン」で、広く知れ渡った。
「本校は『やってみなはれ』の本家本元。雲雀丘という恵まれた学習環境のなかで培われた『おだやかな校風』を守りながら、新しいことに挑戦していきます」と意気込みを語る。
また、4月着任と同時に徹底を図っているのが、挨拶だ。挨拶するということは、相手の存在を認め、自分の存在を認めてもらうこと。積極的な気持ちがなければできない。もちろん、これまでも生徒たちは挨拶を習慣づけている。それを今一度意識し、徹底しようという意図だ。学校生活だけではない。保護者にも挨拶の重要性を訴える。
「朝一番に、『おはよう』と元気な挨拶が行き交う家庭をつくりましょうとお願いしています」
その習慣が、生活態度や学習意欲につながるはずだ。
学習への原動力は
「本物の学び」
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